2011JAF全日本ジムカーナ選手権第4戦

7/3(日)、スナガワオートスポーツランド、ドライ






2011JAF全日本ジムカーナ選手権第4戦
PN3クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位岡野博史 CZ4A1'48"8801'49"4261'48"880
2位山野直也 GRB1'50"5071'54"871(P1)1'50"507
3位井上賢二 GRB1'50"8161'54"803(P1)1'50"816
4位遠藤康浩 CZ4A1'55"1231'52"0991'52"099
5位中村誠司 CZ4A1'54"3341'53"1441'53"144

写真は、撮影班長さんにご提供いただきました。
ありがとうございました。


概要
結果は5台中4位。
前回の第3戦よりはしっかり走った感がありますが、上位3台との差は歴然。もう一本走れれば自分なりに理解しているミスを修正して1秒程度はタイムアップできる目算はありますが、それでも上位3台には届きません。
スナガワの走行経験が無いから、という理由だけでは片付けられない大きな壁を感じた1戦になりました。
今回は、車をサポート頂いているアルファの中村社長に陸送して頂くという大胆な方法を取り、自分はワークスドラの岡野さんと飛行機で北海道入り。常識的にはあり得ないような取り組み方でしたが、北海道で戦う、ということの大変さを身を持って感じた1戦にもなりました。
全日本ドラの皆さんの意欲とマネージメント力に脱帽と言った感じです。
スナガワというコース、難しかったけど面白かった。近くにあったら走りたいコースの一つですね。



エントリー
全日本選手権へのエントリーは土日で参加出来るイベントのみ、というスタンスは変わっていません。前回のタカタも、ちゃんと金曜日と月曜日は仕事して、土日だけで走ってきました。ほとんど寝られませんでしたけど・・・。
逆に言えばタカタは睡眠時間を削れば行けなくはない会場でしたが、第4戦の北海道は距離も距離だし陸続きじゃないし、100%無理ですのでエントリーは考えもしませんでしたが、サポートを頂いているアルファの中村社長から車を運んでいただけるとのオファーが。
選択肢として考えてもいませんでしたので戸惑いましたが、こんなありがたいお話は一生のうち最初で最後かもしれませんので、前向きに検討することに。車を運んで頂けるなら土日での参戦は十分可能ですが、問題は金銭面や家族の了解と言ったところでしょうか。連日に渡る家族会議の末、「ま、行ってくれば」というかんとくの一言で北海道ラウンドエントリーが決定。かんとくの気が変わらないうちに、社長に連絡してあらゆる手配を済ませ、あとは当日を待つばかりとなりました。
とは言え、ちょっと、いや、結構な罪悪感が日々続いていたのは事実です。そこまでしてやる意味があるのだろうかとか、その分の費用を他に回した方が本当は得策なんじゃないかとか、家族にも少なからず迷惑をかけますし、自分なりに肩身の狭い思いであったのが正直なところ。
その一方で、二度と無い経験が出来る貴重な機会になるのは確かだと思ったのです。乗りかかった船、近場だけ、とかいう半端な取り組みではなくて、一度きっちり全日本を見てみるのは、何にも変え難い経験になるのではないかと。たまたま車を運んで頂けるというオファーがあったから、とも思えますが、そういうオファーを頂ける環境をこの長い競技生活を通して築きあげられたことこそが大きいのではないか、と思うと、今年はそういう年なんだろうと思ったわけで・・・。なーんて、いろいろ考えをこねくり回して自分の行動を正当化しようとしているだけですけどね(^^;;
ということで、今回も見たこともない会場をたった4本で攻め切らなくてはなりません。到底まともに戦えるとは思っていませんが、とにかく全力でやってみることにしました。


前日練習
金曜日の仕事の後、ソッコーで羽田に移動し、最終便で千歳へ。
ところが羽田で、「千歳空港が濃霧のため、着陸できない場合は羽田に引き返しますので、燃料を補給します」との、引き返す気満々のアナウンスが。実は今回のPN3クラスエントリー台数は5台と、1台でも欠けると成立しないという厳しい状況。たどり着けませんでしたでは皆さんに申し訳が立ちません。最悪土曜日移動の本番ぶっつけでも行くしかないよなぁ、なんて考えていたら無事霧が晴れたようで、千歳に着陸。札幌まで移動し、24時前にチェックイン。25時には就寝して、3時間ほど寝てから4時過ぎに起きて、5時にはホテルを出ました。
睡眠時間は短いですが、体調は前回のタカタとは雲泥の差。天気予報とは裏腹の霧のかかった高速道路を移動してゲートオープン7時前に無事会場に到着。確かに結構速度の乗りそうなコースです。
ハイスピードな上に、島がたくさんあり、さらに雑草が数十cmくらい生えていて、コースが見えません・・・。僅かに見えるパイロンの頭を頼りに右に左に島をクリアしていかないといけないようで、こりゃ大変です。更にくせ者は、パイロンセクションは路面が大きく切り替わっているところだそうです。フロントが逃げるから気をつけるように、ってアドバイスだけを頼りに、コースをイメージしますが、頭に入れるまでにえらく苦労しました。
天候は、準備を進める内に日が出て、晴天。空気が乾燥しているので過ごしやすいですが日差しはかなり強くて、日なたは暑いくらい。明日も予報は晴れとのことなので、今回は天候を気にせず2日間走れそうで安心しました。
そんな公開練習1本目、PN3直前PN1のEXEさんがガードレールアタック。もうこれみてびびりまくり。もう一度コースを確認したい気分で一杯でした。無理しすぎないように気をつけてスタートし、グリップ感が分からず探り探り走ってたら前半が遅いこと遅いこと。中盤から後半にかけて徐々に慣れ、路面が変わるというターンセクションに入ると、ほんとに変な動きで戸惑いまくり。何とかオンコースで最終ターンへ向かい、ちょっと欲を出したらテールスライドが止まらずフルカウンターで逆モーションから何とか切り返してゴールでした。うーん、難しい。インプ勢から大きく遅れて目も当てられません。
どこがどうってより、消極的になってはタイムが出ないようなので、得られたグリップイメージを頼りに、二本目はもう少し積極的に行ってみます。慣れの部分が大きく、それなりにタイムアップはしましたが、やはりインプ勢には及ばず。ちょっと為す術無しって感じで練習を終了。
かなり速度の乗るコーナーやシケインなど、リスキーな部分も多く、限界付近のピーキーさが気になるレギュラータイヤでどこまで攻められるのか、コースアウトする車やガードレールアタックする車両もあり、非常に難しさを感じるコースです。ただ、このままだととてもじゃありませんが、上位3台と戦える気がしない。同じセットで同じ走りでは秒差で負けるのは間違いないだろう、ともんもんとホテルで考えつつ翌朝へ。



決勝コース
なんと、公開練習とはがらっとレイアウトが変わっています。まるで初めて走るコースというくらい印象が違います。参りました。いや、土曜日と日曜日のコース設定を変えるのは大賛成ですが、何せ初めての会場なので、きっついなぁ、と思ったのが正直なところです。
何が大変って、やっぱりコースを覚えるのがむちゃくちゃ大変。昨日と似たような通過が何カ所もありますが、入り方出方がことごとく違っていて、しっかりイメージを作らないと絶対ミスコースしますって。何しろゼッケンも16番と早いので、必死にコースを覚えて慣熟に。
昨日もそうでしたが、結構ギア選択にも悩むんですよね。N車だったらほとんど迷わず2速ってところが、1速か微妙だったりして。土曜日の感じから、高めのギアが良いところもあったので、昨日の情報を思い出しつつ狙いを定めてみます。
テクニカルセクションは深いターンが無くてあっさりという印象ですが、くどいほどに右左と折り返す180度ターンの繰り返しは、路面の難しさも相まって結構なタイム差をつけられてしまいそうです。
朝方は比較的曇りがちで昨日ほど路面温度は上がっていません。
そして、昨晩からずっと悩んでいたセットですが、昨日のままではどうせ勝負になりませんので、大きくセットを変えてチャレンジセッティングで行くことを決断しました。と言うわけで、また1本目はデータが何もない状態・・・。ただ、路面は少し理解出来たのと、そのチャレンジセットは他の会場では使った事があるので、双方を併せたイメージを作ってなんとかやってみることにします。



第一ヒート
16番という早いゼッケンのため、ブリーフィング後は大忙し。何とか準備を間に合わせ、スタートラインに並んでいると、今度はPN1クラスの山越選手がガードレールアタック。速度アベレージを落としたくない軽量車両にとっては特に勝負所なんだと思いますが、エスケープが無いので非常にリスキーです。またもやびびりモードに入って、30分ほどコース清掃等が入った後にスタート。
飛び出したら終わりのカートコースですから、チャレンジセットのグリップ感を探りつつ、でも極力積極的に、という感じでぶつぶつと言いながら前半をクリア。フィーリングとしては悪くないようです。所々島の入り口を迷いながらも、何とかカートコース部分はクリアし、ターンセクションへ向け、アクセルを開け気味に島を脱出して、パイロンが見えた瞬間、コースを見失いました。赤いパイロンに入ることは意識していましたが、なんと3つ見えるじゃないですか。一番手前のパイロンはやけに近いし、右奥か、と思いなおしましたが、これは遠すぎる!!!、ということでフルロックして止まりかけ、やっぱり一番手前のパイロンだったよなぁ、と思い直して再加速。がっつり落ち込んでつづら折りのようなターンセクションをこなしてゴール。タイムは1'55"1でした。
ゴール付近でのアナウンスが聞こえづらくて状況が分かりませんが、どうやら5台中5位の様子。そりゃそうですよね、あんなに空白の時間帯があったら。
ざっと解析するとその区間で2秒強あるみたいなので、素のタイムはもう少し行けてるはずですが、上位3台とは大きく水を空けられています。



第二ヒート
とてもじゃありませんが、上位3台に食い込める気がしませんが、チャレンジセットの感じも掴めたので、とにかくどこまで迫れるか、目一杯攻めてみようと思います。
その後天候は晴天へと変わり、路面温度もグングン上昇して第二ヒートがスタートです。
コーナーの先までイメージを作りきれずにアクセルを開けきれないセクションと、切り返しのクランクセクションが遅れているようなので、その辺りはどこまで根性を見せられるかにかかっている気がします。
気温もかなり上昇した中でいよいよスタート。1コーナーから迷わず積極的に行ってみますが、まだ行けるみたい。とにかく第一ヒートよりアクセルは開け気味で各セクションを通過。いくつかあるクランクセクションでは進入頑張りすぎて立ち上がりが踏めなかったりちぐはぐな感じ。踏み切りたい高速コーナーセクションは、入りからまだ余り気味なのに、その後の脱出もやっぱり踏み切れずに、中途半端に終わってしまいました。うまく速度を乗せられた部分(当社比)や変に頑張ってロスした部分が混在しながらも、なんとかカートコースセクションを通過。問題のパイロンセクション入口は、今度は迷いませんでした。フロントの逃げとストールに気をつけて一つ一つターンをこなし、それでも行きたい方向に車が行かないターンがいくつかありつつ、ゴール前の緩いコーナーも僅かに躊躇が入ってゴール。タイムは、1'52"0でした。



終わって
やっぱりゴールタイムは聞こえませんが、なんとなく、4番手には入った模様。空白の2秒+1秒くらいはタイムを上げられたようですが、上位3台には2秒の差。全く届く気がせず終わってしまいました。
前回のタカタに続き、初めて見るコースに土曜日から入り、僅か2本でデータを収集して2本で勝負することの難しさを痛感しました。とは言え、タカタでは、土曜日は実質1本、日曜日も1本勝負で、まともに走る領域には全く踏み込めませんでしたので、それに比べれば、最後の1本はだいぶまともに走れたとは思いますが、まだまだ余力を残している時点で勝負以前のところで終わってしまった感じです。
北海道で走るというチャンスはなかなか巡ってこないと思われる中、良い経験をさせて頂きましたが、やっぱり悔しいです。次の菅生はもう少しまともに攻めるところまで踏み込みたい、という思いを強くして帰路につきました。
とは言え、北海道という環境でのダイナミックなコースでのジムカーナは、最高でした。かなりのハイスピードセクションから多彩な島周りに加え、路面の変わるテクニカルセクション。難易度の高いコースですがやみつきになります。近くにあればたくさん走りたいコースの一つですが、タイヤの減り方は半端じゃないみたい。ちょっと懐には厳しいですね。
帰りは、自走不能となった山越君に車を委ね、岡野さんと飛行機で帰宅。手ぶらで土日でジムカーナという何とも贅沢な週末を過ごさせて頂きました。ありがとうございました。


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