2000年JAF全日本ジムカーナ選手権第8戦参戦記

8/6(日)、ツインリンクもてぎ北ショートコース、ドライ

2000年JAF全日本ジムカーナ選手権第8戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位西原正樹 GC81'23"672(P2)1'19"7011'19"701
2位森吉雄一 GC81'19"9641'25"178(P1)1'19"964
3位川脇一晃 CP9A1'20"3631'20"0251'20"025
4位菱井将文 GC81'20"0781'20"2191'20"078
5位天満清 CP9A1'20"1931'20"3211'20"193
6位岡野博史 CP9A1'21"3371'25"791(P1)1'21"337
7位徳永秀典 GC81'21"3521'26"163(P1)1'21"352
8位吉田豪 CP9A1'26"042(P1)1'21"5721'21"572
9位古谷哲也 CP9A1'21"6941'26"373(P1)1'21"694
10位斉藤和徳 CP9A1'22"1231'21"7021'21"702
25位遠藤康浩 CP9A1'25"2441'29"301(P1)1'25"244

1.まえがき

ジムカーナを始めて5年目、ようやく、ジムカーナ競技における最高格式のJAF全日本ジムカーナ選手権への参戦を決意しました。最近では、誰でも受理されるという話もありますが、関東地区戦でのポイントゲットが最低限の基準とも噂されており、自分としても、地区戦でポイントが取れたら一度エントリーしようと考えておりました。そんな今年地区戦を追い始め、ポイントどころか運良く5位入賞を果たしてしまったので、今回の参戦を決意したわけです。全日本で戦えるなんていう気は更々無く、思いとしては記念参戦に近い形ではありますが、やるだけやって、全日本のトップとどれだけ差があるのか、見えればいいなと思っています。会場としては、C地区で開催されるもてぎ北ショートと、富士Nコースが候補にあがり、できれば、C地区ドライバーとしてはパイロン主体のNコースで走りたかったところですが、日程的な都合からもてぎを選びました。
参加申込書もいつもと違う雰囲気ですが、なにやら同じような事を何枚も書くんですね。また、良く耳にする公開練習ってのは無く、前日及び前々日練習の申込というのが別にありました。扱いがちょっと違うのでしょうかね。いつも一緒の監督は、一応サービスとして登録。タイヤ交換してくれてもえぇでぇ。過去の実績記入欄などもありましたが、ほとんど書き込むことは不可能で、最近の地区戦でポイントを取ってランキングに名前があることと、入賞歴があることが唯一でした。ま、こういう意味でも地区戦でのポイントゲットや入賞ってのが意味あるのかもしれません。でないと、実績欄は白紙で出す羽目になりますからね。
ま、全日本だからといって、我がチームとしては特別やることもなく、新しいコンパウンドを使うでもなし、いつものタイヤで、いつもの車ででの参戦となります。
さて、その前日練習、いつもはちんたらゆっくり会場入りするところですが、今回は初めての全日本ですので、ゲートオープンを狙って会場入りします。でも、本番タイヤを履いて自走する我がチームは(おいおい)、速度を抑えタイヤを冷やしながらの現地入りのため、異様に時間がかかってしまいます。そんなこんなで会場入りすると、やはり、一種独特の雰囲気の車が並んでいます。明日の本番と同じパドックということですが、なんと私のとなりはA3チャンプ候補の日部選手。別に全日本戦に出る事自体はそれほど緊張していませんが、となりが日部さんだということが一番の緊張ネタかもしれません。でも、正面はあの岡野さんのパドックということが分かり、少しほっとしました。いや、これも緊張ネタかも?
実際の練習走行ですが、インフィールドは今まで経験の無い逆回りでした。1本目はそれなりに走ったつもりですが、やはりコーナーへの進入距離が全く合わない個所が多く、速度の乗る1コーナーとかも全くうまく走れません。お昼の完熟歩行では、岡野さんに声をかけられ、1周一緒に歩いて頂きました。なんかそれだけで全日本戦に出て良かったと思えるほどうれしいできごとでした。各コーナーの走り方や考え方を丁寧に教えてもらい、大変勉強になった完熟歩行でしたね。岡野さんの指導のおかげか、2本目の走行では、1コーナーの走り方の感覚が少し分かり、だいぶスムースに走れるようになった気がします。まだまだ攻め切れず、トップとは5秒以上も離され、タイムとしては散々でしたが、ほんとうに良い練習となりました。岡野さんありがとうございました。
そんな感じで練習会を終え、本日の宿へ。今回は友人宅にお世話になり、こちらもほんとうにありがとうございました。あまりにすばらしいお宅に恐縮しっぱなしでした。明日は頑張ります。

2.当日

ゲートオープンは5:30、受付は6:00〜6:30という、経験の無いほど早いスケジュールに、早起きして準備をします。予想が甘かったか、近くのコンビニはジムカーナドライバーでいっぱい。お弁当を買うのに結構手間取り、意外とタイトな会場入りとなってしまいました。ま、それでも、焦るほどではなく、そそくさと準備をします。驚くことではないのかもしれませんが、ゼッケンって、タイヤメーカーを選べるんですね。んー、すごい。残ったゼッケンはどうするんだろうなんていらぬ心配をしてしまいました。紙の無駄使いは環境にやさしくありませんからねぇ。
その後の車検を受けます。ちょっとドキドキしながら車検員が車をチェックしますが、ま、いつもより念入りという感じはしますが、それほど変わったことをするわけでは無いようです。当然か(^.^)。ま、特に問題無く車検は終了しますが、車検員からは、タイヤ加工に関する注意がありました。最近全日本レベルでは注目されているのか、私自身今まで耳にする事の無い注意でした。
それからコース図が配布されコースオープンに。やはり噂されていた通り、スタートし、ホームストレート後に1本パイロンからなる270度が設定されています。それ以外は前日の練習会と同じ設定の様です。意外とこういう一本巻きも難しいんだよなぁ、ここだけはミスしない様にしなくちゃ、とか考えながらコースを歩きます。インフィールドへの入り口と出口イン側パイロンがパイロン1個分厳しい配置になっている他は昨日と全く同じのようですので、とにかく景色を覚えることと、昨日よりもう少し詳しくコースとラインを睨みます。距離は1.8km程もあるそうで、2周は歩き切りませんでした。
天気予報によると夕立があるかもしれないとのことで、若干雲も見え隠れしていますが、暑いことには変わりません。できればくもりがちで、ぱらっと一雨落ちて路面温度が下がってくれることを期待したいところですが、それはいくらなんでも無理なようです。今回は、というか今までもずっとですが、夏用Sコンパウンドを持たない我がチームは、低温路面用SSコンパウンドで走ります。おまけにこのタイヤ、5月から使っており、少し前にはICCのイベントで使用。さらに今回は荷物事情から自走してきたそのまんまで走ることに。これしか無いんだからしょうがありませんよね。現在の戦力で、どこまで走れるかが分かればいいのです。とにかくタイヤがたれようと、全力で頑張ります。
セッティングですが、エアは最近採用している高めのエア、フロント0.5、リア0.4程上げて、ショックはいつもの固めの番手でトライします。次第に出走順が近づき、爆音軍団のC2車両が一通りスタートラインに付いた後に、スタートラインへ。A4ファーストゼッケンの私は、C2ラストの高橋利武選手の後ろに並びます。
3.第一ヒート
爆音とともに利武選手がスタートし、ゆっくりとスタートラインへ。集中してコースをイメージしていると、途中で爆音がパタッと止みました。どうやら車両トラブルの様で、ローダーまでもが出動し始めました。時間がかかりそうなので、車両から降り、中富さんや晋ちゃんと談笑して、コースクリアを待ちます。いやぁ、全日本デビュー走行で、ただでさえ気が昂ぶっているのに、まいっちゃいますね。10分程でしょうか、経過した後、出走可能となりました。いそいでシートに付き、スタートフラッグが振られるのを待ちます。
そしてスタート。いよいよ全日本初出走です。6500rpm程度からスタートし、コースインする右鋭角ターンでサイドを軽く当て、直線へ。スタート光電管手前で2速に上げ、全開で3速に上げ、ホームストレートを右に寄り加速します。1コーナーを見て、と思ったら、その右脇にパイロンを発見。そう、今日はあのパイロンを右に巻くんだった、ということに途中で気づき、慌ててラインを左に変え、そのあたりからフルブレーキング。頑張ったブレーキングではタイヤの感触がふわふわしている様に感じ、こりゃ止まれないっと思いながらシフトダウンしながらパイロンに進入します。ギリチョンで止まる事はでき、サイドも当てられましたが、それでいっぱいいっぱい。慌ててシフトダウンしたため、テールが流れ始めてから、ギアが1速に入っているか心配になり、シフト位置を確かめた瞬間にテールスライドが止まり、ターン後半はグリップで抜ける羽目に。おまけにそのラインだと立ち上がりで脱輪しそうだったので、ゆっくりと立ち上がって、1コーナーへ。もう最悪ぅ、はずかしいぃ。とにかく気を取り直して2速に上げ2コーナーを全開で通過。バックストレートで3速へ。速度の乗りが悪く4速に入らないまま、ブレーキングを開始し、2速で左ターンに進入。直後アクセルを全開し、切り返しで軽いブレーキングで向きを変えて、またまたアクセルオン。インフィールドへ入る左ターンで、1速に落とし、立ち上がります。すぐに2速に入れながら緩く右に曲げ、次の左は軽いブレーキングでクリア。すぐ全開し、次の右は少し頑張ってしまい、ちょっとアンダーが強くなり通過。おかげで左ヘアピン進入で姿勢が作りきれず、強引に1速に落としてターン。2速、3速と全開で立ち上がります。インフィールドを出る左直角ターンではアウトから緩く入り、1速まで落として通過。すぐ切り換えしながら2速に入れ、さらに3速まで上げて奥のヘアピンへ。信号機めがけて攻め、2速に落としてグリップでコーナリング。立ち上がりはテールが流れますが、全開で最終シケインへ。2速リミッター付近から軽いブレーキングで、勢いを止めない様、テールを流す様にホームストレートに進入。中間計測地点付近で、3速へ。アウト一杯まではらみ、3速全開から1コーナーに進入。昨日教わった走り方を考えながら、インを攻める様にブレーキング、その後フロントのグリップを確かめながらコーナーを通過しますが、ずっとフロントが食わず、全開にできぬまま2コーナーに入り、全開に出来たのは直線が完全に見えてからでした。そのまま4速まで上げ、ストレートエンドの左ターンにはあまり速度を殺し過ぎない様に気を付け、2速で進入。フロントの動きを見ながらアクセル全開。アップダウンのあるショートS時もちょっと今までより攻め込み、軽いブレーキングで姿勢を切り換えして、全開で立ち上がります。3速に上げ、奥のヘアピンへ。ここも信号機目指して進入し、2速でクリア。若干アンダーが強く、大きく外にはらむ感じでしたが、そこからは最終シケイン入り口の左側ぎりぎりを狙って立ちあがり、先ほどより若干強めのブレーキングでテールを流す様に進入し、しかし、フロントは逃げ気味でテールがグリップしたままアンダー状態で直線へ。ステアリングで反射板を避ける様にゴールラインに飛び込みます。タイムは、1'25"24でした。

4第二ヒートの対策

参りました。絶対ミスりたくなかった270度ターンで痛恨のミス。その他は、まそれなりに走っていたので、非常に悔しいところです。やはり、初めての全日本ということで、いつもと精神状態が違っていたのか、利武選手のトラブルによる競技中断で、集中を切らしてしまったことが270度ターンへの進入を忘れさせてしまったのか、分かりませんが、非常に残念です。ま、何人かに言われましたが、あれでそのまんま1コーナーに飛び込んでミスコース、なんて最悪の事態にならなかっただけ良かったかもしれませんね。とにかく第二ヒートはきちんと270度に進入し、ターンだけは決める様にしましょう。
第一ヒートの暫定が出た時点で、順位は30台中18位でした。おぉ、なんだかすごい位置にいるなぁ、なんて見ていると、どうやらやたら脱輪やパイロンペナルティが多い様子で、グロスのタイム自体はうしろから数番目という、ほぼ予想した通りの状態。それでも、あのターンミスが無ければ確実に1秒はいけるはずなので、なんとか、23秒台に入れることを目指しましょう。その他のコース攻略ですが、特にありません。だんだんスピード感が分かってきたので、もうちっと最適速度でコーナーに入れる様、集中して走るだけですね。セッティングも変更しないでいくことにします。
さて、長いコースのせいか、待ち時間はかなりあり、ちょろちょろと、参加車両を見学に回ります。各クラス、前半ゼッケンはいつもの地区戦より派手目な車が多いなぁという程度でしたが、後半ゼッケンは体制が違います。車もみなタイヤを外した状態でウマに乗せられており、うじゃうじゃとタイヤやパーツ、そしてメカニックが取り巻いています。また、どの車も非常に綺麗で、非常に見栄えは良く、すごいなぁ、と思わせる何かがありましたね。しかし、とても同じジムカーナの同じクラスで戦っているとは思えない、まるで別物の世界という感覚があったのも確かで、参加型のモータースポーツという領域を完全に越えている感じですね。ま、日本の頂点ですから、こういう形でないとむしろ衰退していく可能性もあるのでしょうが、やはり一種異様な雰囲気であることには違いありませんね。
前回の地区戦に引き続き、従兄弟達が応援に駆けつけてくれましたが、華々しい全日本車両を見て、興奮気味だったみたいです。やはり見ている方としては、こういう方が盛り上がるんでしょうなぁ。
A4クラスの出走が近づくと、若干雲が増えたように感じられましたが、ほとんど路面温度は変わる事無く第二ヒートが始まります。
5.第二ヒート
同じく、爆音とともに利武選手がスタートし、スタートラインへ。今度は待たせないでくれよぉ、とか思いながら集中します。コースクリアが入った後、いよいよ二本目です。6500rpm程度からスタートし、右鋭角ターンでサイドを軽く当て、直線へ。スタート光電管手前で2速に上げ、今度は270度への進入を考え左に寄りながら3速へ。パイロンめがけてブレーキングを開始し、若干ブレーキングが遅れたかという程度でしたが、特に問題なく進入。1速まで落として丁寧にサイドを当てます。自分としてはかなり良い進入となり、テールが流れ始め、アクセルを開けて旋回に入ると、途中、回転数がググッと落ち込む感触があったと思った直後、リアがスッとグリップしてしまいました。この時アクセルベタ踏みだったせいか、何もできず、当然、テールスライドを考慮していたフロントタイヤはパイロンにかなり寄っており、グリップしてしまったリアタイヤが内輪差でパイロンの角を踏んでしまいました。直後、何かから解き放たれたかの様にリアタイヤが暴れ出し、立ち上がりは完全フルカウンター状態であらぬ方向へ車が向かいます。これで終わった、と落ち込みましたが、気を取り直して2コーナーへ2速全開で進入。さらに3速に上げ、バックストレートエンドで一瞬4速へ。できるだけRを描く様に速度の殺し過ぎに気を付けて2速で進入。きっちりアクセルを開けてショートS字に入り、軽いブレーキングで右に切り返し、すぐにアクセルオン。ところが、インフィールド入り口への進入ラインが作れず、しかたなくそのまままっすぐ進入してGを切り換えして軽くサイドを当ててインフィールドへ。アクセルオン後、すぐ2速に入れて軽く右へ曲げ、次の左は軽くブレーキングを入れてクリア。すぐ全開し、オーバースピードに気を付け、次の右も丁寧に速度を合わせ、すぐアクセルオン。直後の左ヘアピンは丁寧に入り、1速に落として旋回。立ち上がりでテールが流れますが、すぐに2速に入れて流れを止め、さらに3速まで全開加速。インフィールド出口の左直角ターンはアウトいっぱいから丁寧に入り、1速グリップでクリア。アクセルオン後、右に切り返しながら2速に上げ、さらに3速で奥の左ヘアピンへ。信号機を狙って進入しますが、若干ラインに迷いながら2速に落としてグリップでコーナリング。ちょっとアウトにはらんでしまいますが、アクセルでテールを動かして、全開で最終シケインへ。軽いブレーキングでテールを流す様にホームストレートに進入。しかしちょっと速度を殺し過ぎた様です。ホームストレートを3速全開まで加速し、アウト一杯からインの沿石めがけて進入。若干待ってフロントがなんとか持ってくれるかなぁ、というタイミングから全開。アウト側の沿石が結構迫りちょっとびびりましたが、なんとかクリアして4速へ。ここは結構うまくいったみたいです。ストレートエンドは再び速度の殺し過ぎに注意して、2速で進入。アクセルオンでアップダウンのあるショートS字へ。軽いブレーキングで早めに荷重を乗せかえる様にし、全開。ちょっとフロントが悲鳴を上げてる感じでしたが、なんとか持ちこたえ、3速で奥のヘアピンへ。ここも信号機を狙い進入。2速で我慢してターンしますが、フロントがかなりつらく、気持ち長めのブレーキを強いられる感じでした。立ち上がりもフロントが逃げ、やや舵角を逃がしながら立ち上がります。きつい感じで立ち上がり、全開で最終シケインへ。ブレーキングで向きを変えようとしますが、かなりアンダーが強く、フロントが言う事を聞いてくれません。我慢して通過して、アクセル全開でゴール。タイムは、1'24"03プラスパイロン1でした。
6.最後に
またまたやってしまいました。どうしてもあそこだけは決めたかったんですが。第二ヒートのパイロンターンは途中までかなり良い出来栄えだったはずなんですがねぇ。どうやら、あれがラバーグリップっちうものらしいです。途中までは普通に旋回していて、急に駆動が重くなったと思ったらグリップしてしまいましたから。後でビデオで見ると、私と全く同じ不自然な動きでターンが止まっているドライバーが何人かいましたから、きっと路面のせいなんでしょう。確かに、走る前にラバーに気を付けた方がいいよと言われてはいたのですが、どんなものかよく分かっていなかったのが正直なところです。こんなことならあそこは攻めないでもっと大きく回っておけば、パイロンタッチは免れたのにねぇ。狙い過ぎちゃいました。ま、ラバーに乗るって感覚が分かっただけでも良い経験でしょう。
リザルトとしては、出走30台中25位と、なんとかビリは免れましたが、最後の7台くらいは、みなまともにタイムを残せなかったドライバーばかりだったので、ちょっと不完全燃焼というところでしょうか。しかし、あのターンミスと、最新でないタイヤのビハインドを考えれば、ターン以外のセクションは自分のレベルなりにうまく走れたと満足しています。
さて、以前にも全日本選手権を観戦したことはありますが、参加したのはこれが初めて。やはり、自分が同じコースを走って見る全日本選手権はちょっと違う気がしました。凄いと言う言葉を使えば簡単ですが、なんていうか、同じA4なのに、まるで違うクラスで戦っている様な錯覚に陥る感じでした。それでも、朝の受付から表彰式までの時間を同じように過ごした事で、とてもじゃありませんが真似出来ないってレベルも含めいろいろなスタイルや競技に取り組むスタンスがあることも分かり、非常に今回の参戦は楽しかったです。ま、自分の腕ではこれ以上得るものが無さそうなので、しばらくいいやと思ってしまいますが、一度この世界を見られたことは、とても良かった気がしています。
それにしても、全日本常連組は、車の作りが半端じゃないですね。その中にもところどころオーソドックスな車で望む神業ドライバー達がいる様ですが、とても自分の車では勝負になる気がしませんでした。ま、パイロンコースに行けば感じ方も少し違うのでしょうが、上を目指す連中が車にこだわる理由も分かる様な気がします。
そして、魅力的な運転をしていた筆頭はやはりこの人岡野さん。当人が、どこで脱輪を取られてもおかしくない、と言い切る程に狙い澄ました無駄のないラインやそこにきっちり乗せてくるコントロールテクニック、高速コーナーのアクセルオンの速さとその立ち上がりの姿勢、そしていつもとは違う感じでしたがあのラバーの乗った路面でもナンバーワンの美しさだった270度パイロンターンなど、どれを取ってもとてもじゃないが真似できない神業的テクニックに、涙が出るほど感動しました。その一方で、ドライビング以外の要素が違い過ぎて、運転テクニックの凄さが分かりづらいというドライバーも意外と多かった様な気がします。確かに後半ゼッケンの1コーナーへの進入などを見ていると、ぞくぞくしてしまいますが、パイロンコース育ちの私としては、ちょっと目指す姿と違うな、という印象を持ったのは事実です。
こんな感じで全日本レベルの車やドライバーを見て思ったのは、目指すべきは全日本選手権には無く、魔術師岡野選手である、ということでした。よくよく考えてみれば、ジムカーナを始める前からあこがれ、この世界に入ってからも、目標は目的は常に岡野さんのドライビングにあったわけです。今回で、一通りのレベルの競技会に参加できたことになりますが、やはり当初からの目標に間違いはなかったということが再確認できました。
というわけで、暑い中、あっという間に終わった全日本選手権参戦でしたが、非常に楽しく終わることができました。ジムカーナに係わるスタイルみたいなものも再確認できたし、5年間の総決算としては非常に有意義な2日間となりました。次週以降はまたまた関東レベルの大会に戻ります。はぁ、それにしてもすごかった。
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