2000年JMRC関東ジムカーナシリーズ第7戦

7/16(日)、茨城中央サーキット、ドライ

2000年JMRC関東ジムカーナシリーズ第7戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位大槻隆夫 CP9A1'19"1881'18"3981'18"398
2位姫野哲也 CP9A1'20"1361'19"3921'19"392
3位遠藤康浩 CP9A1'20"4051'19"4181'19"418
4位福田裕二 GC81'19"7271'19"9631'19"727
5位船橋悟 GC81'19"9441'20"4721'19"944
6位宮本潤一 CP9AM.C.1'20"1651'20"165
7位漆原正 CP9A1'20"4461'20"9541'20"446
8位上原利公 CP9A1'20"9811'20"5801'20"580
9位本木淳一 CP9A1'20"6241'20"6741'20"624
10位寺内秀雄 GC81'20"751M.C.1'20"751

1.まえがき

どうしようか迷っていたICCでの関東戦ですが、結局参戦を決めました。しかし問題はタイヤです。さすがに新品タイヤを投入する財力は無いし、今ある048ももう少し使いたいのでここで終わらせる訳には行きません。あとは038SSがありますが、これじゃ勝負にならないだろうしなぁ。と悩んでいましたが、あるじゃないですか、ターンセクションにもってこいのタイヤが。そう、昨年まで使っていた15インチの032です。ICCスペシャリストの掛札選手のコメントによれば、15インチでも山があれば速いとのこと。こりゃもう032で行くっきゃないですね。ただ問題はもう2年も前に製造されたタイヤで、散々昨年使ったうえ、半分町乗りにしてるタイヤだってこと。果たしてこんなタイヤでタイムが出るのだろうか。ちょっと不安です。もしかしたらまだ038SSの方がマシだったりして。しかし、今回も若干怪しい天候です。土日と降水確率はそれなりに高め。日曜は雨でしょと言う声も。余計タイヤチョイスに迷いますよね。雨じゃどう考えても032じゃ無理だろうし。前日までこんなことで悩みつづけていました。
さて、その土曜日ですが、ちょうど人が足りないからと参加したFISCO-Aパドックでの練習会。練習タイヤはこれしかないという038SSでしたが、そこそこのタイムが出ていた様でした。また、ターンの練習もでき、日曜のICCに備えることができました。そして日曜に備えてテストがてら032で1本だけ走ろうと思ったところ、急に雨が降ってきて、032はウェットでの走行となりました。が、意外と悪くなく、ウェットと言うのに2秒と変わらないタイムが出るのには驚きです。ただ単に17インチを履きこなせていないだけにすぎないかもしれませんが、この瞬間に明日は032で行く事を決めたのでした。

2.当日

若干小雨まじりの天候の中、本番032を履いたまま会場へ。到着したころには雨は上がっており、なんだか暑くなりそうな感じです。最近のイベントって、こんなのが多いですね。前回ポイントを取った事で、出走順も中間くらいとなりました。そそくさと準備をし、コース図に目を通しますが、結構こてこてと、ま、ICCらしいと言えばICCらしい、パイロンを間違えてしまいそうなレイアウトになっています。そして今日は、試走を掛札選手が努めるとのこと。どれだけのタイムが出るのか、興味深いところです。また、そのタイムにどれだけ近づけるのか、頑張りたいところです。
さて、やはりここでは非常に気になるタイヤ事情ですが、A4でもやはり新品タイヤを投入しているドライバーがちらほらと見受けられます。ま、いつぞやの最終戦がICCだった時よりはマシですが、それでも他の会場とは明らかに違うタイヤチョイスとなっている様でした。みなそれぞれ思惑があるのか、興味深いところです。そして今回私が持ち込んだのは、町乗り032と5月から履いている5分山048の2種類。ほんとに032で行くの?と何人にも聞かれ、引くに引けない状況となってしまいました。だんだん不安になってきたのは確かですが、もうすんごく暑いし、この日の様にターンの多いコースなら032もいけると信じ、とにかく第一ヒートは032で行く事にします。
それにしても、誰でしょう、今日雨かもしれないなんて言ったの。しゃれにならないくらい暑いです。こんな路温で048履いたら...。あーもったいない。やっぱ気兼ねなく走れる032だよね、うんうん。さて、注目の試走ですが、タイムは1'17秒台とのこと。地区戦A2ドライバーのタイムが19秒台とのことですから、17秒ってのはずいぶん良いタイムという気がしますね。果たしてこのタイムにどれだけ近づけるのでしょうか。
セッティングですが、路温は高めなので、昨年の夏場と同じ前後ともエアを0.1ずつ上げていきます。ショックは今年の標準セットで。
3.第一ヒート
スタートラインでは、掛札選手がスターターをしており、一瞬緊張が緩みます。掛札選手の顔を見ない様に(?)、タイヤの感触に集中しながら6000rpm程度でスタート。最初の左パイロンでは、無理せず軽いブレーキングを一瞬入れて向きを変えて次の左パイロンへ寄りながら加速。左パイロンで丁寧にサイドを当て、若干アウトに膨らみながら立ち上がり、次の左も丁寧にサイド。ここもそれなりに外に立ちあがり、奥の右に直線的に進入します。それでも手前の左パイロンが邪魔で姿勢をきっちり作れませんが、扱い易い路面のおかげか、はたまた15インチの威力か、特に問題なく右ターンをクリア。全開で立ち上がりますが、それだけではテールが出ないので、緩い右で軽くブレーキングを入れテールを出し、アクセルオン。下りの右パイロンへテールが流れたまま進入し、丁寧に減速してさらに合わせる様に軽くサイドを当てます。ちっちゃく立ち上がり、2速に上げて上段へ。さらに3速に上げ、全開で奥の左ターンへ。ここはきっちり1速まで落として、軽くサイドを当てます。直ぐにアクセルオンし、2速へ上げ、緩い左で若干アクセルを抜いて向きを変え、左1本パイロンへ進入。1速に落としサイドを当ててクリア。さらに次の右までは1速のまま進入し、これは緩く右サイド。なんだかこのあたりから急にフロントが食わなくなる感触が出始め、緩いRを描きながら立ち上がり一瞬2速へ。直後の直角気味の右ターンへは気を付けたつもりがややオーバースピード気味になり、1速シフトダウンとともにサイドを軽く当てますが、少しロスしてしまいます。すぐに加速し、次の左はグリップで通過。2速に上げ、下段へ。左ターンはイン気味のラインを通って1速に落とし、軽くサイドをあててクリア。2速に上げて全開で中段へ。さらに3速に上げ、ギャラリー前を通過し、上段へ上りながらブレーキングを開始します。緩めの左ターンを2速に落とし通過。ここもフロントが全く食いませんが、なんとか通過し、3速へ。緩めの左ターンでは、1速まで落とし、サイドを軽く当てて向きを変えます。立ち上がりの左パイロン付近で2速に上げ、全開で2本パイロンへ。進入で1速まで落とし、軽くサイドを当てて向きを合わせます。一瞬アクセルを開けた直後右360度に向けサイドを当て、旋回に入りますが、フロントが思い切り逃げ、ターン後半でグリップしてしまいます。外側にはらみながら1速全開でギャラリー前へ戻り、きついスラロームには充分速度を落として進入。丁寧にパイロン間をクリアしてゴール。タイムは1'20"40でした。

4第二ヒートの対策

ゴールした時点で2位。第一ヒート終了時は5位だった様です。うーん、意外と検討してるじゃないですかねぇ。最後の360失敗してるし、032だってまだ行けるじゃん。急に機嫌が良くなってしまいました。しかし、第一ヒート暫定トップの大槻さんとは1秒強の差があります。まだまだ奥の手を持っている大槻さんにはこのままでは到底かなわないでしょう。また、2位に食い込んできた福田さんにも0.7秒ほど離されており、この路面でそこまで追いつくのは厳しそうです。また、5位とは言っても、結構混戦で、少しでもタイムアップしておきたいところですが、第一ヒート後半に感じたグリップの無さから、とてもタイムアップできる気がしません。だんだん欲も出てきて、散々悩んだ挙げ句、第二ヒートは虎の子048を投入することにしました。ま、新品ではありませんが、さすがに032よりはいいでしょう。前半のターンセクションがどうなるかは走ってみなければ分かりませんが、なんとか大槻さんの第一ヒートのタイムに食らいつきたいところです。
完全にタイヤを変えてしまうので、第一ヒートの感触がどれだけ参考になるかわかりませんが、路面の雰囲気は分かったので、なんとかまとめきりたいところですね。特に失敗した360度には要注意です。
さて、再び第二ヒート開始前の試走に注目です。地区戦A2ドライバーは朝の試走よりも随分タイムを落としているようですが、掛札選手は朝の試走とほぼ同等かそれ以上のタイムをたたき出してきました。うーん、さすがですねぇ。4駆は路面の影響が少ないのか、それとも掛札選手の腕による結果なのか、なんとも判断しづらい結果ですが、少なくとも路面状況は悪化している模様ですね。早めにタイヤ交換をして体力を温存することにします。
気温は一向に下がらず、セッティングは前回の地区戦と同じくフロントエアを0.3リアを0.1上げていきます。
5.第二ヒート
さて、またまたスタートラインには掛札選手が。”こっちのタイヤはばっちりじゃん”ってなジェスチャーをしながらスタートフラッグが振られます。若干回転数を上げ、6500rpm程度からスタート。最初の左パイロンでは、やはり軽いブレーキングで姿勢を整えて次の左パイロンへ。丁寧にサイドを当て、アウトに膨らみながら立ち上がります。15インチと比べると、若干重たい感触があり、挙動のシビアさが若干ある感じです。次の左も丁寧にサイドを当て、奥の右に真っ直ぐ入れる様に狙って立ち上がります。それでもしっかりとした荷重移動はできず、なんとかサイドを当ててターンします。アクセルを全開にしますが、若干アンダーが出て、アクセルを戻して姿勢を作り直し再びオン。下りの右パイロンにはきっちり寄って、軽くサイドを当ててクリアします。イン気味のラインを狙って立ち上がり、2速に上げて上段へ。さらに3速に上げ、奥の左ターンですが、やはりここは1速まで落として軽くサイドを当てて立ち上がります。若干外側へ膨らみながら2速に上げ、次の緩い左は一瞬ハーフくらいまでアクセルを戻しますが、そのまま全開。直後の左1本パイロンで1速に落とし、サイドを当てます。1速のまま次の右へ進入し、ここもサイド。緩く外側に立ち上がりながら2速に入れ、直後の直角気味右ターンは、若干丁寧にブレーキングして、インを離さない様に軽くサイドを当てて進入。まずまずの感じで入れ、次の左を我慢してグリップで抜けます。2速に上げ、下段へ。下段での左コーナーは少し悩んだのですが、2速グリップを選択。丁寧に入り、タイヤの感触に集中しながらブレーキングし舵角を当てます。若干アンダー気味で、立ち上がりパイロンをステアリングで若干よけながらの加速となってしまいますが、そこそこ踏んで抜けられた気がします。中断に入って3速に上げ、ギャラリー前を通過。先ほどこのあたりは少し攻めが甘かったので、若干突っ込み気味で進入し、フルブレーキング気味に2速に落として左外周をクリアし、3速へ。その後の緩めの左コーナーでは、048の動きをイメージして、2速グリップを選択しますが、若干オーバースピードだったのか、どうにもこうにもアンダーが強く、全く曲がりませんでした。1速に落とすなりしてなんとかしようかとも一瞬思う程でしたが、我慢して曲がるのを待ってから立ち上がります。ロスしたなぁ、と反省しながら、問題の2本パイロンへ。狙い通り1速に落として進入パイロンで軽くサイドを当て、直後の右360度できっちりサイドを当てますが、若干フロントが逃げる感じがでます。しかし、ロスしながらもなんとか回し切り、1速全開でギャラリー前へ。スラローム入り口で、テールが若干流れてしまいますが、なんとか向きを合わせ、丁寧にパイロン間を通過しゴール。タイムは1'19"41でした。
6.最後に
ゴール時点で大槻さんのタイムに届かず2位、その後姫野さんにも100分の2秒差でかわされ、3位で競技を終了しました。なんとか表彰台にはもぐりこめましたが、奥の手を出してきた大槻さんには1秒以上も離され、完敗ですね。ま、中古タイヤ部門ではトップだった様なので、まずまずという気はします。1年に1度しか来ないここICC、それももてぎとは違うこてこてパイロンコースでそこそこの成績が取れた事には安心しました。サイドもずいぶん長い時間使ってませんでしたからね。ま、ジムカーナを始めた年に初優勝したのもここでしたから、意外と嫌いなコースじゃないってことかもしれませんがね。
今回は、予定通り、1本目15インチの032、2本目17インチの048、ともに5分山くらい、それも032は町乗りしてるタイヤでした。そのタイム差はほぼ1秒。これをどう見るかですが、路面状況は第一ヒートの方が良かったでしょう。しかし第一ヒートでは最後の360度を回しきることができず、明らかなロスがあります。そして中間までのタイムは第二ヒートがわずかに0.2秒速かっただけでした。さすがに、絶対的な差を考えれば1秒は大きく、048が良いに決まってますが、あの032のというか15インチのターンセクションの扱い易さは捨て難いものがあります。これが032ではなく、最新コンパウンドの15インチだったらどうでしょう。もしかすると17インチ048を上回るかもしれませんね。もちろん私レベルの腕で、という大前提がつきますが、あれだけターンが多いと17インチのメリットが生かしきれないのか、立ち上がりでストールしにくい15インチに多分にメリットがあるのか、興味深い結果ではないかと思えます。また、新品タイヤ絶対有利と言われているICCですが、やはりその感は否めませんね。また、山は多い方が良いというのもある意味正解の様です。
というわけで、今回の経験から一つ言えるのは、現役コンパウンドのバリ山15インチ、ってのがチョイスとしては面白い気がします。特にランサー勢では主流となっている17インチ勢にあえて15インチで挑むことは勇気が要ることですが、今回の私の結果から、無謀なことではない事が証明されたのではないでしょうか。
そんなわけで、シリーズをフルに追っていないものの強みか、少し賭けに近いタイヤチョイスをし、そこそこの結果が出せたのはラッキーでしたね。次からは関越や浅間台に舞台を移す事になります。どこまで出られるか分かりませんが、もう少し頑張ってみたいと思います。
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