2000年JAF関東ジムカーナ選手権第6戦参戦記

6/18(日)、ラリーキッズ伊那Aパレット、ドライ

2000年JAF関東ジムカーナ選手権第6戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位阿保大輔 CP9AM.C.1'21"6191'21"619
2位斎藤和徳 CP9A1'22"9071'21"9641'21"964
3位西野弘高 CP9A1'25"0601'22"4121'22"412
4位船野剛 CP9A1'23"0171'22"4301'22"430
5位野之瀬雅文 GC81'23"3011'22"5571'22"557
6位小峰健志 CP9A1'24"6121'22"8261'22"826
7位宮嶋一人 GC81'22"9321'26"029(P1)1'22"932
8位川辺晋吾 CP9A1'23"6771'23"0311'23"031
9位中富智夫 CP9AM.C.1'23"0581'23"058
10位大槻正 CP9A1'23"1081'30"990(P1)1'23"108
11位遠藤康浩 CP9A1'28"966(P1)1'23"2051'23"205

1.まえがき

前回の第5戦は048投入の効果か、本人も回りもびっくりの5位入賞を果たし、なんだか自分が凄いドライバーにでもなったかの様な錯覚に陥ってしまいました。調子こいて今年初参戦した関東戦in FISCOでは、いろいろあって、11位と玉砕してしまい、本当の実力に疑問を感じる結果となってしまいました。全ては次の地区戦で、という思いを胸に秘め、慣れないカートコースではありますが、伊那での第6戦に参戦してきました。
久しぶりに前日練習に参加することを決意しますが、天気予報は最悪で、土曜日は曇り、日曜日にはかなり荒れて雨になるとの予報。若干やる気が失せながら、完全に寝坊気味で土曜日は出発し、現地へ。インターへ降りてからは悪い事に道に迷い、さらに会場入りが遅れます。おまけに会場近くなると雨が降り始め、完全にやる気無いモードに突入してしまいました。
練習会1本目の走行は遅れたためパス。2本目は完熟歩行もしていないウェットの中、みんなに、勇気あるなぁ、と言われながら038SSでトライ。そのまま雨は止まず、お昼をかんてんパパレストランでとり、午後は明日を考え048で2本走行します。結局台数が多く4本(私は3本)しか走行できない高い練習会となりました。午後はかなり強く雨が降りつけ、クラッシュ続出の練習会に、明日が心配されます。もう、タイム云々より、みんな車壊さないでぇ、と言う感じでした。
さて、急いで片付けをし、宿にチェックイン後、明日に備えて長靴なんぞを購入し、その晩はチームSTPの皆様と馬刺しをつつきながら宿をともにさせて頂きました。地区戦ドライバーレベルの走り方など参考になる話も多く、非常に有意義な一晩となりました。そうそう、さらにこの日は、監督の友人の元スラローマーも明日の応援のため、前日から合流してくれ、不思議な世界の会話に驚きを隠せない様子でしたが、ありがとうございました。ビデオ研究を終え、どうせ明日はウェットだから、なる様にしかならないという思いで布団に入ったのでした。

2.当日

5時頃に、となりの部屋がゴトゴトと物音を立てるので目が覚めると、なんとなくカーテン越しの外は明るい様子です。気になってカーテンを開けてびっくり、雲はほとんどなく、道路はほぼ乾いています。ぬわんと、予報は大きく外れ、早めに雨が上がってしまった様です。空の様子からどう考えてもこれから降るとは思えない状況に、妙にうれしくなってしまい、そこから再び布団に入ったにもかかわらず、起床時刻までほとんど眠れませんでした。うれしい誤算に、にやにやしながら準備をし、チームSTPの皆さんと会場入りします。
それにしても、この天気と高台にある会場のせいか、ジムカーナをやるというより、キャンプやバーベキューでもしたくなるような、爽快な気分でいっぱいでした。うきうきと準備をし、受付、車検後、コース図に目を通します。ま、カートコースなので予想した範囲のレイアウトとなっており、特にきわどいパイロンなども置かれていない様です。ん、二回あるシケインが少し危ないかな?さすがにドライでの走行経験は数年前にエボ3時代に数周あるだけですので、今回は初めての様なもの。完熟歩行では、距離感とコースの景色を覚えることに集中し、肝となりそうな1コーナーやインフィールドに入ったあたりと昨日攻めきれなかった最終コーナー、そして上下走るS字と2つのシケイン、に注意して走行イメージを作ります。
今回は長野県での開催ということで、地元出身、私と生年月日が全く一緒のWebWheelさんも参加しており、走りが注目されるところです。私としては、今回ポイントを取るくらいの位置に付け、前回の関越はまぐれではない事を証明したいところですが、果たしてどうなることでしょう。なんとか頑張りたいところです。
さて、この日出走前に少し話題に上がったのが、脱輪判定について。ドライバーズブリーフィングで脱輪判定に関する質問が出ると、コース委員長からは「オフィシャルの判断で取ります」とのこと。「その判断基準を教えて下さい」との質問に対しても、明確な回答は無く「オフィシャルの判断で」の一点張りでした。ちょっとこれはどうかと思いました。少なくとも、関東最高峰のジムカーナ競技会ですから、みな脱輪ギリギリ、沿石の上まで皆攻めてくるのは分かりきっていること、それをどういう判断でペナルティを課すかを教えてもらわないと、どこまで攻めて良いのか分かりませんよね。数々のルールがあり、それぞれ目的が異なるものもあるとは思いますが、参加者が目一杯力を出しきり、イコールで戦える環境を整えてくれることも重要なのではないでしょうか。今回のコメントは、エントラントのためというより、オフィシャル側の都合で言っている様にしか聞こえませんでした。また、オフィシャル判断で、というならば、各コーナーに判定を見るオフィシャルが配置されても良さそうなものですが、あれだけ広いカートコース内には、3人程度のオフィシャルしか配置されず、どうやって判断を下すのだろうという状況でした。背広姿の役員は10名以上もいるというのに。踊る大捜査線では無いですが、スーツを脱いでコース上に立って、エントラントの気持ちを分かって欲しいと思ってしまいました。ま、そんなことにイライラしても仕方ないので、自分達の戦いをするしかありません。気持ちを切り替えることにします。
さて、この日のセッティングは、所詮練習してないタイヤですので、関越での地区戦時と同じセッティングでいくことにします。ただし、路面温度がかなり上がっていることと、意外と走行距離も長いため、他クラスの走りを見ていると2週目にはタイヤの動きが変わっている様に見受けられます。このあたりの攻略も一つのポイントかもしれません。
そして、A4の走行が始まり、スポット参戦のため前半ゼッケンにいるジモティーWebWheelさんがぶっちぎりのトップタイムを出してきます。さすがだなぁと走りを見てから、スタートラインに付きます。
3.第一ヒート
直角にスタートするという変則的なスタートのため、いつもとは違い、半クラッチ気味にスタートします。右に折れ、アウト一杯にラインを変えながら3速まで上げ、1コーナーに進入します。緩い左コーナーにはブレーキングしながら入り、アクセルを開けますが、頂点付近でずいぶんときつく見え、再び軽いブレーキングを入れてコーナーを通過すると、そこからは妙にコース幅に余裕があるように見え、減速したことを後悔させられます。すぐにアクセルを開け、直角気味の左ターンに進入。2速に落とし、一度アクセルを開けてコーナーを抜けますが、ここもかなり広く、道幅を余裕で余らせてしまいます。直後の左のきついターンで1速まで落とし、立ち上がりではらまない様気を付けて進入します。我慢した後アクセルを開け2速へ。いやな感じのインフィールドの右ターンへ差し掛かります。立ち上がりをアクセル全開で抜けられるようにいろいろ考えていましたが、早めにインに付き過ぎたのか立ち上がりではアンダーを出し、きっちりアクセルを入れられません。コーナー終盤で全開にできましたが、すぐにシケインへの進入が控えているため、直線に入ったころにはブレーキングを開始。ラインに気を付けて2速のままシケインに進入。立ち上がりでアクセルを開ける事に気を付けて通過し、下りながらのS字に進入します。ここは車内からだとラインが見えず、入り口の沿石を狙って車を動かし、そこからはきっちりと沿石を避ける様にブレーキとアクセル、ステアでS字を通過。左ヘアピンまで一瞬全開にします。中央より若干外側程度のラインから左ヘアピンに進入し、1速に落として、立ち上がりではらまない様に我慢してアクセルオン。2速、さらに3速にまで上げ、すぐにシケインに入ります。アウト一杯から速度を調節して2速に落とし、アクセルオンでシケインを通過。ここから2週目に入りますが、1コーナーへの進入時に3速まで上げ、再び外周の緩い左コーナーへ進入します。ここまででかなりグリップ感を感じ取れたためか、先ほどよりリズム良く1コーナーを抜けられますが、頂点付近ではやはり若干アクセルを抜いてしまいます。そのまま奥の直角気味の左コーナーまで加速し、先ほどより若干速度の落し過ぎに気を付けながら2速に落としてすぐにアクセルオン。鋭角気味のターンではきっちり1速まで落として、アウトにはらまない様に立ち上がります。2速に上げ、いろいろ考えながらインフィールドの右ターンを通過しますが、やっぱりうまく踏めずに直線に進入。3速に上げて下り右ヘアピンへ向かいます。意外と速度が乗るため、ブレーキングポイントが難しく、若干ぬるい感じでだらだらと進入し、かなり減速して2速でヘアピンを通過。ストール気味ではありましたが、下りのためかなんとか加速し、アクセルオン後はうまく向きも変わり、比較的良い感じで上りのS字に進入できます。先が良く見えませんが、思ったよりリズム良くS字を抜けられ、全開できつい左コーナーへ向かいます。ここも距離感が掴めずお粗末なブレーキングとなってしまいますが、1速まで落としてなんとか鋭角ターンを通過。そこからは全開で2速、3速と上げ、最終コーナーへ向かいます。昨日どうしても進入が甘かったこの最終コーナーは、オイルの後を目印にしながら少し頑張って進入し、ちょっとラフにブレーキングを開始します。2速に落としてコーナーを通過しますが、それほど暴れる事も無く、3速に上げてゴール。タイムは、1'23"96でした。

4第二ヒートの対策

しかし、ゴールした直後のアナウンスによると、「惜しくもパイロン1です」とのこと。もしや、と思ったら、案の定スタートのパイロンに触った様でした。うかつだったなぁ。グロスでもWebWheelさんのタイムに及びませんでした。それでも8番手くらいのタイムは出ていた様で、ぱっと乗った割には悪くない気がしています。しかし、ポイントに絡むには23秒は切っていく必要がありそうです。
 さて、第二ヒートへ向けた対策ですが、やはり攻めきれなかった各コーナーの攻略を考えなければならないでしょう。特に際立って遅い気がするのは、第一コーナーから第二コーナーへかけての区間、そしてインフィールドに入ってからシケインもしくは直線へと続く区間です。それぞれ2回づつ通過するため、ここをきちんと走り切れるかがタイムに大きく効きそうです。このあたりを中心に地元Webwheelさんに攻略法などを伺い、自分なりに対策を考えます。が、慣れないカートコースの上に走行経験も少ないため、景色を覚えるのが精一杯。細かい狙いを考えるまでに至らず完熟歩行を終えたのでした。
 しかし、好天候のせいか、ジムカーナ中とは思えない、非常に心地よい時間を過ごしながら、出走を待ったのでした。この日応援に来てくれた元スラローマーも、エントラント同士の会話やビデオを見て区間タイムを研究する姿に驚きを隠せない様子でしたが、多少は楽しんでくれていた様です、たぶん。また、私のWebSiteを見てメールをくれたEG6ドライバーも応援に来てくれ、声をかけてくれました。ありがとうございました。
 さて、そうこうしているうちに第二ヒートが始まり、A4クラスが始まります。WebWheelさんが、なんと22秒台のトップタイムをマークしましたが、どこかでパイロンタッチをしたようです。これだけのタイムを出してくるところがさすがですが、負けるわけにはいきません。セッティングは変更せず、スタートラインにつきます。
5.第二ヒート
今度は、スタートのパイロンに触れない様に気を付けて、半クラ気味にスタートします。が、スタートした瞬間についステアリングを切ってしまい、やばっ、また当たっちゃう、とバックミラーで振り返りながら3速まで上げて1コーナーへ飛び込みます。ゆるくブレーキングしてコーナーに進入し、そこからは頑張ってアクセルを開けていこうと思いましたが、やはり頂点付近できつく感じ、アクセルを緩め、だらだらとコーナリングしてしまいました。頂点通過後はさっきと同じく、異様にコースが広く見え、減速したことをまたまた後悔。とにかくアクセルを開け直します。直角気味の左ターンには減速し過ぎない様にゆるゆると2速で進入し、一瞬アクセルを入れてからヘアピンで1速へ。イン側を目指して立ち上がり、インフィールドへ入ります。しかしこの右へ右へと折れるインフィールド入り口がどうにもうまく行かず、早めにインについてしまったせいか、後半アンダーが出て思うように踏めません。と思っていとすぐにシケイン入り口が迫り、慌てて減速して、2速のままシケインをクリア。ここからの下りS字はできるだけ速度を乗せたいところでしたが、コース先が見えないせいか、攻めが甘く、今一歩でした。上りの左ヘアピンへは外側の沿石付近から進入し、1速に落として通過。インフィールドの直線で、一瞬3速まで入れ、再びアウトに出るシケイン入り口で2速へ。シケインをアクセルオンで通過し、3速に上げて一コーナーへ入ります。うまくいかない1コーナーを意識し過ぎたせいか、今度は頂点付近で必要以上にインについてしまい、完全にラインを崩します。しかたなくブレーキングを入れて通過し、左直角気味コーナーへ。この付近では、若干フロントが逃げる感触が見え隠れしていました。2速に落として通過し、ヘアピンを1速で通過。今日4度目のインフィールド入り口ですが、よくわからんので、それなりに走るしかなく、やや中途半端に右コーナーを通過し直線へ。3速まで上げ、若干先ほどよりブレーキングポイントを詰め、下りの右ヘアピンに2速で進入。気がはやったのか若干アクセルオンのタイミングが早く、もう一歩という感じで上りのS字へ。速度を殺さない様アクセルを目一杯開けて通過し、奥の左ヘアピンへ向け、全開で加速。先ほどブレーキングを入れたところもそのまま通過し、奥まで我慢します。1速まで落とし、沿石に若干乗りながら左ヘアピンをクリア。そこから3速まで上げ、最終コーナーまで全開で進入します。ブレーキを余らせるのが嫌だったので、ブレーキングポイントを奥まで遅らせ、2速で最終コーナーを通過。それなりに通過し立ち上がり、3速に上げてゴール。タイムは、1'23"20でした。
6.最後に
なんとかタイムアップは果たせた様でしたが、WebWheelさんのタイムには届かなかった様です。くやしいざますぅ。微妙なタイムでしたが、結局取ってはいけない11位と、ポイントを惜しくも逃してしまいました。前回の地区戦が良かっただけに少しがっくりしてしまいましたが、慣れないカートコースで11位というのは悪くない気がしますね。しかし、今回は攻めきれなかった部分が多いので、走りとしては不満です。今回いろいろ考えてカートコースを走ったことが、次回のもてぎに生きるといいのですが。
さて、今回は競技以外の運営面で少し附に落ちない面も多く、お世辞にも遠征して良かったとは感じられませんでした。そればかりか、エントラントの中には第一ヒートと第二ヒートの間にブレーキ交換をし、さらにはパドック内を周回してあたりをつけているドライバーを見かけてしまいました。私の様な末端ドライバーが何を言っても仕方ありませんが、目を疑いましたね。オフィシャルが巡回しているわけでもなく、ああいう野放しのイベントもあるんだなぁ、と感じました。ま、そういうことをしている本人は、どういうつもりなんだろう、というのが一番の疑問ではありますがね。こういう世界が地区戦だとは思いたくないですね。
そういう意味では、今回非常にもったいない負け方をした宮嶋さんには感動しました。今の地区戦A4はこの人がいるからこそ秩序が保たれているんだろうな、と感じられる一面を見る事ができたからです。是非とも今後も関東地区戦を引っ張っていって欲しいなと思えました。
というわけで、前回の地区戦では5位、その後の関東戦では11位、そして今回の地区戦でも11位と、調子がいいのか悪いのかなんとも微妙な結果が続きました。うーん、やはり次回、地区戦ドライバーがこぞって参戦するというもてぎでの結果に注目といったところでしょうか。がんばりますよぉ。そうそう、応援に来てくれた元スラローマーさん、暑い中ありがとう。満足いく走りは見せられませんでしたが、ほんとうにありがとうございました。
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