1999JAF関東ジムカーナ選手権第10戦参戦記

9/5(日)、浅間台スポーツランド、ドライ

1999JAF関東ジムカーナ選手権第10戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位岡野博史 CP9A改1'07"3931'12"425(P1)1'07"393
2位宮嶋一人 GC81'12"812(P1)1'07"9761'07"976
3位大槻正 CP9A1'10"6341'08"2801'08"280
4位大澤勉 GC81'08"9761'08"3711'08"371
5位阿保大輔 CP9A1'10"1521'08"5111'08"511
6位川村光弘 GC81'08"6301'08"6881'08"630
7位斎藤和徳 CP9A1'09"5221'08"8141'08"814
8位西野弘高 CP9A1'11"4551'09"2311'09"231
9位船野剛 CP9A1'09"3801'09"2541'09"254
10位掛札雄一 GC81'09"5501'09"4481'09"448
22位遠藤康浩 CP9A1'11"9821'10"7751'10"775

1.まえがき

 9月に入り厳しい暑さも峠を越え、そろそろ99年度のジムカーナシーズンも終盤が近づいてきました。各都県戦はあと2〜3戦を残している様ですが、メインで追っているJMRC関東シリーズは今月中盤の最終戦を残すのみです。また、それより早くJAF関東ジムカーナ選手権、いわゆる地区戦も最終戦を迎えることになりました。ここ2カ月程、ようやく結果らしい結果を残せるようになってきましたので、調子こいて再度地区戦への参戦を決めました。ま、正確には、そこそこ乗れる感触を掴めてきたところで、もう一度上のクラスの走りを実感し、来年につなげたいというのが参戦を決めた理由ですね。特に今年はあの岡野さんが同じエボ6で地区戦に参戦していますが、来年は全日本シードで地区戦には出られない可能性が高く、同じ土俵で走れるのは今回が最後かもしれません。また、ジムカーナをはじめた頃からお世話になっている方も来年は他クラスへ移行という話を耳にし、最後に同じクラスで勝負を挑んでみようかという思いもあります。ま、来年の参戦予定はまだ白紙ではありますが、今年残りの戦い方、来年以降の振る舞い方を考える上で、貴重な一戦になることは間違いなさそうです。
 本来ならば、地区戦ドライバーの走りをより良く知るためにも、前日練習会には参加したかったところですが、チームの財政状況やタイヤ状況がかなり厳しくなっているため、残念ながら練習会は参加しませんでした。暑い夏酷使されてきたエンジンオイルの交換のみをおこない、当日に備えます。前日の横浜方面はかなり強い雨に見舞われましたが、明日は完全ドライ勝負が期待できそうです。

2.当日

 夏場の疲れがたまっているのか、最近少しからだがだるい感じです。前夜は、つい夜のヒッパレなんぞを見てしまい、予定より寝るのが遅くなってしまいました。そんな訳で若干寝不足気味ですが、天気もよいので、意外と良い気分で会場へ向かいます。
 ゲートオープンから少し遅れて会場に到着します。慣れた浅間台スポーツランドですが、ここでの地区戦は初めてというだけあって、自分が知っている浅間台のパドックの雰囲気とはだいぶ違う感じでした。同じクラスに岡野さんや宮嶋さんの車が並んでいるのにもやはり感激です。とは言うものの、私は当然ポイントも無く、地区戦参戦も2回目ですから、出走はかなり前の方。しかし、関東戦での連続入賞のおかげか、ポイントを持たないドライバーの中では比較的遅めのゼッケンをいただけた様です。とりあえず、ファーストゼッケンではないことに一安心。
 受付を済ませ、コース図を見ますが、かなりいやらしい感じです。どうやって曲げていくか悩むところが何カ所もあります。どちらかというと、勢いとノリだけで走る私には試練となるレイアウトとなっています。しかし、こんなコースだからこそ、地区戦ドライバーとの違いを実感できるはずです。目一杯攻めて、有意義な参戦にしたいところです。コース攻略ですが、やはり如何にアクセルを開けていられるかを考えたいところですが、どうしても曲げられそうに無いところが何カ所かあります。そこは手前で一度アクセルオフ、もしくは軽いブレーキングで曲げてきちんとアクセルを開けて立ち上がりたいところです。また、A4クラスのドライバーの大半と、若干考えが異なる部分がいくつかありました。私だけが違うラインを狙おうとしている感があり、非常に悩みましたが、まずは自分なりに考えたラインで第一ヒートを走ってみることにします。
 この日、予想最高気温は28度程度とのことでしたが、やはり日が照るとかなり暑い感じです。ですが、雲も多く、ひところの異常に暑い時期から比べるとだいぶ過ごしやすい天候です。それでも路面温度はかなり高く、触っていられるけどかなり熱いというレベルでした。セッティングはいつものショック番手に、エアを前後とも0.1ずつ上げていきます。
3.第一ヒート
 6250rpm程度でスタート。目一杯引っ張りながら2速、3速と上げ、3速全開付近からブレーキングを開始。やや緩く切り込んでいたせいか、テールが若干流れながら2速にシフトダウン。すぐにアクセルを入れ左奥のパイロンへ。パイロンへ向けブレーキングしながら1速に落とし、予定通り軽くサイドを当てます。小さめに排水口へ向かいながら立ち上がり、次の右パイロンによる規制のある島への進入ラインを楽にとる様にします。2速、3速と上げ、右規制パイロン付近からブレーキング。しかし予想以上にシケイン入口が近く迫り、かなり無理なブレーキングになりながら1速に落としてシケインを通過します。かなりロス気味になってしまいましたが、立ち上がり2速へ。ギャラリー前の右パイロンへはやや寄り気味で入り緩くサイドを当てますが、進入がきつかったせいもありテールを流し過ぎ、カウンターを当てる程で立ち上がります。ややアウトに膨らみながら2速へ入れ踏んで島に入りますが、姿勢が変わらない上にオーバースピード気味で慌ててアクセルオフ。フロントが逃げ、迫る沿石にびびりながらフロントのグリップを待ち、全開。島への進入がきつかったせいで車は大きく右へ持っていかれますが、それでも全開したまま3速へ。奥の右ターンへはアウトから入りたかったのですが、右に寄ってしまったラインからは修正しきれず、やや中途半端なラインで右ターンへ進入。姿勢が変わるのに若干もたついて立ち上がりで全開します。バス停に緩く入り、3速に上げで全開で右パイロンを通過。が、しかし、気づいた時にはもう止まりきれないかもと言う程ブレーキング開始が遅れ、バス停出口付近からフルブレーキング。そこまで全開できてしまい左にGがかかっていたため、テールはふらふらと動きだし、島の進入までに減速するので精一杯。なんとか1速に入れサイドを当てますが、すでに不安定になっていたテールが流れ過ぎ、立ち上がりでロスします。さらに続く右パイロンでもサイドを当て、バス停への進入を緩く取れる様立ち上がります。2速に入れるとすぐにバス停が迫り、直後ブレーキングするはめに。軽いブレーキングでパイロンを通過し2速のままバス停を脱出します。が、車は曲がらず、左へとステアリングは切り込んだままアンダーを出し続け、排水口付近でもう一度ブレーキングしてフロントを食わせて立ち上がります。大きく左にターンしながら3速に入れ、島へ斜めに進入します。が、ここはちょっとびびってしまい、島の中を3速ハーフで進入し、比較的早めにブレーキングを開始。出口で2速に落とし、再びアクセルを開けて左270度へ向かいます。ややインを開けてパイロンに進入し、1速左サイド。やや立ち上がりでテールを流し過ぎトラクションを逃がしてしまいます。1速全開くらいまで加速し、ブレーキを一瞬入れてグリップで右ターンしながら島に進入。一踏みし、すぐ左サイドをあて、また加速。右270度へ。ややGの切り返しが強く右ターンでテールを振り過ぎ、ちょっとアクセルを戻したら立ち上がりで完全ストールしてしまいます。そのままアクセルを踏み続け、左、右、左とブレーキングをいれながらスラロームを通過し、2速に上げてゴール。タイムは1'11"9でした。

4第二ヒートの対策

 全体的に、ターンが後手後手に回ってしまった様です。「これでもかというくらい踏んでやる」というつもりが、全て進入のブレーキングを遅らせ、結局立ち上がりで踏めなくなってしまうという悪循環に陥ってしまった様です。まさに悪い時のパターンですね。実際走ってみると、やはり曲げづらい部分は予想していた通りで、その辺りの走り方が地区戦ドライバーとは決定的に異なる気がしました。タイム差云々を言うのもなんですが、トップの岡野さんとは、ぬわんと4.6秒も離されています。あまりにもすごいタイム差に、まるでジムカーナを始めた頃を思い出してしまいました。いくらなんでも離され過ぎですよね。次はもう少し落ち着いてきちんと走りたいところです。
 さて、コース攻略ですが、ちょっとうれしいことがありました。スタートしてから奥の左ターンで、私はみんなにいろいろ言われながらも、予定通り1速に落とし、サイドを当てていたのです。立ち上がりと次のターンへの入り、距離などをにらんでの選択でしたが、やはり、あんなとこでサイド引いているのは俺だけ、という状態でした。しかし、驚いた事に、あの岡野さんもサイドを当てていたではないですか。もちろんスピード域やその次元は全く違いますが、僕が見ていた限りでは、ぼくと岡野さんだけが同じ様にサイドを引いていたことに、なんだか無性にうれしくなってしまいました。
 また、このところ関東戦で連続入賞しているせいでしょう。多くの方から、「今日はどうしちゃったの?」とか、「気合入り過ぎじゃない?」とかいう言葉をかけられました。ほんとはもっと走れるはずなのにおかしいね、という意味が込められていると思うと(あれ、違う?)、なんだかそんなこともうれしく感じたりしたのでした。みんなに少しは納得してもらえる様に、第二ヒートは頑張りたいところです。その第二ヒートの対策ですが、全体的にもう少し落ち着いて走る必要がありそうです。それほど気張っているつもりはないですし、緊張もしていないのですが、2週間ぶりに走るせいか、少し動きが固い気がしますね。きちんとスピードをコントロールして、踏んで立ち上がることを心掛けることにします。また、ターンの立ち上がりでストールしたり、トラクションを逃がしたりすることが多かったので、ここいらも気を付けねばなりませんね。恐らく、あと2秒、すなわち9秒台は出ると思いますが、それはきっちり走りきった場合だと思いますので、なんとか10秒台前半は狙いたいところです。
 特にセッティングは変更なしです。落ち着いて、しかも消極的にならない様に、攻めの走りを心掛けることにします。
5.第二ヒート
 同じく6250rpm程度でスタート。2速、3速と上げ、3速全開付近からテールが流れ過ぎない様に気をつけながらブレーキングを開始。2速に落とし、すぐ全開して左奥のパイロンへ。先程よりややRを緩めにとる様に進入し、緩くサイドをあててほぼイメージ通りクリア。排水口へじわじわと寄りながら2速に上げた瞬間。頭の中が真っ白けになってしまいました。排水口脇に来た時には本当にどっちへ行っていいのか分かりませんでした。このスピードで迷ったら島に当たっちゃいそうだから、リタイアか、うー恥ずかしいじゃないかぁ、折角地区戦出てきたのにぃ、と一瞬の間に頭の中をいろんなことが駆けめぐった瞬間、規制パイロンを避けて島の中に進入することを思い出します。ラッキーなことに、当初そこを狙って走っていたためか、車の進行方向はそちらを向いており、それほどラインを崩すことなく規制パイロン左に進入できました。が、アクセルを若干緩めていたせいで3速には入らず、速度の乗らないまま島に進入。若干ブレーキングも早めに開始したため、シケイン入口は若干速度を落とし過ぎかという感じになってしまいました。しかしそのおかげでシケインはアクセルオンで通過でき、シケイン通過直後2速へ上げギャラリー前へ。ここは大事と緩めに入るつもりが、またまたパイロンに寄り気味になってしまいサイドを当てます。流し過ぎに気をつけて、と思ったらまたまたやってしまい、カウンターを若干当てて立ち上がります。2速に上げ、島入口の規制パイロン手前で軽くブレーキングを入れて曲げ、全開で島に進入。さらに3速へ上げて外周へ向かいます。ややアウトから右ターンに入り向きが変わり始めてからアクセルオン。2速全開でバス停に進入します。先程の失敗を踏まえ、パイロン手前で軽いブレーキングで向きを変え、2速のまま加速してバス停を通過。島への進入では姿勢を崩すことなくブレーキングでき、1速に落として緩くサイドを当てて右ターン。アウトに寄りながら加速しすぐに右ターンですが、ここは緩くサイドを当てるつもりが緩過ぎて効かず、しかたないのでそのままグリップ気味で通過します。1速リミッター付近でバス停に入り、今度は1速のまま軽く左サイドを当てきちんと曲げて立ち上がります。すぐに2速に入れ、排水口手前で一度ブレーキングして曲げアクセルオンで排水口を通過。さらに3速へ。3速のまま緩く左に旋回しながら島へ斜めに入りますが、やはりここはびびり気味で、完全に全開とは言えない状態で進入。出口の右ターンでは速度を殺さない様に気をつけますが、それでも落とし過ぎた様で何事も無かった様に2速グリップでターンして加速しながらギャラリー前の左270度へ。1速に落としてサイドを当てストールさせないように気をつけていると、やや立ち上がりがふくらんでしまいました。そこから島への進入ですが、立ち上がりがはらんだせいで右ターンがややきつくなり思わずサイドを当ててしまいます。ややトラクションを逃がしてしまい島に進入。すぐに左ターンでサイドを当て、スラローム入り口の右270度へ。立ち上がりのストールに気を付け丁寧に入ったせいか、そこそこ予定通りターンできスラロームへ。一つ目の左で2速シフトアップしますが、やはり私の腕では速度を乗せることができず、途中の右、左、のスラロームはほとんどアクセルを開けられずに通過し、スラロームを出てからアクセルオンでゴール。タイムは、1'10"7でした。
6.最後に
 なんとかタイムアップできまたが、やや走りきれなかった気がします。順位は目標の10番台にはまたも及ばず22位。優勝の岡野さんとは3.5秒差と、かなりのタイム差となってしまいました。また、ずっと影を追っている西野さんにも1.5秒もやられてしまい、今回は惨敗です。ミスも多かったので、少なくとも1、2カ所無難に1本目と同じ走りをしておけば、あと0.5秒は確実にいけたはずですが、それでもポイントにはほど遠い順位ですからね。
 だいぶ走れる様になった感触を得ての地区戦参戦でしたが、予想以上に地区戦ドライバーの走りは違うという印象を受けました。タイム差も当然あるのですが、迫力が皆違いましたね。姿勢の作り方が皆格段にうまいのと、アクセルを開けている時間が長いという気がしました。今の自分には、同じ様な姿勢作りを狙ってもやれる自信がないというシーンが多く、練習を積む必要性を強く感じました。半年程エボ6に乗ってきて、少しづつ動かし方が分かってきた気がしますが、まだまだ習得すべき運転技術がたくさんあることを痛感しました。来年度はもう少し勝負になる様に、シーズンオフには修行を積みたいと思います。
 結局、期待していた様な結果が出なかった地区戦参戦でしたが、自分にとっては非常に有意義なイベントだったと感じています。同じ車、同じタイヤでここまで走れるという見本を見れる上に、同じように自分が走った結果と比較することができるわけですから。惨敗したことには全くめげていません。今回の地区戦ドライバーの走りは頭に焼き付けましたので、一つでも技術を習得できる様頑張りたいと思います。
 いやぁ、それにしても岡野さん、宮嶋さんの走りは見事ですね。感動してしまいました。あそこまでかっこよく、タイムを出せる走りができるなんて。とても自分の技術をいくら突き詰めても、ああいった走りが出来る様になるとは思えませんが、目指すのは勝手ですから、目標は大きく、スペシャリストと呼ばれる様なドライバーを目指したいと思います。
 さて、今シーズンも残り少なくなりましたが、まずは今シリーズで追っているイベントできっちり結果を残すことを考えることにします。
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