1999JAF関東ジムカーナ選手権第5戦参戦記

5/23(日)、関越スポーツランド、ドライ

1999JAF関東ジムカーナ選手権第4戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位阿保大輔 CP9A1'13"811'13"361'13"36
2位大澤勉 GC81'13"751'13"461'13"46
3位川村光弘 GC81'14"361'13"461'13"46
4位岡野博史 CP9A1'13"681'13"601'13"60
5位宮嶋一人 GC8M.C.1'14"151'14"15
6位稲木亨 GC81'15"321'14"251'14"25
7位小峰健志 CP9A1'14"921'14"281'14"28
8位田村英樹 GC81'15"201'14"351'14"35
9位藤辺晃 GC81'15"001'14"381'14"38
10位船野剛 CP9A1'15"471'14"421'14"42
21位遠藤康浩 CP9A1'16"321'15"591'15"59

1.まえがき

 さて、今年車両を戦える車に乗り換えてから約3カ月が経過しました。しかし、結果らしい結果は今のところ残せておりません。が、最近はだいぶ車を動かせる様になったと自負しており、結果が出ないのは天候とそれに影響を大きくうけるパーツのせいであると思い込んでいます(ほんとか?)。乗れてきている(と本人は思っている)今なら多くのことを吸収できるし、ドライとなる可能性が少しでも高い梅雨前に上のレベルを見ておきたいという気持ちから、JAF関東ジムカーナ選手権第5戦にエントリーしました。そう、地区戦への初参戦です。
 勝負にならないことは初めから分かっていますが、精一杯走って上のドライバーとどれだけの差があるのかを実感したいので、ここはなんとしても晴れて欲しいところです。やっとのことで願いが通じたのか、今回は土、日とも天気は良くなるとの予報でした。良いどころか、かなり気温も上がる様で、非常に楽しみです。かなりエントリー費もお高いシリーズだけに(おまけに消費税まで取られるとは思わなかった)、チームの財政状況も厳しいのですが、前日練習会から出てこそ多くのものが得られると思い、前日練習会から参加しました。
 今回は天気予報もそれなりの確率で当たった様で、雨の心配は無く、アスファルトの照り返しがきつい競技場の気温は30度を越え、路面温度も40度以上という厳しい暑さとなりました。そんな中おこなわれた練習会ですが、なんじゃこりゃ、というコース設定に、エントラントからはブーイングが巻き起こっていました。地区戦は初めての私でも、なにこれ、と思う様な設定となっており、攻め方に悩んだり、進入にびびったりする様な刺激的なコースを期待していただけに、肩すかしを食らった感があります。ま、そんな単純なコースでしたが、それでもA4トップとは1.5秒くらい離され、レベルの高さを痛感しました。車の動かし方や攻め方が違うことを実感し、1本毎に攻め方を変えてトライして、なんとかタイムが詰まってきた結果でこれですから、明日はどうなることやら。しかし、今までに無いレベルの高さと、雰囲気には大満足の一日となりました。
 余談ですが、ちょっと気になったのは、トイレの横の水道にホースをつないでタイヤを洗ったり、車を洗ったりするドライバーが複数名いたことです。私が知らないだけなのかもしれませんが、この会場では水道はここ一つしかなく、トイレを使った人も、手が汚れて洗いたい人も、顔を洗う人も、バケツに水をくむ人も、この水道を使っていると思うのです。それを占領してしまうのはどうかと思ったのでした。身内だけという集まりならいいでしょうが、初めて地区戦レベルの練習会に参加した私の様な人間からすると、地区戦で上位を走るドライバーが車を洗っているところに、「顔を洗いたいんですけど」、なんて、なかなか言いづらいものです。でもしょうがないので、「手を洗いたいんですけど」、と言うと、すまんの一言もなく、「はい」と、ホースにつながれた水をこちらに差し出したのでした。この時ちょっと「むかっ」とし、手を洗い始めると、その人の友人が、「おいおい、迷惑なやつだなぁ」とその人に言ったのです。すると、「なんだよ、俺は悪いことしてないじゃんか」とか言って、ある女性にホースを渡して雑談を始めました。その女性が「済みませんねぇ」と言ってくれたので、少し気分はおさまりましたが、非常に不愉快で、そういう人が例え上位に入ったり、優勝したりしても、なんもすごいとは思えないのは私だけでしょうか。それとも、地区戦では、こういったことが普通におこなわれているのでしょうか。折角気分良く練習を終えた後に、非常に不愉快でした。
 ま、そんなこんなで、練習会終了後、この日はA3ドライバーの一人が誕生日ということで、A4ドライバーと一緒に巨大パフェでお祝いし、暑かった一日を終えたのでした。

2.当日

 目が覚め、外を見ると、すばらしく良い天気です。なんか無性にうれしくなり、準備をして会場入りします。パドックへ入るとやはり予想は的中し、私はA4ファーストゼッケンの様です。一番端のパドックだったのですが、反対は当然A3のポイントリーダー。うぅ、すごい人の隣になってしまったとちょっとびびっていると、その当人から、「横空いてるので、少しずらしてもらってもいいですか?」と、むちゃくちゃ謙虚に言われ、とても好印象でした。関越のパドックって狭いですもんねぇ。昨日の件があったので、余計そう感じたのかもしれませんが、上に立つドライバーはこうあって欲しいなぁなんて思ったのでした。
 さて、気温が上がる前にさくさく準備をし、受付に並ぶと、なんとあの宮嶋さんも同じ列に並んでいるではないですか。そうです、今日はなんとあの岡野さんや中村社長とも初めて同じクラスで走ることになるわけです。なんか不思議な感じだなぁ、とそんなささいなことにいちいち感動しながら、受付を済ませ、コース図を見ると...やはり予想通り、なんじゃこのコースは、って感じでした。悩むところが無くて良いのですが、折角高いお金を払って勉強に来ているのに、もっとひねって欲しかったなぁと思ってしまいました。外周はずいぶんとパイロンが端の方に設定されており、多少気にはなりますが、あとはパワーとタイヤ勝負じゃないの?といった感じの行って帰ってを繰り返す単調な部分がかなりあります。ゴール前に比較的小さな8の字が設定されていますが、どうせこのレベルのドライバーなら難無くこなしてしまうでしょうから、そう面白いとも思えません。ま、どんなコースにせよ、どこまで戦えるのか楽しみであることに違いはありませんので、目一杯走ることにしましょう。コース攻略はとくにありませんが、前半セクションは、ラインが狭いので、比較的パイロンごとにブレーキングを繰り返し、あまり大きくはらまない様なラインを狙い、ギャラリー前への立ち上がりを重視しようと思います。中盤の行って帰っての部分は、もう、踏むだけ踏むしかありません。立ち上がりでのトラクションロスを無くす様心掛けましょう。最後のパイロンセクションは、ミス無くターンできる様、進入に気をつけ、8の字は少し大きくなってもしっかり回したいと思います。
 気温、路面温度もすっかり上がり、ほぼ前日練習と同じ様なコンディションでのトライとなりました。セッティングは、少し前から標準としているセッティングでいきます。
3.第一ヒート
 やはり、ファーストゼッケンは少し緊張しますね。A4先頭ゼッケンの私がスタートラインに立ってから、パイロン確認などやA3クラスのパイロン確認書類の収集などが入るため、ちょっと集中が途切れてしまう感じです。で、いよいよスタートとなり、少し気持ちを落ち着かせて、6000rpm程度でスタートします。ややアウトに車を動かしながら2速、3速とシフトアップし、1つ目のパイロン付近でブレーキング&2速へシフトダウン。ややテールが流れすぐアクセルオンします。次のパイロン付近で再び軽くブレーキングしてテールを若干流し、アクセルオンで、右180度へ。1速にシフトダウンし、右サイド。ややオーバースピード気味の感がありますが、カウンターを当てない様に緩いラインを取って立ち上がり、2速で左ターンへ進入。一瞬ブレーキングし、すぐアクセルオン。左パイロンでブレーキング、アクセルオン、またまたパイロン付近でブレーキングし、アクセルオン。ここは予想通り路面のうねりが気になり、かなり車が跳ねます。が、構わずアクセルを開け、次のパイロンでブレーキングして、アクセルオン。その次のパイロンでも一瞬ブレーキングしてアクセルオン。そのあとはBS看板過ぎくらいで一瞬ブレーキングして向きを変え、そこからギャラリー前までは根性で踏み抜きます。途中、2速が高回転まで回ったところで、路面のうねりに乗ってしまい、トラクションが逃げるのを嫌ってすぐに3速へ。ギャラリー前の下りの進入は止まりきれないことを嫌って早めにブレーキングを開始すると、そりゃあまりにも早過ぎたみたいで、ずいぶんとブレーキを残して進入する感じになり、1速でサイドを当てて左ターンを立ち上がります。ここまでの中間タイムは37秒5くらいとのこと。2速に上げてブレーキングして右ターンですが、ここも昨日の感覚が残っているのか、ブレーキングが随分早く、ブレーキを残して1速に落とし右サイド。全開で立ち上がり2速に上げ、再びブレーキングして1速にシフトダウンですが、ここもややブレーキングが早く、距離を合わせて1速サイド。全開で立ち上がり、2速全開付近からブレーキングを開始して、1速に落とし、緩くサイドを当てて、全開で立ち上がります。2速、さらに3速と加速し、かなり手前からブレーキングを開始。思ったよりパイロンは奥にあり、これまたブレーキングが早く、2速でブレーキングしながら速度をコントロールして、左パイロンに合わせる様に1速に落としサイド。スピードコントロールは良かった様で、うまく立ち上がり、2速に入れて、進入が緩くなる様なラインで8の字に進入。右サイドを当て、当てたカウンターとアクセル、ブレーキのタイミングをとり、ややパイロンから離れますが、荷重が充分移ってから左サイド。ほぼ予定通り決まり、最後の右規制パイロンで一瞬アクセルをハーフくらいに戻し、全開でゴール。タイムは、1'16"3でした。

4第二ヒートの対策

 ゴールすると、付近にはA4クラスのドライバーがわんさといらっしゃいました。ファーストゼッケンの様子を伺ってた様ですが、はずかしー、ってな感じでした。ま、見た目に分かるひどいミスはなかった様ですし、「ちゃんと走ってたじゃない」となぐさめの(?)言葉を頂いたりして、まずは安心と言ったところでしょうか。
 結局A4が終わってみると、トップは13秒台の岡野さんで、私はその2.5秒落ちの21位とのことでした。こんな単調なコースで2.5秒というのも大きな差ですが、ジムカーナを始めた頃は、同じエボ3の岡野さんとは10秒の差があったものです。恐れ多くて近づいたとは言えませんが、以前は参考にもならないくらい違いが多かった走り方も、これだけの差になってくると、部分的に取り入れてみようという気になってきます。
 それにしても、すごいのは岡野さんだけではなく、地区戦ドライバーってやっぱ違うよなぁと感じました。奥のセクションであそこは狭いから踏んで入れないよなぁ、なんて考えていた部分を当然の様に踏んだまま入っていく人ばかりじゃありませんか。はっと、なんのために地区戦に出てきているのかを考え、まずは皆さんと同じようなアプローチを狙ってみることにしました。区間タイムを調べると、前半セクション、後半セクションともにまんべんなく遅く、トータルで差が付いている様です。そんな中でも、最後のターンセクションはまずまずでしたので、そこまでをなんとか詰めて行きたいところです。前半セクションは、幅が狭いからと言って消極的にならずに、いつもの様にブレーキングポイントをずらして、ブレーキ回数を減らしたいと思います。中盤の行って帰ってのセクションだけで1秒近く遅いのですが、第一ヒートはなんだか距離が合わずブレーキを余らせてしまう程だったので、こいつはきっちりと攻めて行きたいと思います。また、進入ラインも車半分くらい外にずらして、速度を殺さない様に心掛けてみます。
 こんな程度でどれだけタイムを詰められるか疑問ですが、ま、消極的にならずに、攻めていきたいと思います。気温はさらに上がり、外にいるだけでつらい程になってきましたが、セッティングに変更はなしです。
5.第二ヒート
 A3ラストゼッケンが走ってから、しばらく間が開くのは、やはり緊張を増長させますね。できるだけ余計なことを考えない様に、コースの復習をしながらスタートを待ちます。ようやくコースがクリアとなり、スタートフラッグが振られます。6000rpm程度でスタートし、ややアウトに車を動かしながら3速までシフトアップ。1つ目のパイロンを若干越えたくらいを狙ってブレーキング&2速へシフトダウン。若干テールが流れますが、躊躇せずに全開。次のパイロン付近でも車は不安定な感じでしたが、軽くブレーキングして向きを変え、さらにアクセルオン。ここはテールが完全に不安定で全開にはできませんでした。比較的早めにブレーキングを開始したつもりが、不安定な挙動を示すテールの動きが気になり、減速しきれず、ややオーバースピードで右180度に進入。1速に落とし、ゆるくサイドを当てて緩いラインで立ち上がります。2速にシフトアップ直後ブレーキングと荷重移動で若干テールが流れ、アクセルオンで左コーナーへ。次の左パイロンはこらえてその奥でブレーキングして向きを変え、アクセルオン。その次のパイロンも無視し、路面のうねりあたりでブレーキングし、向きを変え、アクセルオン。次の左パイロン後が狭く、やっぱり全開では進入できませんでしたが、アクセル全閉までは戻さず、ハーフ以上アクセルを開けたまま左パイロンを通過し、ブレーキングで向きを変えます。さらにBS看板付近まで全開で加速し、奥でブレーキングで向きを変え、そこからは、ギャラリー前まで根性でアクセルオンです。途中、車が跳ね、横に飛んでいく感じになりますが、構わずリミッターまで回し、3速へ。ちょっと頑張り過ぎてブレーキングが遅れ、うねったブレーキングポイントで、これまたタイヤが時折ロックしながら、なんとか減速し、2、1とシフトダウンする余裕は無く、パイロン横で1速に無理矢理入れて、サイド。やや荒いターンになりましたが、そっからは切れた様に全開加速です。ちなみにここまでの中間は36秒5と、かなりの好タイムで通過していた様です。2速に上げ、右ターンへは予定通りやや左から入り、若干遅れたブレーキにオーバースピードでの進入となりますが、それほどパイロンは離さずクリア。再び2速からやや右から左パイロンに入り、これまた若干オーバースピードでしたが、Rをやや大きめにとって立ち上がります。2速に上げ、奥の右ターンもやや緩い進入を狙って左から入り、緩くサイドを当てますが、ちょっとターンが浅過ぎ、立ち上がり角度が予定より若干アウトに触れてしまいます。が、そのままとにかく全開で立ち上がり、3速へ。先程よりギャラリー前左270度への進入を頑張り、ブレーキングを開始。2速シフトダウンと同時にテールが左に流れ、そのままブレーキをコントロールして若干のテールスライドを保ったままパイロン横で1速に入れ、テールを食わせてサイド。テールスライドが長かったせいか、速度が殺しきれませんでしたが、なんとかターンには入れ、2速へ。緩めのラインで8の字に進入し、1速で右サイドを当て、若干当てたカウンターのまま次の左パイロンへ寄り、と、ここで「パイロンにぴったりついて回ってやる」と欲が出てしまい、荷重を逆に移し切っていないのに、パイロンぎりぎりでサイドを当ててしまいます。案の定、一瞬テールは流れましたが、すぐに食ってしまい、アウト側のパイロンを気にしながらだらだらとグリップで左ターンし、最後の右規制パイロンからは全開でゴール。タイムは、1'15"5でした。
6.最後に
 結局、トップとは2.3秒差、アドバンエボ5の岡野さんとは2秒差の21位で競技を終了しました。なかなかタイム差が付きづらい感じのコース設定だったとは言え、あのあこがれの岡野さんと2秒以内の差に食い込めたというのは、我がチームにとって、革命的なことであります。ここから言い訳モードですが、2本目最後の8の字を1本目程度に無難に決めていれば、あと、0.3秒以上は確実に詰まっていたはずですし、途中の行って帰ってのサイド&パワー区間さえなんとかできれば、もっと面白い結果が出る可能性を実感することができました。課題が非常に明確になってきた感がありますので、もう少し人間をパワーアップして、どこかでもう一度地区戦にチャレンジしてみたいと思います。順位は当然ながら散々ですが、監督も不思議と大喜びで、まずは地区戦初参戦を大変良い気分で終えることができました。
 そんなわけで、今回初めて地区戦に参戦したわけですが、今までに経験の無い程のハイレベルな戦いに、驚いたと同時に、そんな中で一緒に戦えることに、とても喜びを感じてしまいました。なんつっても、全日本チャンプを初めとし、全日本で活躍するドライバーがごろごろ出ているわけですからね。参加者を見てみると、8割方が、全日本参戦経験者かシード所有経験者で占められているのに驚きました。うーん、実績も何も無いのに出てるのはうちらくらいじゃないかって言えるくらいです。いつの日か、こういう大会できちんと勝負できる様になるのでしょうか。その前に、まずは関東戦で戦える様になることが先決ですね。がんばります。それにしても、刺激的な一日でした。
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