1999JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦参戦記

10/24(日)、浅間台スポーツランド、ドライ

1999JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位遠藤康浩 CP9A1'05"9661'05"0841'05"084
2位佐々木将人 CP9A1'10"0261'05"8961'05"896
3位三浦満 CP9A1'06"9211'05"9091'05"909
4位大森一雅 GC81'06"8141'06"2721'06"272
5位三間康 CP9A1'06"3361'07"7421'06"336
6位相沢清 CP9A1'10"4121'06"3641'06"364
7位金子博 GC8M.C.1'07"2291'07"229
8位市川尚彦 CP9A1'07"6211'07"3701'07"370
9位福田裕二 GC81'07"5211'07"4561'07"456
10位今関傑隆 CE9A1'07"5871'09"2551'07"587

1.まえがき

 まさかのミスコースでシリーズチャンプを1ポイント差で逃し、残念な結末となったスピードマインドジムカーナ関東シリーズ最終戦から1週間が経過し、浅間台スポーツランドで開催されたJMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦に参戦してきました。先週は、初のラストゼッケンに浮かれたのか、最近の好調に浮かれた気持ちを引き締めなさいという暗示だったのか、いろいろ考え、反省をしながら1週間を過ごしました。そしてこの神奈川県シリーズもついこの前の第8戦で初めてポイントリーダーに立ち、ラストゼッケンをゲットしたばかりなのです。2週続けてこけたりするといやなムードになり、ずるずると調子を崩しそうな気がしましたので、今後を占う意味でも、我がチームにとって重要な意味をもつという位置づけと考えて第9戦にのぞみました。
 さらに10月に入ってからでしょうか、日に日に気温は下がり、あの暑かった9月が嘘の様に路面温度は下がっています。最終戦は11月中旬の開催と、かなり冷え込むことが予想され、アドバンユーザーにとってはかなりきつい戦いを強いられることは間違いありません。そう考えると、できることならこの第9戦できっちりと結果を出し、有利な状態で最終戦を迎えることがチャンピオン獲得には重要という気がします。従って、我がチームにとってこの第9戦は、今シーズン最後の山場と言って良いでしょう。
 一番の心配のタネは天候かもしれません。怪しい週間予報が続きましたが、直前の予報では週末は好天が予想されるとのこと。それでも金曜日は雨が降ったため、念には念を入れて、ウェット対策をしてのぞむ事にします。
 実は今シーズン、本気のJMRC関東シリーズ以外は前日練習しないことにしていたのですが、神奈川戦の常連だけでなく多くのドライバーが前日練習から現地入りすると聞き、折角ですので私も前日練習から参加することにしました。しかし、浅間台の前日練習会で目一杯走ると当日崩れるパターンが多かったので、とにかく午前午後とも1本目だけはきちんと走って、どの程度タイムを残せるか判断し、その他の走行はぎりぎりまで攻め込ずにいろいろ試してみることに決めました。午前午後とも1本目のトライでそれなりにタイムを残せることを確認でき、焦らず走れば明日はそこそこ結果は出るだろうという感触を掴む事が出来ました。
 その晩は、神奈川県シリーズ仲良しグループ(?)で宴会をして、早めに床に就きました。

2.当日

 前日は結構飲んだ様ですが、完全に熟睡できたせいか、めずらしいくらい体調は良い感じです。予定通り集合し、会場入りします。受付を済ませコース図を見ると、かなり長い感じのハイスピードレイアウトとなっています。ランサー有利のパワー勝負という感じです。ですが、極端に操作が忙しかったりいやらしい設定が無いので、タイム差はそれほど付かないと予想されます。走り方もサイドを引くかグリップで行くかという違いくらいしかありませんので、腕の差というより、車の差がもろに出そうな感じです。ランサーの中でも過給圧が低く、この路面温度では他社タイヤに明らかにビハインドを負うことになる私の車ですから、ターンの立ち上がり方やラインでせっせと0.1秒くらいずつ稼いでいくしかありませんね。こういうコースでは、ながーい直線前の外周の立ち上がりが大きなポイントでしょう。あとは、最終の細かいセクションで少しでもタイムを詰める様頑張るしかありません。
 さて、神奈川県シリーズは、通常A2、A3、A4の3クラスしか設定されませんが、それでも参加台数は合計71台、A4クラスは20台と意外と盛況となっており、好結果を残すのも結構大変だったりしますね。今回はやはりシリーズチャンプを争う三間@エボ6さん、マシントラブルにより急遽レンタルマシンで参加の岡田@エボ3さん、同じくマシントラブルによりレンタルマシンでの参加となった三浦@エボ6さん、そして私の4人の相対的な順位が気になるところです。さらに今回は浅間台では好結果を残している相沢@エボ5さんや、埼玉色物代表馬場@インプレッサさん、さらにはなんと2年前の神奈川千葉ダブルチャンプの佐々木@エボ6さんまでもが参戦しています。他にも、レディースドライバーながら前日練習ではクラス3〜4番手タイムを出していた谷口@インプレッサさんも怖い存在です。シリーズ上位4人に対するスポット参戦組がどう絡むか、シリーズを占う上でも重要な一戦となりそうです。
 天気は良く、路面温度もこの時期にしては上がりそうな感じ。となると、第二ヒート勝負となることは明白ですが、第二ヒートきっちり攻めるためにも、第一ヒートできちんとタイムを出しておきたいところです。試走の猪爪さんのFD3Sのタイムは、ウォーミングアップしたタイヤでの1本目で5秒台、連続走行2本目で3秒台後半でしたので、A4クラスはそれより少し遅い程度、5秒台〜6秒台くらいの争いになるかもしれませんね。
 速いペースで競技は進行し、A4クラスが近づきます。セッティングはいつものまんま。前半ゼッケンから7秒台が出ている様子で、やはり5〜6秒の争いになりそうな気配です。
3.第一ヒート
 スタートを待つ車内から三浦さんの走行が見え、初めて乗るのにうまく乗ってるなぁ、と関心しながら、スタート。4000rpm程度でスタートしますが、やや跳ねながらタイヤは空転します。2速、3速と直線的に加速し、かなり手前からブレーキングを開始。路面の具合を確かめながら2速に落とし1コーナーに進入します。端から見ても探ってるなぁと思われるほど減速したにも係わらず、進入でテールが流れ始め、こりゃ相当神経使わないときついなぁという印象を持ち、丁寧に立ち上がります。ながーい直線で3速が吹け、「えっ、どうしよう、4速なんていつも使わないのに」と思いましたが、まだ次のパイロンまでには距離があり、4速ってどっちだっけ、とシフトパターンを考えながら4速へ。すぐに減速を開始し、今度は4速に入っているシフト位置に違和感を覚え、減速中はシフトダウンできず、ニュートラのまま左パイロンへ進入。バンバンアクセルを煽って1速に入れて、左サイド。かなり手前から減速したおかげで、距離はばっちりでした。食わないタイヤに気をつかって、かなりアクセルを戻した状態で立ち上がります。直線的に島に進入し2速へ。島をコンパクトに巻くため、丁寧にブレーキングして左サイド。リアタイヤが温まっていないのか、予想以上に旋回してしまい、立ち上がりで若干ステアリングを逃がし、アクセルをちょい戻してラインを修正して立ち上がります。2速全開付近でバス停に進入。軽くブレーキングを入れて向きを変えますが、やや向きが変わり過ぎ、予定よりイン気味のラインで立ち上がります。バス停を出るとすぐにブレーキングを入れて再び曲げにかかりますが、ラインが悪く、排水口付近で再びブレーキングを入れる羽目に。そこからは全開で立ち上がり3速で再び島に進入。鋭角なターンに寄り気味に進入して1速サイド。全開で立ち上がり、2速、3速でバス停へ。バス停内のパイロンでアクセルをハーフくらいに一瞬戻し、右の規制パイロンを避けられる方向に車を向けて全開。外周へ進入します。が、ちょっと進入のブレーキングが遅れ、アンダーを出してしまいます。仕方が無くフロントのグリップを待ってアクセルオン。立ち上がりのパイロンへは若干寄って立ち上がり、直線をフル加速。3速、さらに4速と一瞬入れ、シェルの角へ向けてブレーキングしながら2速へシフトダウン。右180度を重視して、姿勢を整えるために、一瞬アクセルを入れ、右パイロンに向かって丁寧にブレーキングして、1速サイド。かなりタイヤも暖まったのか、そこそこアクセルを開けられ、シェルの角で軽くブレーキングして島に進入。アクセルを入れ、すぐに左ターンで早めにサイドを当て、立ち上がりでインに付く様にねらいます。立ち上がりラインは良かったのですが、若干ストールしてしまい、とにかく全開。シケイン気味のパイロン間をきっちりブレーキングして抜け、全開でゴール。タイムは1'05"96でした。

4.第二ヒートの対策

 やはり予想通り、前半はぜんぜんグリップしない感じでしたが、なんとかトップタイムをゲットできた様です。しかし、2位以降との差はほとんど無く、多分このタイムではトップを守ることは出来ないでしょう。驚く事に、ここ浅間台に苦手意識を持っている三間選手が2番手。前日練習でいろいろ考えていっしょに走ったのがもう生きてきたのでしょうか。ちょっと怖いですね。それ以降もだんご状態で、いきなりエボ6に乗った三浦選手もかなり抑えた走りで1秒落ちくらいにつけています。また、神奈川戦は久しぶりの佐々木選手も、スピンが無ければトップレベルのタイムを出していたはずで、予断を許さない感じです。
 さて、これだけタイム差が付きづらいコースですから、その中で人より良いタイムを出すのは結構大変です。ミスを極力減らし、0.1秒を大切にする必要があります。私としては、2回ある島からバス停へ抜ける部分と、排水口回りのセクションでまだタイムを削れる感触があるのと、もう少し路面温度が上がって他社タイヤとの差が縮まることを期待して、5秒台前半のタイムがターゲットと言ったところです。大幅なタイムアップが期待できそうに無いコースだけに、このくらいのタイムが出て負けたなら仕方無いでしょう。精一杯頑張ることにします。
 土曜日に引き続き天気は良く、路面温度も徐々に上がってきました。皆タイムアップしてくることは確実です。と言ってる最中、やはり怖いと読んでいた佐々木選手がミスしながらも私のタイムを0.2秒近く抜いてトップに。やられたなぁと思いながら、セッティングは変更せずスタートラインにつきます。「佐々木さんとの勝ち負けは関係ないから気にするのはやめよう」、と自分に言い聞かせていると、二つ前の三浦さんもミスしながら0.05秒程私のタイムをかわして2位に食い込んできました。「三浦さんに負けるのはまずいぞ」と、車内でいろいろ考え始めましたが、とにかくタイム差や勝負を気にするのではなく、自分のベストを尽くす様に、懸命に頭を切り換えます。路面温度の上昇から考えて、普通に走れば0.5秒くらいはタイムアップできるはず、と集中してスタート。
5.第二ヒート
焦ってスタートしない様に、フラッグが振られてからしっかりと回転数を合わせ、6000rpm程度でスタート。若干空転が多い感じで立ち上がり、2速、3速と直線的に加速。第一ヒートよりは若干ブレーキングポイントを遅らせますが、それでも路面の状況を探るように、丁寧に1コーナーに進入。先ほどよりグリップ感を感じながら2速で外周を立ち上がります。それでもこの時期ですからテールは流れ気味になり、ラフな操作は禁物と言う感じです。3速から4速へとシフトアップし、ギャラリー前の左180度へ、ここも一応丁寧に進入し、立ち上がり重視でクリアしますが、このあたりからタイヤがだいぶグリップする感触があり、かなり早いポイントからアクセルを全開できました。2速に入れて島に進入し、直線的に通過します。先ほどより若干Rを大き目に、と思っていると、進入のブレーキングが若干遅れ、インを離してしまいます。が、立ち上がりはまずまずのラインに乗り、ストールすることもなく加速。2速全開でバス停に進入します。一瞬の軽いブレーキングで左パイロンを通過し、すぐ全開。バス停を出てから早めにブレーキングを行い向きを変えますが、思い切りアンダーが出て、一度ブレーキを離してから再度ブレーキングで向きを変えます。うぅ、失敗したなぁ、とか考えながら立ち上がり、3速へ。島を鋭角に横切るターンは、同じくサイドを使いますが、速度を殺さない様に気持ちアウトから進入し、緩く再度をあて、すぐに全開します。2速、3速と上げ、再びバス停へ。先ほどより速度の乗りが良く全開での通過は無理と見て、アクセルをハーフくらいに戻してパイロン間を通過して外周へ。今度は早めにブレーキングを開始し、2速で外周を通過。アクセルオンのポイントに気を付け、全開で立ち上がります。3速、4速とあげ、シェルの角へ向けてブレーキングを開始。やはりテールが暴れ気味なので、2速で一瞬アクセルを入れて丁寧に右ターンに進入。1速でサイドを当ててくりあします。これが結構気持ちよく決まり、シェルまでに1速が吹け切るほどでした。シェルの角で軽くブレーキングして島に進入。アクセルを入れ、すぐの左ターンでは気持ちアウトから入り、ストールに気を付け、インベタで立ち上がります。シケインに全開で入り、ここまで来たら丁寧にと、パイロン間をきっちりブレーキングして抜け、全開でゴール。タイムは1'05"00でした。
6.最後に
 なんとかタイムアップを果たすことができ、混戦の中、2位を0.8秒も上回るタイムで勝つことができました。ギャラリースタンド真後ろのパドックに戻ると、皆に祝福されて、ラストゼッケンで勝つってのはすごくうれしいことだなぁというのを実感しました。今年の神奈川県シリーズを占う意味で、さらに我がチームの勢いを持続させる意味でも非常に重要だと思っていた今回の戦いを制することができ、非常に満足しています。また、第二ヒートスタート時には、負けてはならない三浦さんと2年ほど前には全く勝てなかった佐々木さんに負けている状態であり、久しぶりにかなりのプレッシャーを感じての戦いでした。そんな中で、きちんと集中してだいたい自分の思った様な走り方ができたことが一番うれしい点かもしれません。走行後の雑談で、「速い上に強くなったねぇ」とか「あんなクレバーな走りされたら勝てん」とか言われたのもとてもうれしかったです。あとは、そんなに厳しくパイロンを攻めていたつもりは無いのですが、「よくあそこまでパイロン攻めるねぇ」とも言われ、これも関東戦で厳しく戦ってきたおかげかな、なんて思っています。
 そういう訳で、終わってみればこれで神奈川県シリーズは4連勝。最初の二つは納得いかない走りでの勝利でしたが、前回、今回はそれなりに力を出せた上での勝利でしたので、かなり満足です。シリーズ2位の三間選手は、1本目あれだけ良い走りをしていたのに、2本目勝てると思ったプレッシャーから自滅してタイムダウンに終わり5位。シリーズ3位の岡田選手はレンタルマシンに手こずり、なんとノーポイント。そしてシリーズ4位の三浦選手は、慣れないマシンながらも3位に食い込んできました。最終戦のポイントが全て加算される様、これまでの上位6戦分のポイントを自己集計してみると、1位の私は92ポイント、2位には73ポイントで三間選手と三浦選手が並び、4位に62ポイントで岡田選手となりました。ということは、まだチャンプが決まらないということです。残る最終戦で1ポイント取れば決定となる様ですが、念願のチャンピオンゲットは最終戦までもつれこむことになりました。ま、よっぽどのことが無い限りいけるという状況になりましたが、なにせ路面温度がかなり厳しい11月の戦いですから、気を引き締めていきたいと思います。また、普通にゴールすればポイントくらいは取れると思いますが、そんな甘い走りでチャンプゲットというのもなんですから、5連勝するつもりの攻めの走りで最終戦を締めくくりたいと思います。
 いやぁ、それにしても先週はまさかのミスコースでスピマイチャンプを逃し、いやなムードが漂うかもしれない状況だっただけに、今回の会心の勝利は、我がチームを再び勢いづけることになりそうです。
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