1999JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第8戦参戦記

9/12(日)、富士スピードウェイAパドック、ドライ

1999JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第8戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位遠藤康浩 CP9A1'12"911'12"871'12"87
2位相沢清 CP9A1'15"231'16"431'15"23
3位三間康 CP9A1'15"401'17"341'15"40
4位金子博 GC81'16"371'15"471'15"47
5位三浦満 CN9A1'16"041'15"701'15"70
6位豊田正彦 CN9A1'16"231'16"051'16"05
7位岡田和浩 CE9A1'18"071'16"111'16"11
8位市川尚彦 CP9A1'17"181'16"551'16"55
9位宇山公隆 CE9A1'20"031'17"261'17"26
10位浜中一輝 CE9A1'17"481'22"391'17"48

1.まえがき

 今年、テクニカルの修行にとスポットで参戦してきた神奈川県シリーズですが、不思議と好調で、3戦しか参加していないにも関わらず、ポイントリーダーの岡田さんとは8ポイント差の4位につけていることが判明しました。どうやら今年の神奈川シリーズは、1昨年と同様混戦模様で、シリーズ3位までは皆1勝づつ、そしてスポット参戦の私が2勝で4位、同じくスポットで2勝の山口さんが5位と、ポイントがかなり分散している様なんです。というわけで、もともとシリーズで追うつもりはありませんでしたが、これはもしや、という位置にいるということで、悩み抜いた挙げ句、「狙える時には狙っておけ」という友人のアドバイスもあり、富士スピードウェイAパドックでの第8戦に参加することに決めました。しかし、実はこのAパドックっちうのが曲者で、走った事も無い上に、コースを見た事すら無いという会場なのです。いろんな人に路面状況などを聞きますが、Aパドックは常連、というシリーズ上位陣に対し、いきなり走って戦えるタイムを出せるかというと若干不安でしたので、2週間程前に半日だけAパドックでの練習会に参加してきました。練習用タイヤが0〜1分山しかなかったので、広さと路面の感覚が掴めればという程度でのぞみましたが、意外とスライドしても扱い易い印象を受けました。ただ、山が無いせいかもしれませんが、それほどグリップは高く無く、アンダーを出さない様丁寧に走らないといけないな、という印象でした。
 気になる天気ですが、前日までの予報では、静岡県東部は雨とのこと。神奈川県は晴れる様ですが、177で確認しても雨の可能性が高い様です。うーん、ドライの感触は掴んだからいいけど、雨が降ったらもともこも無いなぁと、若干不安気味。天気だけはどうしようも無いので、土曜日は車を磨き、雨が振る可能性を考え、レインXとフォギーXをしっかりと塗って当日を待つことにしました。

2.当日

 朝起きてみると、天気は良い様子。念のため静岡県地方の天気を確認しても、夕立の可能性があるくらいで、今日は晴れる様です。良かった良かった。めずらしく前日は落ち着いた一日を送れたせいで、体調はなかなか良い感じです。かなり気温が上がりそうなので、飲みものをたんまりもって、さらに今回のAパドックは、比較的きれいなトイレまで会場から距離があるため、前回の神奈川戦で頂いた折り畳み自転車を持参することに。これで準備は完璧です。
 会場へ向かう途中かなり気温は上がり始め、ポイントリーダーの岡田さんに追い抜かれたりしながら現地へ。メインゲートには、8:00のゲートオープンを待つ車でいっぱいでした。車が不調だった三浦さんもどうやらオーバーホールが間に合った様です。また、ライバル三間さんもかなりパワーアップしてきた様で、今回は自信満々の様子。Aパドックは得意としている様で、要注意です。また、個人的に宇山さんの走りに注目しており、コース設定によっては厳しい戦いになる可能性があります。
 ゲートがオープンし、受付、車検を済ませ、コース図を見ると、結構なハイスピードになる外周がありますが、後半のスラロームや8の字、540度あたりが勝負を分ける気がします。前半の高速セクションは、いかにアクセルを開けられるかという点に気をつけ、抑えるとこは抑えて、きっちり踏んで行きたいところです。また、後半のテクニカルですが、やはりここが勝負どころでしょう。CE9A勢が得意とするこの様なセクションで、どう戦うかが鍵となりそうです。17歩と厳しい間隔で配置されたスラロームをリズム良く抜け、8の字は距離がありますので、きちんと回しストールさせないで立ち上がることが重要でしょう。そして8の字の出口から連続で入る540度は、入り方をしっかり狙い、きっちり回したいところです。
 路面温度は比較的高めですが、触れないほどではありません。一番グリップが出てコントローラブルな温度かもしれませんね。そんなわけで、セッティングはいつもの通りで、エアは前後とも0.1ずつ上げていきます。
 地区戦に参戦するSWドライバーによる試走タイムは1'15"台と、比較的長めのコースになっています。期待していた馬場さんの試走はなしになった様で、非常に残念ですが、まずはこのSWの試走タイムがターゲットと言ったところでしょうか。
3.第一ヒート
 6500rpm程度からスタートします。そこそこでスタートでき、左一杯に寄りながら2速全開まで加速。ゆるゆるとブレーキングを開始し、2速のまま右ターンを通過。直後全開しますが、ややアウト側のパイロンが気になる程膨らんで通過。左にGがたまったままブレーキングを開始し、1速に落として左サイド。やや立ち上がりでストール気味になります。左側の規制パイロンに寄る様に加速し、2速へ入れ右ターンに進入。緩くブレーキングしながら右パイロンを通過し、やや奥までブレーキングを残して、アクセルオン。外周頂点付近へ向けて全開で立ち上がります。外周頂点付近のパイロンでブレーキングしてきちんと右に曲げ、立ち上がりの右パイロンは離れない様にアクセルオン。3速へ上げ、ギャラリー前へ。数多く並んだパイロン一番奥へ向け、若干下り気味に感じる路面を丁寧にブレーキングしてスルスルッと進入。しかしミューが低いのか下りのせいか、内側のリアタイヤが若干ロック気味になりながら、結構シビアな感じでのブレーキングになります。最近はこんなブレーキングにも慣れてきたのか、なんとか姿勢を乱すことなく通過し、奥の右パイロンをちょっと通過した辺りがRの頂点となる様1速で緩くサイドを当て、緩いラインで立ち上がります。次の右規制パイロン手前で2速に上げ、パイロンぎりぎりを通過して全開加速。続く左パイロンも全開で抜け、3速へ。かなりスピードが乗った状態から奥の外周へ向けブレーキングを開始し2速に落としますが、予定よりやや減速ポイントが早過ぎ、一旦2速でアクセルを入れてから再び頂点付近の左パイロンでブレーキングして車を曲げます。姿勢が出来たら、全開で比較的コンパクトなラインを通って3速に上げギャラリー前へ。それほどアウトには車を振らず、やはり下り気味の路面を丁寧にブレーキングして1速まで落とし、緩くサイドを当てます。緩いラインで立ち上がり、2速、3速と加速。3速から奥で左に切り込む様なスラロームへの進入ですが、3速全開からゆるゆるとブレーキングし、Gを溜めたままスラローム入口まで車を寄せ、1速に落として充分減速してから左サイドを当てます。それほどテールを流し過ぎることもなくスラロームに進入し、それでもちょっときつくなった一つ目の右ターン、左、右、とブレーキとアクセルをきちんと入れ、最後の左パイロンは無視して立ち上がりそのまま2速へ。2速全開からブレーキングしながら8の字進入へ車を寄せ、1速に落として左サイド。距離のある8の字なので、そう意識せず比較的楽なラインで右ターンし、立ち上がって8の字出口で左サイド。この左サイドは若干タイミングをミスし、一瞬最後の540度がきついかと思いましたが、この間もそこそこ距離があったため、立ち上がりながら540度へのラインを修正して540度へ進入。右サイドを当て540度を旋回し始めますが、グリップ感はあまりなく、アクセルを徐々に戻しながら姿勢をコントロールして全開でゴール。タイムは、1`12"9でした。

4.第二ヒートの対策

 細かいミスはちょこちょこありましたが、全体的にまとまって走れた様な気がします。タイムは随分良く、2位を2.5秒近く離しての暫定トップの様です。A4が皆揃って走りきれていないのかと言うとそうでも無い様で、試走のSWを始め、どのクラスもトップは1`15"台と、自分のタイムだけが突出している感じでした。ここで私が勝ってしまったら、シリーズの様相が随分と変わってしまうことから、皆困惑気味でしたが、ほとんどぶっちぎりのタイムに、ライバル三間さんも3位につけているにもかかわらずあきらめ気味で、「2.5秒は詰められる自信が無いから2位狙いで行く」と、弱気の発言も。
 なんでそんなにタイム差がついたんだろうと、中間タイムなどと合わせて比較してみると、前半の高速セクションはほぼ私を同じタイムで走っていたらしい豊田さんを始め、上位5〜6台は1秒程度の差で走っていたらしいのです。ということは、やっぱり予想した通り、後半のスラロームと8の字、540度で差が付いていると言えるでしょう。となると、後半セクションはCE9A勢に巻き返される可能性が高いので、今タイム差が大きいからと言って、油断はできません。このところ神奈川県戦は2連勝ですが、気合が足らないのか、ともに2本目タイムダウンに終わっており、監督からは厳しく注意を受けているのです。ですので、今回はきっちりとタイムアップして、なんとか勝利をもぎ取りたいところです。
 対策としては、まず1コーナーがちょいきつめだったので、軽くテールを出すくらい曲げてみようと思います。そして右から左へ抜ける外周でアクセルの踏みなおしがあったのは改善しようかと。さらに、スラロームに入ってから一つ目のパイロンはブレーキ無で通過できるはずなので、きちんとラインをとること。最後の8の字&540度はややもたつくところもあったので、もう少しきっちり攻めたいと思います。監督からもタイムアップする様にと厳しくチェックされ、気合を入れて第二ヒートにのぞみます。
 気温は上がり気味で、路面温度も素手で触るのがつらくなるほどまでに上がってきました。しかしセッティングに変更は無しです。
5.第二ヒート
 同じく6500rpm程度からスタート。左一杯に寄りながら2速全開まで加速。テールを少し出す様にゆるくブレーキングを開始し狙い通りテールがスライドしますが、やや流し過ぎ若干カウンターを当ててアクセルオン。やっぱ流さなければ良かったと思いながら左180度へ。ストールに気をつけながら立ち上がり、2速へ。左側の規制パイロンに寄って右ターンに進入。緩くブレーキングしながら右パイロンの奥を頂点にしっかりと曲げ、立ち上がりラインを気にしながらアクセルオン。全開で奥の外周へ進入し、頂点付近を狙ってブレーキングして、若干向きが変わってからアクセルオン。3速へ上げギャラリー前へ進入します。右に並んだパイロンにはかなり寄りながら一番奥の手前パイロン付近からゆるゆるとブレーキングして1速まで落とし、奥の右パイロンのちょい奥を狙って緩くサイドをあてます。立ち上がりも後のS字が楽になる様、緩くテールスライドさせて2速へ。全開でS字を抜け、Gの切り返しと同時に3速へ上げ外周へ。3速から外周に進入し、頂点付近までワンブレーキで持っていくつもりで進入でブレーキングを開始しましたが、Gがかなり外側にかかっていたため、うまく入り込むことが出来ず、シフトダウンもできぬまま3速で一度アクセルを開け、外周頂点付近で再びブレーキング&2速シフトダウン。大きなロスです。そして、パイロンに寄りながらイン気味のラインで立ち上がり、3速でギャラリー前へ。中央付近から進入し、丁寧に1速まで落とし緩くサイド。緩いラインで軽いテールスライドを維持しながら立ち上がり、2速、3速とシフトアップ。3速から奥のスラロームへの進入ですが、入口パイロン付近から緩くブレーキングを開始し姿勢をコントロールしながらスラローム入口へ寄り、2、1、と落として、しっかり減速して左サイド。丁寧にスラロームに入り、予定通り一つ目の右ターンはノーブレーキで通過し、左、右と、ブレーキを入れて最後の左パイロンは無視して全開加速。2速に上げながら車を8の字進入に向け全開で8の字へ。1速に落とし左サイドを丁寧に当てて8の字に進入。若干テールが食うのかターンがやりづらい感じがあったため、ストールと旋回速度に気をつけ次の右ターンをクリア。そして8の字出口で左サイド。ややサイドの効きが甘い感じもしましたが、なんとかクリアし最後の540度へ。若干進入スピードが速く、若干ターンにもたつきながらも無難に旋回し全開でゴール。タイムは、1`12"8でした。
6.最後に
 監督には、1/100秒でもいいからとにかくタイムアップする様に、と指示が出ていましたが、ほんとにコンマ差でなんとかタイムアップすることができました。第一コーナーや外周の走り方などを詰めれば、あと0.5秒は確実にいけたはずですので、少し残念でしたが、ほとんどのドライバーがタイムダウンする中、きちんとタイムアップできたのは良かったと思います。第二ヒートは路面温度も上がっていたので、若干リアがグリップ気味になっていたのでしょうか。おかげで、2位を2.5秒程離してのぶっちぎり優勝となりました。他クラスや試走タイムを見ても、14秒後半から15秒台の争いになっていることから、かなりうまく走れたのかな、と思っています。また、中間タイム計時から、前半の高速セクションよりも後半のテクニカルでタイムを稼いでいることが分かり、とても自信になりました。
 これで神奈川戦は3連勝。おまけにポイントリーダーの岡田さんがどうも車が不調らしく、崩れたため、なんと私がポイントリーダーになってしまった様です。2位には確実に連続お立ち台をゲットしてきた三間さんが1ポイント差で入っている様子。そして、岡田さん、三浦さんと、このあたりまでが未だ10ポイント差くらいでひしめきあっている様です。経験の無いAパドックでの今回のイベントは、なんとか無難に3位以内くらいを狙い、勝負は終盤二つの浅間台ラウンドで、と思っていましたが、思わぬ展開になってしまった様です。考えてみれば、ポイントリーダーというのは、これが初めての経験で、無性にうれしくなってしまいました。あと残すは二つ、浅間台ラウンドのみとなりました。比較的好きで、最近自信もついてきたコースだけに、なんとか頑張りたいところです。不安があるとすれば、10月後半から11月後半に実施されるイベントだけに、路面温度が低くなった時にどれだけ今のタイヤで戦えるか、そして雨が降った時にきちんと戦えるか、といったところでしょう。ま、スポットで参戦したにも関わらず、それも得意とは言えない相模湖とAパドックだけでここまでこれたのが不思議なくらいですから、細かいことは考えずに、ラストゼッケンを堪能させていただくことにしましょう。
99参戦記のメニューへ戻る

スペシャリストを夢見てのメニューへ戻る