1999スピードマインドジムカーナ関東シリーズ第7戦参戦記

10/17(日)、東京ベイサイドスポーツクラブ、ドライ

1999スピードマインドジムカーナ関東シリーズ第7戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位小野田了 CP9A1'12"4961'10"3831'10"383
2位平野智治 GC81'12"7961'12"1351'12"135
3位遠藤康浩 CP9A1'12"212M.C.1'12"212
4位福田裕二 GC81'22"8061'14"4421'14"442
5位池田成彦 CP9A1'15"3791'14"5041'14"504
6位伊田和夫 CP9A1'15"9101'14"7111'14"711
7位池澤博之 GC81'17"2711'15"8201'15"820
8位中野秀俊 GC81'28"914(P1)1'16"1971'16"197
9位関敏昭 CE9A1'16"8701'16"5771'16"577
10位西村成生 GC81'18"9051'19"2641'18"905

1.まえがき

 さて、今シーズン、スポット参戦を予定していたスピードマインドジムカーナシリーズでしたが、天候によりイコールで戦えなかった第1戦から予定が狂い、悔しさから第2戦以降も参戦を続けましたが、毎回なんらかのトラブルを抱えて思うような成績が残せず、あれよあれよという間にフルエントリーとなってしまいました。そんな中で、路面温度の上昇とともに調子も上向きとなり、夏場の浅間台ラウンドは風邪をひきながらもなんとか優勝できました。続くICCでも寝不足の中勝利を収め、ぎりちょんでポイントリーダーに立ち最終戦を迎えました。
 1999年スピードマインドジムカーナ関東シリーズ最終戦は、東京ベイサイドスポーツクラブでの開催です。この日、どうしても参加したいミーティングがあったのですが、シリーズを争うには最終戦への参戦が義務付けられているため、エボ6では走ったこともないベイサイドへ行くことを決めたのです。
 JMRC関東シリーズが終わってから腑抜けの様になってしまった気持ちを奮い立たせるため、前日はバリ伝を読んで戦闘的な気分を思い出します。また、現在の時点でシリーズ3位以内が確定しており、雑誌掲載のための写真撮影にそなえ、車をぴかぴかにみがいておきました。シリーズ順位は、1年以上走っておらず、なおかつエボ6では初の走行というベイサイドの路面を一発勝負でどれだけ掴めるかにかかっているでしょう。バリ伝がなかなか終わらず、ちと夜更かしをして布団に入ります。

2.当日

 さて当日。少し眠い目をこすりながら空を見上げますが、若干雲が多い様子。でも、予報ではなんとか持ちそうとのこと。準備をして出発です。久しぶりのベイサイドでしたが、2年くらい前に何度か来た時いつも寄っていたコンビニで食料を買い込み、会場入りです。うわさには聞いていましたが、来年は公式イベントで使用できなくなるというこの会場、ずいぶんと工事が入っている様で、パドックへもすんなりいけない状態に変わっていました。それほど走り込んだ会場ではないのですが、ジムカーナ2年目にオープンした会場ですから、印象も強く、少しさみしい気がしますね。公式イベントとしては、今日と来月の東京シリーズ最終戦を残すのみとのことで、私にとっては最後の走行になりそうです。よい結果で終わりたいものです。
 さて、準備を終え、コース図に目を通すと、意外と長めの設定になっている様です。それほどいらやしいと思える区間はありませんが、なにより、この路面でエボ6がどのような動きをするかわからないことが一番の問題です。ま、深い事は考えず、比較的最短気味のラインをねらって走る事にします。しかしエボ6にとってはもっと深刻な問題があることがわかりました。どうやらこの会場特有の段差で、かなり下回りを打つ可能性が高い様なんです。試走予定の島村@CRXさんがコース設定中に何度もガリゴリやっており、コースオープン前にパイロン通過が一部変更になったほどでした。それでもかなりやばい部分が残っており、どのくらいでどうなるのかがわからない私は、次週大事なイベントを控えているということで、そういった部分はできるだけ減速して超最短距離で通過する事に決めました。最短距離を狙えば、多少減速してもロスは少ないでしょう。
 そんなわけで、前半のテクニカルはできるだけパイロンを離さない様に狙い、後半の高速セクションは山口さんに教わったラインを狙うことにします。段差部分は消極的と言われ様が、車を壊したくないので、1本目は押さえていくことにします。セッティングはわかりませんので、いつもの浅間台セッティングでいきます。
3.第一ヒート
とにかく路面状況と車の動きが全く予期できませんので、路面の感触に集中する様スタートします。下りながら6000rpm程度でスタート。下り切ったあたりで2速に上げアウトに膨らみながら右へ旋回して立ち上がります。2速から3速に上げ、さぐる様に右ターンに進入。意外とグリップする印象を持ちながら、1速まで落として頂点付近でサイドを当て、パイロン脇をアクセルオンで抜け、2速へ。ギャラリー前の左180度に進入し、ブレーキングしながら1速に落としてサイド。しかし、見た目と違い、グリップが悪く、パイロンをかなり離してのターンとなってしまいます。若干アウトに膨らみながら立ち上がり、2速に入れてシケイン気味の規制パイロン間を全開で抜け、軽いアクセルオフで向きを変え、3速へ。右奥の左ターン進入でブレーキングし、1速まで落として、少し我慢して奥でサイド、と思ったら、我慢できずに進入でサイドを当ててしまいます。テールスライドをコントロールしながら次の左パイロンもきっちりついて曲げますが、下り路面のせいか若干ストール気味で次の右ターンへ立ち上がります。早めにサイドを当て、右ターンを抜け、下りながら外周へ。上りながら2速に上げ、頂点付近で向きを変えますが、若干アンダーが出てしまいます。構わず全開し、一瞬3速に入れ、4輪とも不安定になりながらブレーキングを開始。1速までなんとか落し、パイロンに付いて左サイドを当てます。そこからはトラクションのかかりを気にしながら最短気味のラインを狙って立ち上がり、2速で右ターンへ進入。きっちりインについて1速でサイドを当ててコンパクトに立ち上がります。ここからは直線的なラインに乗せ、2速で規制パイロン間を通過。右パイロンを通過後軽くアクセルオフで車を曲げ、3速で右パイロンへ向かいます。若干インに寄りすぎてしまい、1速までシフトダウンして、緩くサイドを当てることに。しかし、この部分は予想以上にグリップせず、テールを流しすぎてしまい、フルカウンターでこらえます。2速全開まで加速し、奥の右パイロンではまたまた1速に落としてサイド。ここはトラクションを気にしながら、丁寧に立ち上がります。2速に上げ、全開付近から気になる段差部分の左ターンへ進入。路面との接触を避けるため、思い切り減速し、段差部分でフロントを浮かせるため一瞬アクセルを開け、再びブレーキングしてパイロンに進入。おかげでガリッとならなかったのは僕の車だけだった様ですが、この軟弱者ぉぉ、とアナウンスされていた様です。荷重移動も無くインベタで進入したので、軽くサイドを当ててターンし、全開加速。3速までシフトアップします。ギャラリー前を通過し、緩い左の進入で2速に落とし、外周へ。ここからアウトへはらむ予定が、ついイン気味に寄ってしまい、外周左ターンがきつくなり、予定外の遅れたポイントでブレーキングして左ターンをクリアします。速度の乗りが悪く少ししてから3速に入れ、左奥の左ターンへ進入。路面のグリップを確かめる様に進入しますが、それでもタイヤは4輪とも暴れそうになり、なんとかこらえてパイロンを離さず1速で左サイド。立ち上がって2速に入れ、下り路面でブレーキングしながら1速に落とし、緩くサイドを当てて、直線的にパイロン間を通過し、1速リミッターを当てたままゴール。タイムは1'12"2でした。

4.第二ヒートの対策

 久しぶりの路面で戸惑いもありましたが、とりあえずトップタイムをキープした模様です。が、2位につけている小野田さんには中間で1.5秒、AE4クラスの山口さんには中間で2秒以上も差をつけていたにもかかわらず、ゴールタイムは0.2秒程度しか差がありません。前半良く走ったというよりも、後半のだらしなさが目立つ感じです。やはり、段差を気にし過ぎて抑え過ぎたところと、外周のラインミスが効いているのだろうと、簡単に区間タイムを測ってみると、なんと、段差部分の抑え過ぎで、1秒ロスしていることが判明。きちんと走っていれば楽に10秒後半から11秒台が出ていたと思われます。後半区間の段差や外周に関する走り方は走行経験の少なさによる、選択ミスとも言えますので、第二ヒートは東京戦で上位を争う山口さん、小野田さん、平野さんの走りを参考に、10秒台を狙いたいと思います。
 前半は、細かいパイロン区間でしたので、路面の状況を考えながらまずまず走れた気がします。だいぶ路面の感触も掴めたので、前半はもう少し詰められるでしょう。後半の段差部分は2速で立ち上がりながら通過する様にし、外周もきちんと踏めるラインを狙っていくことに。きっちり走れば9秒台というコースでしょうが、いきなりでそこまでは出ないでしょうから、10秒台中盤あたりが狙い目かと思われます。
 さて、このイベントが最終戦ということで、シリーズ順位が気になるところですが、現在の順位ですと私のチャンピオンが決定します。が、コース攻略の余地から考えて、現在の順位なんてあって無い様なものでしょう。となると、やはりラスト3人の争いになるわけですが、ラスト2の平野さんと私はどちらも優勝すればチャンプ決定。小野田さんは優勝して私が3位以下だったらチャンプ決定。すなわち、小野田さんがトップに立った場合は私は2位でも良いことになります。ちうことは、平野さんにさえ勝てば私のチャンプが決まるってことです。この日はコースレイアウトのせいか、台数が少ないせいか、1台1台出走していますので、二人の走行タイムを聞いた後にスタートできることになります。さてこれが凶と出るか吉と出るか、残すはラスト1本です。
 チャンプがかかっているのですが、意外と気負いは無く、集中できそうです。というより、どちらかと言えばチャンピオンが欲しいというよりも、今年一度も勝っていない小野田さんに勝ちたいというのが本音だったりします。従って、一番気になるのは小野田さんのタイムだったりして。
 路面温度は若干下がっている感じで、路面にも砂が浮いてきている様子ですが、そう大きな違いでは無いでしょう。セッティングに変更は無く、最後のトライです。
5.第二ヒート
平野さんの前に小野田さんが10秒3という好タイムを出し、こりゃちときついかなぁという気分になります。そしてスタート直前に平野さんが12秒1で私のタイムを抜き、私は3位に。チャンプ決定には11秒台で良いのですから、楽勝だ、と一瞬思いましたが、どうしても小野田さんに勝ちたくて、目一杯攻めることを決意。やや気負いながらスタートします。同じく6000rpm程度でスタートし、下りきったあたりで2速にあげ、アウトに膨らみながら右へ立ち上がります。一瞬3速まで入れ、すぐに右ターンに進入。しかし、ちょっと気負ったのか進入速度が速く、かなり無理な姿勢から1速まで落としてサイドを当てます。若干ラフにテールを流してしまい、なんとかコントロールして右パイロンを通過。立ち上がりでもたつき、焦ったため、2速には入れられず1速でリミッターを当てたまま左180度に進入。ここは丁寧にきっちり落し、パイロンを離さずサイドでやや膨らみながら立ち上がります。2速に上げ、シケイン気味の規制パイロン間あたりで軽くブレーキングを入れて向きを変え、3速まで上げて右奥の左ターンへ。ここも進入スピードが速くやや無理して1速に落としてサイド。姿勢作りが甘かったせいか、車の動きがパイロンに合わず、次の左パイロンではアクセルを抜いてターンし、テールが早めに食ってしまい、ストールして立ち上がります。すぐ次の右では早めにサイドを当て、何とかクリア。若干ぎくしゃくしながら、立ち上がり、下りながら外周へ。上り路面で2速に上げ、頂点付近で向きを変えますが、ここもオーバースピードでアンダーを出してしまいます。構わず全開し、3速に入れ、すぐにブレーキングを開始。1速まで落として左パイロンでサイドを当てますが、ついラフにサイドを引いてしまい、テールが流れ過ぎてカウンターを当てる羽目に。それでもアクセルは離さず立ち上がり、2速へ。下りながらの右ターンに進入し、インをついて1速でサイドを当てて右ターンを通過。直線的なライン取りで2速に上げ、規制パイロン間を通過。右パイロン通過後、3速に上げ、次の右パイロンにラインを作って進入。丁寧にブレーキングしながら2速に落とし、パイロンを離さない様にクリアします。全開で次の右パイロンへ向かい、またまた丁寧にブレーキングして、1速で緩くサイド。緩く立ち上がり、2速、3速とシフトアップ。問題の段差のあるターンには、今度は緩く進入し、アクセルオンで段差を通過するラインを狙います。ややアウト目から入り、2速に落として、アクセルオンで若干フロントスポイラーを擦りながらパイロンを通過。全開で3速に上げ外周へ向かいます。やっぱりきちんとライン作って抜けると速度が乗るなぁ、なんて考えて、ギャラリー前を通過。外周へ向かうラインもきちんとスピードマインドの旗を狙える様考えて早めに2速に落として向きを変え、全開で段差を抜けてスピードマインドの旗方向へ、と思ったら、その脇にいるオフィシャルが黒旗を振っています。「え、まさか」、と思った直後、「あの段差の後か」となぜかすぐにと思い浮かび、「スピードが乗っていたのはパイロン一個クリアし忘れたからだ」、と気がつきました。「最悪ぅ」と思いながらゆっくりとゴールラインへ向かうと、島村さんが絶叫してポイント計算している声が。そう、このままではこの日3位、そしてシリーズ順位は1ポイント小野田さんに届かずシリーズ2位となってしまうのでした。やっちまったなぁ、と思いながらパドックへ戻りました。
6.最後に
 なんともあっけない幕切れになってしまいました。まさかミスコースするとは夢にも思いませんでした。あの段差部分は完全に第一ヒートとラインを変えたわけですが、だったらもっと集中してラインを頭にたたき込んでおくべきでしたね。特に意識せず攻めてしまったのが運の尽きというやつでしょう。車を壊したくないという思いと、慣れないコースだからといって、第一ヒートの後半部分のライン判断を誤ったのが全ての敗因でしょう。やはり一度くらいはベイサイドを走っておくべきでした。少し反省です。第一ヒートであと0.2秒速く走っていればチャンプだった訳ですから。楽勝で詰まるタイムですよね。そこが抜けちゃうのが私のキャラクターなのか(T_T)。
 ですが、守りにはいってタイムで負けた訳ではなく、ちょっと力みながらも中間まではきっちり小野田さんについていっており、「あのまま走ってれば遠藤くん勝ってたよ」なんてこともとある方には言われたりして、意外とすっきりしていたのでした。ま、自分としてはあのままゴールして小野田さんに勝てたという自信は無いのですが、いきなり走っても同等の走りができたことは、とても自信になりました。少なくとも、路面状況を感じながらそこそこのタイムが出せる程度に車を扱える様になったんだなぁと。おまけに、路面温度が低くなって、またアドバンじゃつらいでしょという声も聞かれる中で、それなりに走れたのも、すごく自信になっています。
 ただ、反省すべき点があったのは事実です。本来は貪欲にチャンプを狙うべきだったでしょうし、集中して結果を出すスタイルから今回は外れてしまった気がします。久しぶりに、「あのタイムを抜く」というスタンスでスタートしてしまいました。恐らく、若干ながらいつものリズムと違っていたのでしょう。結果、それがミスコースにつながったと言えます。最近比較的好調で、調子こいていたのかもしれませんね。これは取りたいと思っている神奈川県シリーズを前に、良い教訓になりました。
 というわけで、99年度のスピマイチャンプは小野田さんに決定しました。おめでとうございます。フル参戦せずに、3勝を上げてのチャンプですから誰も文句は言えませんね。そして平野さん、全戦3位以内というのはすごすぎです。抜群の安定感でしたが、もう少し勝っておきたかったところですね。三つ巴の戦い、とても楽しかったです。結局チャンプは取れませんでしたが、これでスピマイシリーズは卒業しようと思います。どうもありがとうございました。
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