1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第10戦参戦記

9/19(日)、関越スポーツランド、ドライ

1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第10戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位掛札雄一 GC80'59"2750'59"4710'59"275
2位中冨智夫 CE9A0'59"8871'00"7560'59"887
3位川辺晋吾 CP9A1'00"8771'00"0271'00"027
4位遠藤康浩 CP9A1'00"6921'00"0811'00"081
5位大槻隆夫 CP9A1'00"1371'00"7061'00"137
6位西野弘高 CP9A1'00"3331'00"2771'00"277
7位坂井真 CP9A1'00"9851'01"1151'00"985
8位船橋悟 GC81'01"3111'01"1101'01"110
9位上原利公 CP9A1'01"1231'01"5461'01"123
10位相沢清 CP9A1'05"901(P1)1'01"5011'01"501

1.まえがき

ついに、1999JMRC関東ジムカーナシリーズも最終戦を迎えることになりました。まだ9月だと言うのに最終戦というのも随分早い気がしますね。さて、今シーズンメインで追ってきたこのシリーズ。年初に立てた目標は、ほぼ達成不可能と読んでいたシリーズ6位以内&一度でもお立ち台ゲット、というものでした。広くなったA車両改造規定に対し、金銭面の問題から、現在の最終仕様に至ったのはシーズンも中盤が過ぎた頃であったり、大径化するタイヤ競争には完全に乗り遅れてしまったり、中盤まで天候や出走順に恵まれなかったりと、腕のせいだか条件のせいだか理由も定かにならず、散々な結果のまま今シーズンを終えるのかという気持ちで終盤戦を迎えましたが、ドライ勝負となった第8戦、第9戦はいきなり3位、4位と連続入賞を果たすことができたのでした。これにより、目標の一つ、お立ち台ゲットを突然達成することができ、今シーズンが終わったかの様な達成感を得ることができました。不思議なことに、その後の第9戦でも入賞したことから、なんとシリーズ6位も不可能ではないという位置についてしまった様なのです。しかしながら、6位の船橋さんまでは10ポイント差。その間に6ポイント差で中冨さん、4ポイント差で上原さんが位置しており、私がシリーズ6位に入るには、最終戦で3位以内をゲットし、上位3人が揃ってこけた場合のみ、とかなり厳しい条件となっている様です。私と3人の実力、そして会場はそれほど自信があるとは言えない関越であること、そろそろ路面温度も下がり始める時期であること、などを考えると、可能性は数%あるかないかといったところでしょう。それでも、0では無いだけでもうれしいところで、ここまできたらとにかく最終戦は攻めるだけ攻めて、奇跡の逆転シードを賭けてお立ち台ゲットを狙ってやろうと思います。
 というわけで、久しぶりに前日練習会に参加することにしました。現在の仕様になってから関越はまともに走っていないものですから。久しぶりの関越でしたが割と良い感じで走れた気がします。しかし、ポイントリーダーの晋ちゃんは、大人げない17インチタイヤを今回から投入。どんなに気合を入れて走っても1秒以内のタイムを出せる気がしないまま練習会を終了したのでした。
 これで今年の関東シリーズも最終戦ということで、同じホテルの宿泊しているドライバーで集まって思いを語りながら、ビールを片手に明日の健闘を誓ったのでした。

2.当日

 昨晩いい調子で飲んでしまったせいか若干眠気と酒が残っている気がしますが、夜中は爆睡できたせいでそれほど体調は悪くありません。ほぼ予定通りロビーに集合し会場入りします。
 さすが関東戦、A4クラスも30台以上が参加と大賑わいです。指示通りゼッケン順に車を並べますが、自分が随分と後ろのゼッケンであることに気づきました。関東戦と言えば、前半ゼッケンで走る事が当然、というイメージで参加していたのですが、この日は後ろに6〜7台しかいない様です。非常に些細なことかもしれませんが、こんなことにいちいち監督と感動しながら準備を進めます。
 コースオープン直前にコース図が配布されましたが、全体的に前日練習会のイメージに近い感じで、昨日の感触から意外といけそうな感触ありです。それでもいやらしく感じるセクションがいくつかあり、そこいらをどうするかが課題でしょう。一つは、大きく四角く巻いた後の2本パイロンから外周へのつなぎ、二つ目はギャラリー前の3本パイロンからスラローム、そしてそこからの立ち上がり、さらに最後の3本パイロンへの進入の仕方など、若干攻め方に悩みますが、とにかくきっちり踏めるラインを狙うことにします。
 昨日の感触から、かなり攻めて走らないと上位に絡む事はできそうにないので、まずは目一杯攻めていきたいところです。
 さて天候ですが、曇がちで気温はそれほど上がってきません。当然路面温度も低めで若干冷たい感じがする程です。アドバン勢にはやや厳しい気もしますが、午後は気温も上がってくるという情報もありますので、午後に繋げる走りをしたいところです。セッティングについては、実は前日から随分と考えていたのですが、ここ関越だけは最近標準としているセッティングよりリアのショックを1段上げて走る事にしました。前日、ひたすら2種類のセッティングを試したところそれほど違いを感じ取れた訳では無いのですが、ビデオで見た車の動きの良さとタイム比較の結果、若干この方が良いという結論に達したからです。そしてエアは前後とも0.1ずつ上げてトライです。
 そんなこんなで、会う人会う人に、今日の目標はお立ち台ゲットと宣言し、「気合入ってるなぁ」と言われながら第一ヒートへ向かいます。ただ、第一ヒートを先に走ったドライバーから路面が食わないという話を多く聞いたため、若干さぐりながら走る必要がありそうです。
3.第一ヒート
 スタートラインの右端に寄って6250rpm程度でスタートします。まずまずで立ち上がり、2速に上げ、パイロン脇をかすめる様に通過し、3速で奥の右ターンへ。比較的直線的に入り、かなり丁寧にブレーキングして1速右サイドを緩く当ててクリア。やはり昨日の路面より食わない感じがあり、全開で立ち上がりながら2速へ。右の規制パイロンも全開で通過し、次の右パイロン付近でブレーキングして向きを変えます。しかしここもグリップが低いのか、鼻が入らず長めにブレーキングしてからアクセルオン。再び次の右パイロン手前くらいでブレーキングを若干長めに入れ向きを変えアクセルオン。すぐに来る右パイロンではかなり減速して2速のまま抜けアクセル全開。迫ってくる左ターンは若干寄り気味になりながら進入し1速に落としてサイド。ここはややGの返しが急になり、テールを振り過ぎ、カウンターを当ててRを若干大きめにとる様なラインに車を乗せます。すぐに2速に上げアクセルを開けますが、立ち上がりの左パイロンがかなりきつく、ブレーキングして車を曲げ、再び全開。2速全開から左ターンのパイロン手前で向きを変えますが、若干ブレーキ開始のタイミングが早く、だらっとブレーキを残して立ち上がりラインが見えて全開。車が暴れながら3本パイロンへ向かいます。3本パイロンの入りの右ターンは丁寧に減速し、1速で右サイド。すぐアクセルを開け、頂点の右パイロンで再び右サイド。下り路面を考慮しきれなかったせいか若干ストールしながらアクセルオン。左のパイロンを避け、できるだけ左に車を動かし、2速に上げたところでスラローム入口の姿勢をアクセルオフで整えスラロームに進入。きちんとスラロームに入れたおかげで完全に直線状態で抜け奥の右パイロンへ。ここはサイドを当てるつもりだったので、そのまま直線的にパイロンに寄り気味に入ってしまいましたが、やはりそれでは若干進入がきつく、かなり減速してのサイドとなってしまいました。とにかく全開し、2速に上げて右パイロンを全開で通過。さらに3速に上げ、規制のある右パイロン手前で軽いブレーキングとともに2速にシフトダウンし向きを変えます。2速で加速し、直線的に3本パイロン頂点に進入。下り路面を気をつけて丁寧にブレーキを、と思ったら、オーバースピードでの進入となってしまいました。仕方なくそのままサイドを当てますが、やはりGが残り、立ち上がりでかなりもたつきます。そして、次の左パイロン手前でサイドを当て、振り返し気味を狙ってスラロームをしっかりアクセルオン、オフして通過。左90度も丁寧にサイドを当て、こいつも振り返し気味を狙ってアクセルをきっちり開け、全開でゴール。タイムは1'00"69でした。

4第二ヒートの対策

 なんとなく、可も無く不可も無く、って感じで走りきってしまった気がします。順位は5位と、自分の実力からすればかなり好位置につけていると断言できますが、この日は本気でお立ち台を狙っていたので、なんだか納得いきません。トップは掛札さんで、1.5秒も差があります。また、ハーフスピンしながら私とほぼ同タイムをだしてきている晋ちゃんは、おそらく実質2秒くらい負けているでしょう。
 監督からも、「うまく走ってる様に見えたけど、まだタイム詰められる気がする」と、根拠は無いらしいが、漠然とそう感じる走りだったそうな。自分でも、昨日の練習で好タイムを出した時とは、ちょっと違う走りだったと感じており、路面温度が若干低いせいかグリップ感が薄く、ブレーキングが長くなっているのが一つの原因かもしれません。また、アクセルの踏み方が、若干おとなしい感じがあり、上位の16、17インチ勢と真っ向勝負するには、もっと壊れるくらい踏んで、ガコガコ言うくらいブレーキして(一部のものに意味明瞭)、走らないといけないのでしょう。
 ところで逆転シードへの可能性ですが、第二ヒートの他クラスのタイムアップ状況から考えるとかなり厳しいことがわかりました。というのも、現在シリーズ7位につけている中冨さんが現在2番手タイムを出しているためです。中冨さんには6ポイントほど離されており、逆転するにはその差をひっくり返す必要があるのです。ということは、例え中冨さんより良いタイムが出せたとしても、二人の間に少なくとも4〜5人が入らなくてはならず、路面温度が上がってタイムが伸び悩んでいる他クラスの状況から、俄然中冨さん有利という展開になっているのです。しかしそんな細かいことは気にせず、第二ヒートは今年最後のJMRC戦での走行ですから、もういっちゃってるくらい攻め、当初の目標通りお立ち台ゲットを狙うことに決めました。
 基本的に攻め方は変えませんが、軽いブレーキングで曲げる前半の2速セクションのブレーキング時間を極力短くして向きを変え、アクセルオンの時間をとにかく長くとることにします。また、当初から悩みどころだった右から左へ回る外周部分はどうやら速いドライバーはアクセルオフのみで抜けている様子。こうなったら、ちと怖いですが、ここは根性のノーブレーキでいってみることにします。さらに最終の3本パイロンセクションへの入りのターンでもたつきがあったので、きっちり減速し、ロス無く通過したいところです。
 セッティングは変更せず気合を入れます。午後からは時折強い日が差す様になり、路面温度も大分上がってきました。そのせいか全体的にタイムは伸び悩んでいる様子。しかし、第一ヒートグリップしない印象があった私にとっては、もっと路面温度が上がって欲しいところです。出走直前に坂井さんと、「最後だから気合いれて、少しでも後半ゼッケンのドライバーを食ってやりましょう」という話をすると、「いや、そうやって遠藤くんが狙われている立場なんだよ」と言われて、びっくりしてしまいました。もちろんお世辞で言ってくれているわけですが、たしかにシングルで走っているということはそういう立場なのかもしれませんね。意識せぬままこんな位置で走れる様になってしまったので思いもしませんでしたが、ちょっぴりうれしかったりしたのでした。
5.第二ヒート
 さて、今年の関東戦最後の出走へ向けスタートラインの右端につきます。端が振られ6500rpm程度でスタート。2速に上げ、パイロン脇ぎりぎりを通過し、3速で奥の右ターンへ。比較的直線的に入り、少し気合を入れてブレーキング。結構ぎりぎりと言った印象で速度を殺して1速に落とし右サイドを当てます。全開で立ち上がり2速へ。右の規制パイロンもきっちり寄るラインで全開で通過。やはり、だいぶグリップ感がある様です。2速リミッター付近から右パイロン横くらいで軽い一瞬のブレーキングとともに軽く舵を当てて、すぐに全開。やや外にはらみますが、途中のうねりに乗ってテールがスライドし、そのまま車はインを向きます。おかげで次の右パイロンへのラインが若干きつくなり、軽いブレーキングとともにステアリングでラインを戻す羽目になりましたが、すぐに全開して、連続で来る右パイロンで再びブレーキング。ここも若干短いブレーキングで曲げ、アクセルオン。ちょっとオーバースピードになってしまいアウトにはらみますが、とにかくアクセルだけは離さず、次の左パイロンにかなり鋭角なラインで進入します。姿勢を崩さぬ様丁寧にブレーキングして、1速左サイドを当ててクリア。躊躇せず比較的コンパクトなラインで立ち上がり、そのまま2速へ。立ち上がりの左パイロンはやはり規制がかなりきつく感じますが、根性で一瞬アクセルオフだけして全開加速。アウト一杯まで膨らみながら立ち上がり、速度が乗っているせいか3速へシフトアップ。次の左ターンの手前付近でブレーキングとともに2速に落とし向きを変え、3本パイロン進入方向へ立ち上がります。右にGが残ったままブレーキングし、1速に落として、軽くサイドを当てて3本パイロンに進入。すぐアクセルを開け、頂点の右パイロンでも右サイドを当ててクリアします。しかしこの立ち上がりでストール気味になり、体を揺さぶる様な気持ちでアクセル全開。左パイロン通過後2速に上げますが、若干予定より切り込む量が少なく、次の右がだいぶきつくなってしまいます。が、ここもアクセルオフだけで曲げ、全開でスラロームを通過。Gが左右を行き来する感がありますが構わず全開で通過し、出口の右ターンでは、若干車をアウトから進入させ、やはり同様に1速に落としてサイドを当て全開で立ち上がります。ここからは目一杯イン気味のラインを狙って2速に上げ、全開で通過し3速へ。右へ切り込むパイロン手前で2速に落とし、すぐ全開して3本パイロンへ進入。Gを残さない様に丁寧に速度を殺し、1速で左サイド。まずまずコンパクトに立ち上がれ、続く左パイロンもやや手前でサイドを当ててクリア。若干当てたカウンターを利用してそのままGを切り返して右パイロンを通過し、左90度でサイド。ここもGの振り返しを狙って、全開でゴール。タイムは1'00"08でした。
6.最後に
 ゴールした瞬間は3位とのアナウンス。ということは中冨さんを抜けなかったってことで、シード権ゲットはやはり夢と終わりました。がっくり。しかし、その後は、シリーズチャンプゲットを意識したのか、めずらしく固い走りでゴールした晋ちゃんに100分の6秒差で抜かれただけで、4位で競技を終了することになりました。目標のお立ち台にはあと一歩及びませんでしたが、大半がタイムダウンする中で、きちんとタイムアップして4位に食い込めたことには非常に満足です。自分でも関越ではどうかと思っていましたが、浅間台じゃなくても上位に食い込めたというのは非常にうれしいところです。「浅間台だけじゃないの」と思っている人も多かった様ですが、これで少し見方が変わってきたのでは、という気がします。
 さらにさらに、今回はなんと、ずっと目標にしてきた西野さんに勝つことができました。実力的に上回ったなんてことはありませんが、うまくいけば勝負できるという自信になったのは大きいです。そして、この終盤の3戦は、3位、4位、4位と、予想以上の結果に、シリーズは上原さんを数ポイント差でかわし、8位でシリーズを終了することとなりました。
 とは言うものの、最近のこれだけの成績に一番驚いているのは自分だったりするのです。まず、浅間台で3位に入った時、そして連続で入賞した時は、「車何か変えたの?」と聞かれることが多くありました。しかし、6月頃マフラーを入れたのを最後に、そこからはメンテナンスはオイル交換だけ。セッティングは変えてないし、タイヤも買っておらず、全く状況は変わっていないのです。強いて言うならば、サイドブレーキワイヤーを若干詰めたくらいでしょうか。従って自己分析としては、終盤の3戦は2トライともドライで走れただけ、と感じています。ウェットに泣かされた中盤も毎回言ってましたが、「ドライで2本走らせてくれれば結果を出す」ということに過ぎない気がします。今年乗り換えた車で1本でタイムを出すのはなかなかできず、同じコンディションで2本走れるチャンスを待っていたのです。ならばウェットでも2本走れば、と言えますが、若干タイヤ競争に乗り遅れた我がチームにとって、タイヤの差が効くウェット勝負はつらいものがあったわけです。それでもウェットの胎内でポイントゲットできたことが大きく、あとは、テクニカルの自信が無かったために、梅雨明け前にターンの練習を結構やったことが、トータルで効いている気がします。
 というわけで、我がチームにとっては予想を遥かに越える成績を残せた終盤戦でしたが、意外とドライビングって水物って気がしますので、このレベルが自分のものになる様、もう少し努力しておきたいところです。本気の関東シリーズが終わって、脱力感が大きいところですが、しばらくゆっくりして、まずは良い位置につけている神奈川県シリーズをきっちり狙いたいと思います。
 それと、シード権をゲットした皆さん、おめでとうございました。抜群の安定感でシリーズ上位を独占したチャンピオン晋ちゃんに大槻さん、4勝しながらもチャンプを逃した掛札さん、フル参戦していないのにやっぱりすごい理論派宮本さん、同じ車、同じタイヤなのになんでそんなに速いの西野さん、そしてエボ2ながらこの位置は誰も文句が付けられないでしょう中冨さん。こんな皆さんに、毎回いろいろ教わりながら、少しでも勝負でき、楽しくシリーズを終えられたことを非常にうれしく思い、感謝しています。ありがとうございました。少し長めのシーズンオフが終わったら、またよろしくお願い致します。
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