1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第8戦参戦記

7/25(日)、浅間台スポーツランド、ドライ

1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第8戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位西野弘高 CP9A1'08"9231'07"6741'07"674
2位大槻隆夫 CP9A1'08"9611'07"9951'07"995
3位遠藤康浩 CP9A1'09"7631'08"2881'08"288
4位本木淳一 CP9A1'08"3361'08"3961'08"336
5位上原利公 CP9A1'19"2771'08"3391'08"339
6位藤辺晃 GC81'08"3771'13"878(P1)1'08"377
7位船橋悟 GC81'08"7521'09"0111'08"752
8位掛札雄一 GC81'08"8481'13"866(P1)1'08"848
9位井橋祥共 CN9A1'08"978リタイア1'08"978
10位高橋真二 GC81'08"9881'09"2201'08"988

1.まえがき

 数日前に梅雨が明け、いきなりの猛暑となった7月25日に、浅間台スポーツランドで開催されたJMRC関東ジムカーナ第8戦に参戦してきました。ここまで吸気系チューニングを行ってからというものの、参加した全てのイベントが雨にやられ、今年から得たハイパワーを持て余し期待する結果が得られていません。しかし、今回は、予想最高気温33度とも35度とも言われる中での完全ドライでの戦いとなりました。
 しばらく疲れが抜けず体調が思わしくなかったのですが、徐々に回復し、なんとかそれなりの状態で参戦できそうな感じです。さらに、ひどい状態で出た草イベントでサイドブレーキに問題があることが発覚しており、とにかく前日土曜日は、調整したサイドブレーキの感触を確かめ、久しぶりのドライ路面での運転に慣れるため、サイドターンの練習だけして当日に備えることにしました。しかし、その土曜日も猛暑となり、走行時間目一杯走ったらどうにかなってしまいそうな状況でしたので、適当に切り上げ、梅雨で汚れた車を洗車して、久しぶりに早い時刻に床に就きました。

2.当日

 早朝起きると風が気持ちよく、そんなに気温上がるのかなぁと思える程快適でした。荷物を積込み会場へ向かう途中で日が上り始めてから、車内はいきなり暑くなり、やはり今日もかなりの気温になりそうな感じです。とにかく、これでもかと言う程氷を用意し、監督がくたばらない様に準備しておきます。
 会場へゲートオープン時刻から5分程経過しましたが、パドックに入るまでに30分近くかかり、入場方式を少し工夫してほしいなぁと思ったのは私だけでしょうか。暑くてたまらん。ってなわけで、猛烈に気温が上がり始める中監督用の日陰スペースを作り、生命維持モードでタイヤ交換他、準備をおこないました。受付を済ませコース図を見ると、結構なハイスピードコースになっている様子。きっちり踏めるかどうかが勝負の分かれ目かな。それと、ゴール前のテクニカルセクションは昨日浅間台を想定して練習したターンに似ており、あまり悩むことなく走る事ができそうです。路面温度もかなり上がりそうですので、タイヤのビハインドも小さくなるはずですから、うまく走りが噛み合えばポイントは狙えるかもしれないという気がします。
 さてエントラントの様子ですが、やはり気になるのはタイヤ競争。相変わらず我がチームは、時代遅れと皆に言われながらも15インチの032RSを使用。他にアドバンは、同じく032RSの西野さんと、17インチ038Rの上原さん、そして16インチ038Rの三間さんの、4人になってしまいました。A3はもっとさみしく、レギュラー陣のアドバンユーザーはおそらく0。唯一、浅間台ラウンドにのみエントリーしている植村さんが032もしくは038での参戦です。他社タイヤの様子はというと、時代は16インチが主流になりつつある傾向で、17インチを投入してくるドライバーも出て来ました。実際問題として、17インチが主流にでもなったりしたら、かなり負担が大きく、競技活動が厳しくなるなぁという気がします。グリップ力が武器になる寒い時期などは辛い戦いになるのは明白ですが、今日の様な高い路面温度では、どんなタイヤでもうまく使えればそこそこ勝負になりそうな気がします。
 いやぁ、それにしても暑い。競技開始時刻には軽く30度をオーバーしていることでしょう。おまけに、アスファルトに囲まれた競技会場の気温はそんなもんじゃないに違いありません。今回は関東戦に参戦しているライバル三間選手のハイテンションなトークには関わらない様にし、とにかく日陰で体力を温存し、集中力を高められる様準備します。
 気温は高く、路面温度は素手で触れないくらいですので、50度とか60度とかいっているのかもしれません。そんな状況はエボ6で初めてですが、ショックセッティングは標準のまま、エアを前後とも0.1ほど上げてトライします。
3.第一ヒート
 車内は非常に暑いです。6500rpm程度でスタートします。やや空転が激しく、ロスしながらスタート。2速、3速と島の角をなめる様に、奥の第一パイロンへほぼ直線的に進入。排水口付近から丁寧にブレーキングを開始し、1速で緩く右サイド。緩い角度で全開で立ち上がり2速へ。バス停に進入し、ブレーキングで向きを変えますが、テールを流し過ぎてしまいます。アクセルコントロールしながら通過し、バス停を出て島の近くまで行ってやっとテールがグリップを取り戻します。Gを切り換えるためグリップしてからもアクセルを開け、すぐにブレーキングしながら島に進入しますが、ブレーキングが遅れ、アンダーを出しながら、アクセルを全開に出来ずに通過。島の出口付近でやっと全開出来、ギャラリー前の2本パイロンへ進入。ここは1速で入口パイロン直後くらいにサイドを当てるつもりでしたが、若干サイドのタイミングが早く、立ち上がりラインがきつく、パイロン横で一瞬アクセルを緩めてしまいました。すぐに全開し、2速、3速と上げ、島の角を通過し、比較的排水口には寄り気味のラインで進入。2、1、とシフトダウンし、緩くサイド。ややうねった路面をきちんと接地させて立ち上がり、2速で再び島に進入。緩い角度で入り、左パイロンのかなり手前からサイドを当て、全開で立ち上がります。2速へ上げ、そのまま緩い角度でバス停に進入し、バス停出口付近で2速リミッターがあたります。ここで、比較的最短気味のラインをとると決めていたので、一瞬アクセルを抜き、鼻をインに向けて再び全開。奥の左パイロンで1速に落として緩くサイドを当てます。が、ややラフにいってしまったため、テールが思い切り逃げ、完全にトラクションを逃すフルカウンター状態となってしまいます。とにかく全開し、2、3とシフトアップ。ギャラリー前の進入は一発で入る自信が無いので、島の角で2速に落とし、一旦アクセルを開けて左パイロンに進入。1速でサイドを当てます。が、かなりオーバースピードだった様で、非常に旋回速度の遅いターンになってしまいました。立ち上がり、次の右パイロンは、一瞬ブレーキを入れてグリップで抜けますが、角度が悪く、フロントがあまり食わなかったので、かなりのロスをしながら通過となります。アウトに立ち上がり、2速に上げ、島に進入。左ターンで1速に落として、軽くサイドを当て、弱カウンターを保ったままアクセルオンし、次の右270で、そのままサイド。うーん、昨日の練習の成果か、難無く決まり立ち上がります。きつい規制の左パイロンはアクセルオフで抜け、すぐアクセルオン後2速へ。ほぼ直線に近いスラロームを全開でゴール。タイムは、1'09"76でした。

4第二ヒートの対策

 かなりロスが多い走りだった様な気がします。路面温度が高い割に、前半は自分の感覚よりグリップ感が少なく感じ、若干横へのスライド量が多くロスが多かった気がします。後半はリアのグリップが勝ってくるのかやや粘る感じがあり、サイドセクションで遅れがあった気がします。トップはパイロンタッチで幻となった宮本さんの8秒フラット。同じ032の西野さんもかなりのロスをしながらも8秒台に入っており、タイヤのビハインドはそう大きくない気がします。区間タイムを調べてみると、部分的に良いところもありますが、極端に遅れているところが明確にある様です。感覚的に遅かったと予想していた部分がほぼ的中しており、やはりテールスライドが多くアクセルオンが遅れた箇所や、必要以上に車速を落としすぎた部分、そして高速セクションからのフルターンが遅い様です。走り方は基本的に変えませんが、奥から戻るセクションでサイドを使って速度を乗せる自信がなかったので、ここだけ2速グリップラインでいくことにします。また、ところどころ消極的すぎたセクションもあり、折角のドライ路面ですからもっと積極的にいくことにします。
 さて、異常に暑い中、完熟歩行の時間内を目一杯使って何度も歩きました。それからは再び体力を温存するために、生命維持モードで観戦です。路面状況に大きな変化が無いせいか各クラストも大幅なタイムアップは無い様子。となるとA4もそれほど極端にターゲットタイムは変わらず、上位のドライバーが7秒台には入れてくるかな、と言ったところでしょう。9秒台後半の私は、攻略が決まれば、8秒台後半には入れられる気がします。地元というほどではありませんが、C地区では最も走行回数が多くこだわってきた浅間台でなんとかポイントゲットから入賞にからみたいところです。ドライ路面で2本走らせてくれれば結果を出す、と監督に言い切っていただけに、なんとか納得のいく走りをしたいところです。
 状況に変化は無いため、セッティングはそのままいきます。そして第二ヒートがスタート。
5.第二ヒート
 非常に暑い車内から、先程好タイムを出した前ゼッケンの井橋さんの走りを見ていると、終盤のパイロンセクションでパイロンを抱え込み、ゴール前スラロームまで引きずってしまい、赤旗でスタートが一時中断となりました。スラローム付近のオフィシャルはパイロンを食ってしまった位置を見ていなかったのか、修正にかなり手間取り、くそ暑い車内で少しいらいらしてしまいました。ようやく修正が終わり、スタートかと思ったら、スターターのもとに無線が入り、またオフィシャルが動きはじめて、移動したパイロン付近をうろうろしています。ここで完全に緊張が切れてしまいました。馬場さん曰く、この間私はずっとオフィシャルをにらんでいたそうな。悪気は無くって、集中しようと努力していたんですよ、ほんと。こういうときはタイム出ないんだよなぁなんて思いはじめていた時に、スタート付近にいた大槻さんのおかげで少し気が紛れ、一度リラックスして、回りを気にせず、オフィシャルが配置についたころから再び集中することにしました。スタートの旗が振られ、深呼吸をしてからスタートです。
 気持ちを落ちつかせ、6000rpm程度でスタートします。先程よりうまくいき、2速、3速と島の角をなめる様に、奥の第一パイロンへほぼ直線的に進入。排水口付近からブレーキングを開始し、先程と同じく、1速で緩く右サイド。緩い角度で全開で立ち上がり2速へ。バス停へは先程より丁寧に進入し、パイロン手前から向きを変えますが、極端にテールが出ない様に抑え、先程よりアクセルオンのタイミングを早めます。島への進入も丁寧に行い、島に入ってからはアクセルオン。あまり振られることなく全開で島を脱出。2速リミッター付近から減速を開始し、ギャラリー前の2本パイロンへ進入。1本目のパイロン直後くらいを狙ってサイドを当て、アクセルを緩めることなく全開で立ち上がります。気持ち良いくらいにアプローチが決まり、島の角をなめて3速に上げ、排水口に寄り気味のラインで進入。1速に落とし、サイドを当て、緩く立ち上がり、全開、と思ったら、ややアクセルワークがラフだったせいか路面のうねりのせいか、テールが思い切り逃げ、トラクションを逃がしてしまいました。しかし構わず全開し、2速で再び島に進入。緩い角度で入り、左パイロンのかなり手前からサイドを当て、全開で立ち上がります。しかしここもついテールを流しすぎ、カウンターを当ててしまいました。そのまま緩い角度で2速に上げバス停に進入。出口付近で2速が吹け切り、ややGがたまっていましたが、構わず3速に上げ、さらに全開。ややアウトに膨らみそうになりながらも、できるだけイン気味のラインを狙って通過。頂点付近でブレーキングを開始します。フロントのグリップに気を配り、2速で左パイロンを通過。不思議なことに、路面のグリップ感がとてもよく分かり、第一ヒートと走り方を変えた割にはそこそこうまくクリアできた感触ありです。そして3速に上げギャラリー前へ。シェルの角がくる前に3速が吹け切ってしまいましたが、4速に入れると止まれない気がしたので一瞬迷い、少しアクセルオフで通過する瞬間があり、すぐに迫ってきたシェルの角付近で減速して2速に落とします。アクセルを入れ、姿勢を立て直し、左270度に丁寧に進入。と思いましたが、そこまでの全開ノリノリセクションの感覚が残っていたせいか、やはりオーバースピードで進入するはめに。このままサイドを当てると旋回速度が遅くなりそうだったので、一瞬引くタイミングを遅らせ、サイド。パイロンからは結構離れてしまいましたがなんとか立ち上がり、次の右パイロンはクラッチだけ切って軽くサイドを当て振りかえし、立ち上がります。2速に上げ、島に進入しますが、左ターンでちょっとブレーキのタイミングが遅れます。やや右へのGが強くかかったまま通過し、カウンターを保ったまま次の右270度で加重を一気に乗せ換えます。なんとかうまくいったか、と思われましたが、ややターン中心が奥だったのと、Gの切り返しで旋回半径が思ったより小さくなってしまい、立ち上がりでパイロンに当たりそうになってしまいます。やばいぃぃい、と思いながらステアリングを左に切って、なんとかパイロンを避けます。おかげでテールが食ってしまいストール気味で立ち上がり、きつい左パイロンでアクセルオフと同時に2速にシフトアップし、全開踏み切りでゴール。タイムは1'08"28でした。
6.最後に
 ゴール直後タイムが放送されましたが、順位は放送されませんでした。「あれっ、8秒2って言ったら、トップじゃないの?、でもそんな分けないか」と心の中で思いながら、「1本目のベストって6秒台とかだっけ?、順位言われないしなぁ、タイムのアナウンスミスかなぁ」、と混乱しながらパドックへ徐行していると、しばらくしてから、「おおっと、遠藤選手、トップタイムです」との放送が。そう、アナウンスの島村さんは、一瞬私の名前を順位リストの中から見失ったため、順位がわからなかったそうです。「一瞬リザルトから消えたと思って、気がついたら遠藤くんのタイム一番上にあったよ」だって。うーん、きっと、10番台以降くらいに目を配っていたに違いない。
 そんなわけで、大喜びしながら観客席に戻ると、県戦時代から戦ってきた仲間が、大騒ぎしてくれています。こりゃ、初の入賞の可能性ありだな、と思っていると、一部の人間は、「勝てますよきっと」、とか異常に大騒ぎしています。ま、勝てるほどのタイムが出ていないのは分かってますが、過去最高位になることは間違いない予感。一台一台走るたびに身内で歓声が上がり、アナウンスのタイムを待ちきれないA2の中山くんはストップウォッチで大騒ぎで計測しています。0.1秒以内に上原さんや本木さんが入ってきますが、不思議と抜かれません。残り台数を数えて、入賞確実となった時点で我がチームは大喜びでした。しかしそこで同じ032の西野さんが7秒6というぶっちぎりタイムを出し、中山くんはがっくり。しかし私は勝てるなんて当然思っていないので、全然気になりませんでした。それからもタイムは抜かれず、ラスト2の大槻さんの出走です。うー、あと大槻さんかしんちゃんがミスしてくれれば初入賞に加えて初のお立ち台までゲットなのに、と欲が出始めると、案の定大槻さんが7秒9で2番手に。ここでラストゼッケンのしんちゃんの走りに注目です。しかし、いつもの切れが無い感じで、ミスらしい部分もあります。内心、「お立ち台かもぉぉぉ」、と思っていると、横で計測してる中山くんが、大丈夫!!1秒くらい通過遅いですよ、いけますよ!!、と、盛り上がっています。そしてしんちゃんがスラローム中に8秒が経過し、3位お立ち台ゲットが決定!!。タイムが放送される前から、おいおい、お前が優勝じゃないんだから、と言われそうなくらい、もう大騒ぎ状態でした。
 優勝は032の西野さん、そして、私と0.1秒も差が無い5位に038の上原さんが入り、アドバン勢は4人中3人が入賞という好結果でした。アドバン日和だったとの声も聞かれましたが、ビデオで見ると、やはり他社タイヤの方が走りには余裕がある様に見えます。決してタイヤに頼った運転をせず、ここまで迷わずアドバンタイヤで戦ってきた我々の勝利と思いたいところです。
 そして気になるのは同じ車、同じタイヤの西野さんとの差。分析してみると、中間タイムはどうやら私が最速で、0.1秒落ちで西野さん。終盤のテクニカルに入るまではほぼ同タイムとなり、1つ目の270度をオーバースピードで進入してしまったため0.4秒遅れ、スラローム入り口のミスで0.2秒遅れたのが敗因でした。ぬわんと、速いと思っていた西野さんの高速セクションには全く引けをとっておらず、少し前から課題だと思っていたテクニカルの遅さが勝負を分けた様です。やはり、テクニカルの修行が必要ですね。相模湖から出直すことにします。
 というわけで、予想をはるかに超える8秒台前半を出し、初入賞&初お立ち台の3位をゲットできました。時代遅れと言われながらも032で頑張り(というかタイヤを変える余裕がないとも言う)、ずっと雨にやられて(当然雨用タイヤを買う余裕もない)結果らしい結果を残せませんでしたが、タイヤの差が縮まるはずのドライ2本勝負で対等以上に戦えたことはものすごい自信になりました。折角車を買い換えたにもかかわらず、タイヤ競争に出遅れた上、天候にも見放され、さらにはウェットばかり走っていたためかリズムを崩しかけていた様な気がしますが、今年数少ないチャンスに、おそらくエボ3に乗りつづけていたら何があってもゲットできないであろう順位を取れた事で、今年の我がチームの行動がやっと認められた様な気がします。監督ともども大喜びし、ほっと一安心と言ったところです。まだ今シーズンが終わった訳ではありませんが、エンジン始動が遅かった様で、シリーズ云々を言うのはちとつらい状況になってしまいました。しかし、今回の結果がフロックと言われない様に、あと2戦、みんなに認めてもらえる走りをしていきたいと思います。
99参戦記のメニューへ戻る

スペシャリストを夢見てのメニューへ戻る