1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第7戦参戦記

7/4(日)、胎内スキー場駐車場、ウェット

1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第7戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位川辺晋吾 CP9A1'17"511'16"251'16"25
2位大槻隆夫 CP9A1'23"16(P1)1'17"271'17"27
3位坂井真 CP9A1'19"141'17"761'17"76
4位船橋悟 GC81'17"831'18"211'17"83
5位西野弘高 CP9A1'19"631'18"591'18"59
6位中冨智夫 CE9A1'19"641'18"661'18"66
7位佐々木将人 CP9A1'19"671'18"931'18"93
8位遠藤康浩 CP9A1'24"68(P1)1'19"041'19"04
9位清水政幸 CP9A1'19"061'19"671'19"06
10位上原利公 CP9A1'25"16(P1)1'19"351'19"35

1.まえがき

 悔しいのを通り越す程の惨敗だった浅間台での第6戦から二週間が経過し、JMRC関東シリーズ第7戦に参戦しました。最大の課題と考えたサイドターンに関しては、練習タイヤの表面が剥離するまで、300回くらいサイドを引きまくった結果(ほんとか?)、なんとなく自信がついた気になり、できるだけのことはやったと万全の体制で第7戦を迎えますが、天気だけは味方してくれない様子です。そりゃ梅雨ですからしかたないのは分かってます。でもひどすぎません?片道400km以上も走って行くわけですから少しくらい...。しかし何を言っても始まりません。もう雨でもなんでも構いません。自分が納得できる走りで上位にからんでやるぅ、と決心し、イコールコンディションで戦えることだけを願ってながーい道のりを延々ひた走ったのでした。
 前日は風倉での練習会に参加し、エボ6になって初めて走る胎内の路面を確かめておきます。もう珍しくもないウェットでの練習でしたが、1分弱のコースでトップタイムの1秒落ち程度と、悪くない感触を掴む事ができました。しかし、ちょっと気になるのは路面状況によるタイムの変化です。この日の天候は降ったりやんだりを繰り返す感じで、水たまりができる程のウェット路面から始まり、途中、部分的にドライになった路面を経験し、最後はまたウェットという状況でした。不思議な事に、ベストタイムは前半のウェット時と終盤のウェット時に出ており、途中路面が乾くにつれてタイムが落ちる現象を経験しました。どこがいけないのかなぁと思っていると、再び雨が降って路面が濡れてくるとタイムも復活してくるのです。私だけでなく皆そういう状況に陥っている様でした。どうやら、うっすら水がたまる程のウェットだと問題は無いのですが、水がはけ、表面が濡れているだけくらいまで回復してくると、路面の目の間に落ちていた砂が浮いてきてグリップが落ちずるずるとだらしない挙動を示す様な路面に変わってしまうそうです。従って、完全ウェットか完全ドライがタイム的に良く、うっすら濡れている状況は最悪ということがわかりました。この日の練習会では路面が乾きはじめると、1分のコースで1〜2秒の差が出てしまう程でした。
 明日の天気は大雨にはならない感じで、運が良ければ雨は上がるかもしれないという微妙な予報です。できればドライがいいですが、ここまできたらウェットでも構わないので、とにかくイコールコンディションで戦えることを願うばかりです。

2.当日

 油断したのか、一度起きてからついうっかり二度寝をしてしまい、起きたのはゲートオープン間近でした。一瞬あせりましたが、会場から数分のホテルに宿泊しているため落ち着いて露天風呂に入り、準備をして出発したのでした。天候はやはり回復せず小雨状態です。ただし早朝の天気予報では雨は上がりそうな気配。第二ヒートはドライ勝負か?ま、ドライでもウェットでも構いませんので、途中から状況が変わってしまわぬことを祈るばかりです。
 受付を済ませコース図を見て、少し残念に思ってしまいました。この会場、気持ちよく走れる外周が売りの一つで、ハイスピードコーナリングとテクニカルの組み合わせってのを期待していましたが、なんともすっきりしない感じです。踏んではターン、踏んではターンと、ちょっとストレスがたまりそう。前日練習の結果、他社タイヤとはサイドを引くと致命的に遅くなることが分かりましたが、今日のコースはサイドを引く場面がかなり多そうで、やや辛い戦いになるかもしれません。ウェットの場合はいかにサイドを引く回数を抑えるかを考えることにします。
 さて、雨が上がりそうかなぁと思ったら時折強く降る様な不安定な天候のまま第一ヒートに突入です。路面はウェットですので、エアを前後とも0.2ずつ落としてショックセッティングは最近標準としてもどしたセットでいきます。
3.第一ヒート
 計測ラインはブレーキングポイント付近ですので、それほど気張らず4500rpm程度でスタートすると思い切りグリップしてしまいちょっと焦ってしまいました。光電管付近からブレーキングを開始し右パイロンで軽くサイドを当てますが、予想外にグリップが低く、フロントも逃げテールも思い切り逃げてしまいかなりカウンターを当てるはめに。グリップが戻ってから全開にし、やや左に切り込みながら2速へ。ちょっと挙動が乱れますが、なんとか踏んでスラローム入口の左パイロンに寄ります。しかし若干進入が速く、速度を抑えきれずに1速サイドを当てるとやや慣性が残ってしまい、立ち上がりに手間取ります。1速でスラロームを抜け出口で左サイド。やや深く回し、右にかかったGを保ちつつ下りを一瞬加速し、右パイロンで荷重を逆に移して、サイドを引きたい気持ちを抑えて我慢のグリップでパイロンをクリア。立ち上がりラインが見えたところで全開加速し2速で上段へ。さらに3速へ一瞬上げ、一つ手前のパイロン付近からブレーキングとともに2速へ。しかし慣熟歩行で言ってた通り一つ手前のパイロン付近からではブレーキングが遅く(思っていてもつい突っ込んでしまう私)、こりゃパイロンから離れそうだなぁと思いながら舵を当てると、スルッとテールが出て行きました。どうしようもなくフルカウンター状態でアクセルコントロールしながらややパイロンを離して通過し、そこからは全開。一旦次のパイロン手前で軽いブレーキングで向きを変え、あまりのパイロンの数に一瞬立ち上がり方向を見失いますが、確か一番奥だったよなと見切りで全開。やや切り込む感じにブレーキングしながら右に向きを変え、180度パイロン手前で一瞬アクセルを開けてブレーキング&シフトダウン&サイド。ちょっとオーバースピードでしたがなんとか回すと、後半予想以上に向きが変わってしまい、「やばっ」と思った瞬間に右タイヤでパイロンを踏んづけてしまいました。がっくり落ち込みますがとにかく全開し、右にGをためながら2速へ。その瞬間にテールが動き出し、いい感じで向きを変えながら変形の3本パイロンへ進入します。進入の左ターンではブレーキングで軽く向きを変えてすぐ全開。ややアウトにはらみながら底辺の2本パイロン進入で丁寧にブレーキングし、ややタイミングを遅らせ1速サイド。緩い角度で立ち上がり、底辺出口は軽いブレーキングだけで我慢のグリップで通過。すぐ全開し、ややアウトに膨れながら3本パイロン出口へ。この進入は予想以上にラインがきつくなってしまいましたが、グリップでいくつもりだったのでここも我慢してぐりぐりとターン。しかし進入速度が速かったのかフロントが食わず、かなりじれったいターンとなりました。外に膨れたせいで立ち上がりラインはスムースとなり2速へ。右奥でブレーキングを入れながら姿勢をコントロールしますが、ここはもう流れっぱなし。ほとんど過給が掛けられませんでした。姿勢を真っ直ぐにして踏まなくちゃと思いながらも、横にかかったGはなかなか消えずつい高速ドリフトを楽しんでしまい、テールスライドに構わず途中から全開。3速へ上げ左奥の2本パイロンに進入します。緩く入ったつもりでしたがそれでもブレーキングでテールが流れ2速へシフトダウン。テールは流れっぱなしですが、立ち上がりラインに車が向く様アクセルで姿勢をコントロールしてまずまずの立ち上がりラインに乗ります。右手前までは若干の規制がありますが、ラインを作れたせいで完全に直線加速となり途中で2速が吹け切ります。リミッターを数回当て左1本パイロンへ進入。しかしこの進入はやはりオーバースピードとなり、ターンでGがなかなか戻りません。やや予定よりイン側を立ち上がる羽目になってしまい2速へ。下段への左ターンで1速に落としグリップで通過。ここもフロントがなかなか食わず下段に入ってからアクセルオンとなりました。下りながらの右ターンはかなり神経を使い、オーバースピードと流し過ぎに気をつけて進入したところ、まずまずでクリアすることが出来ゴール前の左ターンへ。ここも丁寧にやや手前からサイドを当て流し過ぎない様にゴール。タイムは1'19"68プラスパイロン1でした。

4第二ヒートの対策

 やや前半セクションがぎくしゃくしてしまった様です。前日の感覚以上に滑る路面にちょっと戸惑ってしまった感じです。パイロンタッチが無くても10番前後と、いずれにしてもトップとのタイム差を考えるとこのタイム程度で上位にからむのは難しそうです。しかし、前半セクションをなんとかまとめればなんとなく上位に絡める気がします。攻略方法は特に変更せず、きっちりと攻めることを心掛けることにします。
 天候は曇と小雨を繰り返しながらゆっくりゆっくり回復傾向にある感じで、A3の中盤では水たまりもはけ、次第にいやーな音がし始めています。キュキュッというドライの音ではなく、ザザーッという砂の上をタイヤが滑る音です。前日の練習を物語るかの様にA3後半ゼッケンのタイムは上がらず、1〜2秒タイムダウンする人がほとんどでした。ドライにはなっていないが表面の砂が浮き始めるこのころは、1〜2秒タイムダウンするというのは事実だった様です。ということは、そのまま突入するA4クラスもタイムアップは難しいということになります。うーんこりゃ参ったなぁ。とにかく第一ヒートよりも滑る、というか、立ち上がりのトラクションがかからないことを充分に考慮して、きっちり走ってタイムアップを狙いたいところです。
 スタートを待つ間も、タイムアップはかなり困難な様子でA4ドライバーが走行を重ね、路面状況はさらに悪化している様子。とにかく集中してと思っていると、ぽつりぽつりと雨が。ワイパーを動かす程ではありませんでしたが、スタートラインに並んだ時には、ワイパーを動かした方が良さそうな程度に雨が降って来ました。おいおい、イコールで戦わせてくれよなぁ、と思いながら集中してスタートします。セッティングの変更もなしです。
5.第二ヒート
 先程はいい加減なスタートでリズムを崩した気がするので、今回はきちんとスタートすることにします。5500rpm程度でスタートし、1速が吹け切ったあたりからブレーキングを開始。先程より若干減速気味に入りまずまずかなと思いましたが、テールの流れが変な感じで、やはりカウンターを当てる程でした。2速に上げ、タイヤが今にも滑り出しそうですが全開で奥へ。かなり手前から丁寧に進入し1速で左サイド。ターンはそこそこ成功しスラロームへ。しかし、テールスライドの挙動が明らかに1本目と違う感じで、非常にだらしない動きになっている様に感じられます。1速でスラロームを抜け出口で左サイド。やや深く回し下って右180度をやはり我慢のグリップでクリア。ここもフロントの食いが悪く、アクセルを開けるポイントが随分遅れてしまった感じです。2速に上げ上段へ。先程奥でオーバースピードだったので気持ちを抑えるためあえて3速には入れないつもりでした。2速は吹け切り数回リミッターが当たりますがそのまま通過し、先程よりかなり早めにブレーキング開始。テールが流れない程度にコントロールしながらターンへ進入。予定通り行き全開加速。先程と同じく次のパイロン手前でブレーキングで向きを変え、再び全開。またまたリミッターがあたってしまいますが、ここも3速には入れずそのまま進入。ちょっと躊躇したのかだらだらと走る区間ができてしまいましたが、右に切り込み、ステアリングが戻った時点で1度アクセルを開けて180パイロンへ。しかし1本目ミスるとつい意識してしまう癖が出て、ガチガチでターンします。案の定進入速度が速く、危うく同じところでパイロンタッチしそうになりましたが、なんとかクリアし加速。1速で右にGをためながら加速したいところでしたが、若干ですがフロントが逃げる感触があり、Gが乗り切りません。2速シフトアップ時に軽くブレーキを当てテールスライドを誘発して2速全開。なんとか姿勢はコントロールし、変形の3本パイロンへ。ブレーキングのみで左ターンに進入し、全開。底辺の2本パイロン進入はきっちり落として奥目でサイドを当てます。緩く立ち上がり、底辺出口は軽いブレーキングのみでクリア。全開で3本パイロン出口へ向かいやはりラインがきつくなりましたが、今度はやや奥目でサイドを当てます。緩い角度で立ち上がりますが、ずるずるとタイヤが逃げる感触は変わりません。スライド量を最小限になる様コントロールし2速へ。右奥でブレーキを当て向きを変え、先程よりイン側のラインを狙ってアクセルコントロールしながら左奥の2本パイロンへ。進入でのテールの流し過ぎに気をつけアクセルオン。もう一度ブレーキを当て姿勢をコントロールしてからきちんと立ち上がりラインに乗り全開。2速が吹け切る瞬間くらいから早めにブレーキングを開始し、左1本パイロンにはきっちりついて進入。立ち上がりは予定通り緩くはらみ2速へ。下段への左ターンも緩いラインで2速のまま入りますが、ややフロントが食わず結局アクセルオンは遅れてしまいました。下段に入って全開し、下りながらの右ターンもきっちり落として進入。立ち上がりのずるずる感はかなりしんどいところでしたが我慢してアクセルオン。ゴール前の左ターンも丁寧に入ってゴール。タイムは1'19"04でした。
6.最後に
 予想通り、非常にだらしない感じに変わった路面にかなり手を焼きましたが、自分なりに納得のいく走りができたと感じています。このコンディションじゃ仕方がないと前半ゼッケンのA4ドライバー同士で話をしていると、私や清水さんが走行した後から雨足が強くなり、再び路面はウェットに。まじかよぉ降るなよぉと、後半ゼッケンの出走時に雨が強くなる状況に普通なら大喜びしているものを、この路面だけはそうはいきません。車の動きも次第にきびきびし、ラストゼッケンの出走時には第一ヒートと同じ様な路面状況にまで回復(?)してしまったのです。当然その過程で走った実力のある後半ゼッケンドライバーは次々にタイムを更新し、人数分だけ抜かれてしまい、結局8位で競技を終了しました。
 同じアドバン032の西野さんにはやっぱり0.6秒程置いていかれてしまいました。言い訳ばかりになってしまいますが、例えウェットでも、イコールコンディションで戦えたら、もう少し良い結果が残せたと確信しています。FISCOでの関東戦も同じ様な状況でしたが、ウェットでの勝負もつらいのですが、イコールで戦えないのはもっとつらいところです。しかし何を言ってもはじまりませんので、残り3戦となった関東戦、きちんと戦える機会があることを信じ、なんとか一矢報いたいところです。
99参戦記のメニューへ戻る

スペシャリストを夢見てのメニューへ戻る