1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第4戦参戦記

5/16(日)、富士スピードウェイNコース、ウェット&ハーフウェット

1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第4戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位川辺晋吾 CP9A1'27"9371'22"7441'22"744
2位大槻隆夫 CP9A1'31"3891'23"6541'23"654
3位船橋悟 GC81'28"3941'24"3171'24"317
4位宮本潤一 CP9A1'38"8231'24"5841'24"584
5位八瀬陽介 CP9A1'34"9041'24"8941'24"894
6位深井勇 CP9A1'31"1891'25"1471'25"147
7位掛札雄一 GC81'41"4501'25"4541'25"454
8位中冨智夫 CE9A1'34"6101'25"5531'25"553
9位西野弘高 CP9A1'45"2601'25"6521'25"652
10位平野智治 GC81'30"0151'25"8721'25"872
12位遠藤康浩 CP9A1'33"0121'26"2401'26"240

1.まえがき

 第3戦での惨敗から1カ月程経過し、JMRC関東シリーズの第4戦が開催されました。吸気系チューニングをおこなってからというもの、イベントはウェットばかり。ドライで2本走った試しがありません。今回の会場は富士Nコースと、ここも走行経験の少ない会場ではありますが、その独特な雰囲気のせいか好きな会場の一つですのでなんとか健闘したいところです。イベント1週間前の週間天気予報では土日とも晴れと、今回こそはドライ勝負ができそうです。天候のせいなのか、タイヤのせいなのか、言わずも知れた腕のせいなのか、いまいち結果が出ない日々が続いておりましたが、シートポジションなどを超戦闘的ポジションへと変更したせいもあってか、だいぶ乗れる様になってきた感触を掴んでおり、前日練習会でうまく調整できれば、当日は入賞には絡める気がする程調子が良い感じで、久しぶりに天気予報も気にすることなく当日を待ちます。
 50台限定と聞いていた前日の練習会は70台ほど受理されているという噂を聞き、いいかげんだなぁなんて思いながら、ま、数本走れればいいか、と土曜の早朝に歯を磨きながら、テレビから流れる天気予報に耳を傾けると、信じ難い予報が...。ぬわんと、土曜の夕方から日曜にかけて雨が降るというじゃありませんか。さすがにこれには驚きました。まさか、と思いながら新聞の予報を見返したりすると、東京地方には雨マークが。いきなりやる気を失ってしまいました。
 Nコースと言えば、昨年、ドライの練習で好感触を掴んだにもかかわらず、当日は初めてのウェットに泣かされた思いがよみがえります。今年もおなじやんけぇ、と叫びたいのを抑え、こうなったら土曜にウェット路面を練習できることを期待するしかありません。
 その練習会ですが、ドライ路面となった1本目にそれなりのタイムがきちんと出せるか試したところ、こいつは予想外にうまくいき、最終的に格上ドライバーのSW2台に抜かれただけで、ドライならば1本目からタイムを出せる自信になりました。さて、期待していたウェット走行ですが、トータル5本走れた練習会の4本目くらいからぽつぽつと降りだし、5本目は大分濡れてきたかなぁと言う程度のハーフウェット状態がやっとでした。まだかなり食う状態だったので、これが明日につながるかは日頃の行い次第といったところでしょうか。

2.当日

 今年は何回こんな気持ちで空を見上げたことか。それほど激しく降っているわけではありませんが、すぐにやむ感じではありません。もう気にするのも面倒なので、荷物を積み込み現地へ向かいます。ゲートオープン前に並ぶのを避け、少ししてから会場入りしたのですが、おかげでパドックは一番下の方になってしまいました。コースは見えないわ、放送は聞こえないわ、競技進行が全く分からない状態で、ちょっと失敗しましたね。
 天気とタイヤのことを口にするのも面倒なので、もくもくと準備し、受付後、コース図に目を通します。予想通り結構こてこてとしたコースで、ドライなら練習の成果が生かせそうな気がしましたが、ウェットではどうでしょうね。ほぼ直線ではありますが結構なハイスピード部分があり、ウェットではブレーキングポイントが全く分かりません(T_T)。が、宮島さんがエボ5で試走ということで、一つの目安にはなりそうです。ウェットでは具体的な攻略方法も見つかりませんが、踏むところは踏んで、ブレーキには気をつけ、立ち上がりでのトラクションロスを無くす様考えて走りたいと思います。気持ちの中では午後は天候が回復してくると期待しており、2本目勝負でタイムを残せる様、路面の感触をしっかり掴んでいきたいところです。
 今回は、高速区間にスピードガンが設置され、最高速を計測してくれるらしいです。こういうことをやってくれるとなんとなく盛り上がりますよね。私にとっては初めての試みですので、どれだけ出るのか楽しみです。
 雨は小降りで、時折やんだりもしていますが、風も無く、気温も低いせいか、路面は完全ウェットのままA4クラスを迎えます。セッティングは、最近リアのショックを1段上げると良い感触を得ているので、今後これを標準としていこうと思っており、今回から標準としたショック設定で、エアを前後とも0.2ずつ落とします。
3.第一ヒート
 ウェットははっきり言って分かりませんので、4000rpm程度でスタートします。まずまず良い感じでスタートでき、2速、3速と全開加速。どれだけ止まるかは未知であるため、直線を下り切ったあたりからブレーキングを開始。ちょっとブレーキに足を乗せるだけでテールがむずむずと動き出しそうになりますが、そのままじんわりとブレーキを続けます。かなり止まらない印象でしたが、手前から制動を始めたせいか随分余裕があったみたいで、制動距離をコントロールしながら1コーナーのインを離すことなく進入できました。テールの振り過ぎに気をつけ軽くサイドを当て、台形のアウト側に立ち上がって2速へ。下りながら斜辺に入ったあたりからブレーキングを開始。丁寧に減速して、ここもテールを流し過ぎない様に丁寧に1速サイドを当て、インを離さない様にクリアします。まずまず狙い通りいき、2速でしばらく踏んでから早めにブレーキングを開始。ちょっと怖い感じでしたが、なんとか減速して2速のまま直角を右折。フロントが逃げるのでハーフアクセルのまま右パイロンを越えてじんわりとアクセルオン。しかし、舵角が当たっているといとも簡単にフロントが逃げるので、アクセルコントロールしながら、直進状態になってから全開加速。過給を感じながら3速全開まで加速。島周りを抜け、ブレーキングポイントの目印にしていたパイロンを探すと、すでにそいつを通過してしまったことに気づき、慌ててフルブレーキングを開始。慌てたせいか、テールは滑り始め、フロントもロックしないまでも滑り始めました。ここでポンピング気味にブレーキコントロールをしてなんとかフロントのグリップを回復できたことには自分でも驚きました。しかしテールスライドは抑えきれず、滑っているテールをなんとかコントロールし左側に荷重を掛けて、パイロンを離れることなく1速右サイドを当てます。流し過ぎに気をつけたのもうまくいき、最高速計測地点までは、最短気味のラインを狙って全開加速。3速全開くらいから光電管パイロン手前からブレーキングを開始。速度は109km/hくらいだった様です。1速まで落とし、直角を左折。軽く一踏みした後、下りのターンに気をつけて左サイドを当てますが、やはりオーバースピードで立ち上がりで速度が落ち、ストール気味から加速。次の右もサイドを当てるつもりが車速が乗っていないのでそのままグリップで直線に進入。再び全開加速で3速へ。インフィールドに入って少ししてからできるだけ直線的にブレーキングを開始し、左ターンで1速まで落とし、緩くサイドを当てます。すぐグリップさせて立ち上がり、次の左パイロンでもう一度サイドをあて、下りを全開加速。2速から下りながらのブレーキングでテールが流れますが、なんとかコントロールして減速し、1速で緩くサイドを当て、上り斜面を加速し、次の右ターンで再びサイド。ここは正バンクだと思って少しラフに行ったら、案の定テールを流し過ぎ、フルカウンター気味になりますが、構わず全開して2速へ。左の規制パイロンを全開で抜け、右270度へ丁寧に進入し、1速にシフトダウンします。サイドを当て立ち上がりのテールスライドに気をつけて、と思ったら、あまりにも消極的すぎたのかテールが食ってしまい、大きくグリップで右旋回する羽目に。次の右パイロンでもう一度サイドを当ててフル加速し、左の規制パイロン付近でターンしながらそのまま2速へ。さらに全開するとフロントとリアが不安定に横に流れますが、光電管に気をつけてなんとかゴール。タイムは、1'33"01でした。

4第二ヒートの対策

 昨日の最後のハーフウェットと比べると、格段にグリップしませんでした。かなりシビアな動きにミスも多くありましたが、多くの人がパイロンタッチやスピンしている中で、それなりにタイムを残せたせいか、現在10位前後に位置している様です。アドバントップは上原さんで、1秒程の差がありますが、きちんと詰めていけばあと2〜3秒はいけるでしょう。ま、いずれにしても、第二ヒートは路面状況が良くなると思われるので、第一ヒートのタイムなんてあって無い様なものかな。
 時折空が明るくなったりもしますが、Nスペに言わせれば、本コースの左の方が厚い雲で覆われているのでだめだとか。気温も上がらず、風も無く、時折降る小雨に、路面の回復は予想以上に遅れている様です。下の方に陣取ったパドックからはコースが全く見えませんが、走行する車両の音は聞こえます。が、スキール音はしないためまだまだなんでしょう。長めのコース設定ということもあり、コースが見えないパドックでは、しばらく雑談に花を咲かせていたのでした。
 やっぱウェット勝負か、とあきらめていたところ、A3が終わろうとしている頃から部分的にスキール音がするようになりました。ドライとは言えませんがかなり状況が好転している部分がある様です。そこで我がチームは、監督とともに縦長のコースの奥まで偵察に行くことにしました。回復しつつあるとは言え、完全ドライにはなりそうにありませんので、あと数十台と迫った走行順では、ドライ、ハーフウェット、ウェットの路面が混在する可能性があります。どこが乾きやすいとかいったコース特有の情報は知りませんので、目で確かめようということです。調査の結果、斜面の上側は乾くのが早く、下側は完全ウェットです。また、ブレーキングポイントはウェットですが、立ち上がりラインは乾きつつあります。また、白くなった路面はほぼドライと考えて良い様ですが、黒っぽく見えるところはハーフウェット、テカテカしているところはウェットといった感じです。この乾いた部分をいかにうまく使って、なおかつウェット部分では丁寧にいけるかというのが勝負の分かれ目かもしれません。ドライではまずまずですが、ウェットとのグリップの差が大きいアドバンタイヤですから、判断ミスは命取りかも知れませんね。
 当然ながら後半ゼッケン有利と思われる状況ですが、インプットした路面の色と状況を最大限に活用し、消極的にならずに気合を入れて行きたいと思います。大半はハーフウェットであることからタイヤの差はきついかもしれませんが、なんとかアドバントップの座を目指します。セッティングはちょっと悩みましたが、パイロンへの進入や島まわりはまだウェットなので、ウェットセッティングでいくことにします。
5.第二ヒート
 スタートラインはドライになりつつありますが、まだ部分的にウェットが残っている状況で、そこにタイヤが乗ったらどう動くか分かりません。とにかく、走りながら見える路面の情報をなんとか運転にフィードバックできる様ものすごく集中して、5000rpm程度でスタートします。この回転数でもタイヤは食わない感じで、ハーフウェットというい感触です。2速、3速と加速し、3速リミッターまで回し台形の島にさしかかるあたりまでブレーキを我慢してフルブレーキング。やはりかなり不安定な挙動を示し、下は気をつけないといけない感じです。なんとか減速し、1速で軽く右サイド。ウェットを考慮した進入はうまくいきましたが、出口付近は乾いている様で、すぐにタイヤが食ってしまいます。とにかく全開すると、再びテールが動きだし、かなり神経を使う路面状況ですが、構わず2速でさらにアクセルオン。不安定なテールを落ち着かせる様にブレーキングを開始し、ウェット気味に見えた台形の角で丁寧にサイドを当て、まずまずで立ち上がります。2速に上げ、スピンが多い次の直角ターンは丁寧に行こうと思ってましたが、ブレーキングポイントを見ると道幅の右70%くらいは白くドライに見えたため、ドライ路面での直線フルブレーキングを敢行することに決め、ちょい頑張ってラインを右にずらし、2速リミッター付近まで回し、直線的にフルブレーキング。しかし、完全なドライでは無かった様で、おまけに左に傾斜しているせいか、左側がウェット部分に乗ってしまったのか、テールが左に流れ始めます。なんとかフルカウンターとブレーキングでコーナー入口までコントロールし、テールは流れたままですが、とっさにステアリングを右に切って、アクセルオン。外側の沿石にぶつかりながらなんとか立ち上がります。右パイロンをクリアし、インフィールドへ全開加速です。インフィールドの路面も色は変わってきていますが、進入は滑る様に見えたので、先程より若干ブレーキングを遅らせますが、ドライよりはかなりの余裕をもって右270度に進入します。が、やはりよさげなのは見た目だけ。ウェットよりはかなりグリップが上がっていますが、完全にリアタイヤがグリップを失います。かなり突っ込んでしまったため、直ドリのブレーキング版の様に左右にテールが振られ、精一杯コントロールし、運良くパイロン横に来たあたりで荷重が左にかかったので後先考えずにサイドを当てます。これが思ったよりうまくいき、乾きつつある立ち上がり路面のおかげで、トラクションをかけながらパイロンも離すことなく立ち上がることができました。ここからは最高速区間です。もう何があろうと全開フル加速で3速へ。直線部分に進入すると、ブレーキングポイントはほとんど白くドライ路面に見えたので、またまた気合一発直線フルブレーキングを狙い、光電管横のパイロンまでブレーキングを我慢し、全開ブレーキング。ちなみに最高速は114km/hでした。やはりテールが滑りますが、かなりドライに近くなった路面のせいかさほど怖くなく、きっちり速度を落として1速で直角を左折。軽く一踏みし、ブレーキングポイントがウェットらしいという事前情報から、丁寧に減速して左サイドを当てます。が、それでも進入が速く、慣性が戻らず、立ち上がりで完全ストール。1本目と同様車速が乗らないため、次の右もグリップで抜け直線からインフィールドへ。インフィールドを走った印象はかなり滑る感じだったので、3速全開あたりから丁寧にブレーキングを開始し、左ターンで1速サイド。ここから次の左まで若干のテールスライドを保つ様狙いますが、ハーフウェット気味の印象にアクセル開度やや躊躇したのか、上り正バンクのせいか、後半グリップしてしまいます。次の左ターンでサイドを当てるか迷いましたが、立ち上がりは広いのと、そこそこ向きも変わっていたため、サイドは当てずアクセル全開でパイロンをクリアしました。ややアウトに膨れながら、2速リミッターまで加速し、逆バンクとなる右ターン手前から徐々にブレーキを入れるとテールが流れ始めます。そのまま1速に落とし、サイドをちょい当てて向きを調整し、アクセルオンで立ち上がり、次の右パイロンでも潔くサイドを当ててクリアします。ここは正バンクのせいかそこそこ食い、フル加速。2速全開から右270度へ進入します。グリップが場所によって変わる非常に微妙な路面に迷いましたが先程かなりミスしたため、やや丁寧に進入し、右サイド。ここは予想以上にグリップしてしまい、またまた出口でリアが食ってしまい大回り&若干ストール気味になりますが、次の右パイロンでサイドを当ててラインを合わせ、スラロームで2速に上げて全開でゴール。タイムは放送されませんでしたが、1'26"24だった様です。
6.最後に
 走行後タイムが放送されませんでしたが、ポイントに絡んでいるのではないかと思える感触がありました。あとは、路面の変化がどう出るかといった気持ちで結果を待つと、結局惜しくもポイントは逃し12位とのことでした。アドバントップは西野さんで、0.6秒程の差がありました。出走順とタイム差を考えると、そこそこ対等に戦えたのではないかと考えています。
 それにしても非常に難しい路面でしたね。やはり、結構乾いている様に見えた路面も実はハーフウェット気味のグリップしかなかったり、立ち上がりはドライにかなり近い感じだったり。そんな中でも、積極的に走ることを決め、攻めるとこは攻めて、抑えるとこは危なっかしいながらもなんとか抑えてタイムを残せたことには結構満足しています。結果はもう少し上を狙っていたのが正直なところですが、ハーフウェット路面と、10台で1秒くらいはタイムが変わったとも思える第二ヒートの路面状況を考えれば、まずまずだったのではないかと思っています。
 さて、注目の(?)直接対決シリーズですが、山口さんとは、出走順の関係で有利だった私がコンマ差で今期初の勝利となりました。出走順が近かったら、とかいう議論はやめにしましょう。また、ここNコースをホームとしている同じエボ6アドバンユーザーの三間さんは、今回も2本目自爆で私の勝利でした。ごちそうさま。
 今回も、目まぐるしく変わる路面に泣かされましたが、そんな中で何か掴めてきた様な気がしており、なんとなく吹っ切れた気がします。ここまで天候に見放されてしまうと、シリーズ云々はきつくなってきた気がしますが、対等に戦えると信じているドライでのイベントがあった時には必ずや一矢むくいたいと思います。
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