1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第3戦参戦記

4/11(日)、関越スポーツランド、ウェット

1999JMRC関東ジムカーナシリーズ第3戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位大槻隆夫 CP9A0'57"1800'55"6100'55"610
2位川辺晋吾 CP9A0'58"1500'55"8400'55"840
3位高橋真二 GC80'58"2200'56"6200'56"620
4位船橋悟 GC80'58"2500'56"6600'56"660
5位中冨智夫 CE9A1'08"960(P2)0'56"8600'56"860
6位寺内秀雄 GC80'58"5800'56"9200'56"920
7位掛札雄一 GC80'57"8300'57"0000'57"000
8位藤辺晃 GC80'57"8900'57"0300'57"030
9位黒沢勝重 CN9A0'57"1001'01"270(P1)0'57"100
10位小峰健志 CP9A0'59"6700'57"2700'57"270
33位遠藤康浩 CP9A1'02"1101'00"3801'00"380

1.まえがき

 やはりシーズンが始まると早いですね。早くも関東シリーズの第3戦が開催されました。関越スポーツランドでの開催となりますが、この会場も昨年の夏以来走っておりません。当然ながらCP9Aでは未走行ですので、前日練習会から参加します。
 毎度毎度気になるのが天候ですが、今年はどうなってるんだろ、と嘆きたくもなる様な天気予報。土曜日曜ともに雨の可能性が高い様です。アドバンタイヤ不利とささやかれる中で、ウェットになってしまったらかなりきついものがあります。なんとか1本でもドライになってくれることを祈るばかりです。
 実は今回から吸気系に手を入れてみました。結果が出ないのを車のせいにする訳ではありませんが、他のCP9A勢と比較しようにも、上位陣の全ての車には吸排気のチューニングが施され、果たして腕の差なのか、パワー的にどうしようもない部分があるのか、という判断が分からないのです。予算の都合から、吸排気全て、というわけにはいかず、吸気側のみの変更ですが、果たしてこの効果がどうでるかが楽しみです。
 結局、前日練習会はドライ路面のもとで行われました。何度か走ったことのあるKSLですが、路面自体の印象はそれほどイメージと離れることは無かった様です。ただし、一部補修が施されたとは言え、路面のうねりはかなりきつく、エボ3時代よりレートの高いスプリングを使っているせいか、車は無茶苦茶跳ね、壊れそうです。楽しみにしていた吸気系チューニングの効果ですが、これがまた効果絶大で、スタートした直後からその加速感の違いが体感できました。当然直線加速は速くなっているのでしょうが、それ以上に驚いたのが、ターンでの姿勢の作りやすさです。2速までなら、どんな状態でもパワーオーバーに持ち込めると言えるほど、と、これはちょっと大げさですが、かなりアンダーは解消され、ラフなアクセルワークは厳禁という感じです。おかげで、2速のアクセルオン/オフを使った切り返しなどはすごく楽で、挙動変化をつくり出すのが非常に楽になりました。こうなると問題なのが、きちんとこのパワーを生かして走る必要があるということですね。滑らせ過ぎてしまうと過給がかからないので、楽しくタイヤが減るばかりでタイムに結びつかない様です。運転の荒さも随分目立つ気がします。ドライバーに進歩はありませんが、車自体はかなり期待させてくれるものに生まれ変わりました。
 晩には、夜遅くまで、三浦さんをはじめとするA4クラスの面々と明日の検討を誓い合い、区間タイム計測などをおこなって対策を考え、とにかくドライになってくれること、路面温度が上がってくれることを願い、布団に入りました。

2.当日

 当日朝起き、カーテンを開けると...やはり外は大雨、ヘビーウェットです。どうやら今回は完全なウェット勝負になることは間違いなさそうです。おまけに、昨晩(というより今日か?)遅くまで起きていたため、ちょっと眠気が強い感じです。反省。
 しかし、これだけ降っていると、荷物を下ろすのもいやになってきますね。特に荷物が多いと定評の(?)我がチームにとって、荷物軽減を真剣に考えさせられました。そんなことよりもっと深刻なのはやはりタイヤでしょう。大体、ドライバーの顔色や動きを見ていれば、アドバンユーザーかそうでないかが分かります。前評判では、ウェットタイヤより速いというD01Jや98JGMS、540S、520WS絶対有利の声が聞かれます。大半のドライバーには、「01とGMSどっちがいいのかな」とか「540か520どっちでいくかな」とか言う、うらやましい悩みがある様です。とは言うものの、関東戦レベルでウェット勝負を見たことが無いので、実際のところ、どの程度のビハインドがあるのか、やってみないと分からないという気持ちが強いのも確かです。ま、精一杯戦うことにしましょう。
 さて、コースですが、シードドライバーがコースオフしてしまう程のヘビーウェット路面に、パイロン配置も内より、コースも短めの設定となったようです。コース攻略は、とりあえず今までの経験から、長く踏む部分と、低速セクションを重視していきたいと思います。あとは、かなりの範囲にできている水たまりには気をつけないといけないかもしれません。ウェット路面は、特殊なASLウェットを1本だけ走ったことがあるだけで、CP9Aではほとんど初と言えます。おまけに今回からパワーアップして、いきなりだなんて...。さらに、CP9Aで初めてがもう一つあって、360度ターンが設定されていました。ま、ああいうターンはエボ3時代は苦もなくこなせていたので、たぶん問題ないと思いますが、一応気をつけて行きたいと思います。それよりなにより、パワーアップした車をきちんとスムースに動かせるかということの方が重要です。
 ウェットでのセッティングですが、これまた良くわかりませんので、同じ車に乗る小峰さんや西野さんのセッティングを参考にエアを前後とも0.2ほど落としてみます。また、ショックもリアだけ1段落としてみることにしました。ま、あとは走ってみないとわかりませんので、さぐるつもりで第一ヒートにのぞみます。
3.第一ヒート
 路面の状況が分からないので、3000rpm程度からスタートします。何事も無かった様にグリップしながらスタートし、結構食うな、というイメージで2速へ。右パイロンでアクセルを抜いて緩く通過すると、そこからはほとんどハイドロ状態で体が硬直し、2速ハーフアクセルでコントロールしながら奥の左パイロンへ。挙動が落ち着きやっとブレーキを開始して、なんとか1速シフトダウンし、予定通り緩く左サイドを当てます。ちょっとテールが出過ぎましたが、そのままアクセルで車をコントロールして次のパイロン手前で2速へ。突然4輪ともグリップし、アクセルオンすると、いきなりテールが出てしまいます。アクセルコントロールしながら、なんとなく、水面上を跳ねる様に加速し、もうどこへとんでいくか分からないくらい怖く、次のパイロン手前でブレーキング。向きは恐ろしいほど良く変わり、すぐにアクセルオン。再びテールが出そうになりますが、なんとかこらえアクセルを入れると、激しい段差で車が跳ねまくります。次のパイロンでは少し遅れ気味にブレーキングし、やや向きを変え、アクセルオン。やはり全開はできませんが、奥のBS看板へ向けて立ち上がります。BS看板付近でブレーキングしてゆっくり向きを変え、アクセルを入れると、またまたテールが出過ぎ、アクセルを戻すと急にグリップし、今度はアンダーが。なんとか向きを整え、アクセルを入れると、やはりハイドロ気味なのか、水切りをしている様に、まるでタイヤの接地感が無く、2速ハーフのままギャラリー前へ戻ることに。ここは1速に落とそうと思っていましたが、激しい挙動変化についていけない気がして、2速グリップで、かなり手前から速度を落として回ります。それほどストールする感じもなく、そこそこで抜けられ、アクセルを入れると、再びテールが。しかしこのあたりは水たまりが少ないのか、スムースな挙動で抜けられました。S字ぎみにパイロンを抜け奥まで向かいますが、ここもタイヤが接地している感じが無く、ずーっと2速ハーフで奥の右ターンへ。急激な挙動変化が無い様にブレーキングし、緩く1速でサイドを当てます。あまり廻りすぎない様に加速し、次の右ターンへの進入ですが、ここは思ったよりうまく向きが変わり、1速で通過し、すぐ2速へ。アクセルオンで車が跳ねますが、挙動にもなれてきたのか、ついアクセルを踏み過ぎる感じで、緩い左を抜けて右360度へ。手前からブレーキング したつもりが、ずいぶんと遅れてしまい、パイロンを車1台分くらい離してしまいサイドを当てるはめに。あせったせいもあって、車は急激に180度向きを変え、パイロンは全くクリアできない状態になり、結局グリップしてだらだらとパイロンをよけて次のターンへ。右ターンでサイドを軽くあて、次の緩い左でアクセルを一回抜き、ゴール前の左パイロンから車幅分くらい離したところを狙って進入し、緩くサイドを当てて、スラローム気味にゴール。最後だけはそこそこうまくいった感じでしたが、結局タイムは1'02"11でした。

4第二ヒートの対策

 いやぁ、ほんと怖かったです。ハイパワー車でうねりのあるウェット路面や水たまりがこんなに怖いものとは。乗っていて怖いと思ったのは久しぶりでした。なんていうか、安心感が全く無いのです。グリップの領域を越えてからの動きがシビアというか。タイヤに対してアンダーパワー気味だったエボ3時代には考えられなかった様な気がします。しかし、競技はあと1本で終了してしまいますから、なんとかしないといけませんね。360の失敗も含め、トップとのタイム差は約5秒、アドバントップとも3秒近い差があります。コース攻略云々を言えるレベルになく、まずは車をきちんとコントロールすることが課題という気がしますが、オーバースピードで止まりきれずに失敗した360は進入に気をつけ回しきりたいところです。また、2速が踏めず、かなりハーフアクセルでの通過が目立ったので、速度を乗せるべきところは早めに3速に入れてしまおうと思います。あとは全体的に、元気よく走ってみたいと思います。
 それにしても気になるのが、タイヤ状況です。自分がろくに走れていないくせにこんなことを言うのはお門違いですが、見ていて明らかにタイヤによる挙動が違います。ま、他社タイヤを使ったこともありませんが、噂には聞いていた通り、ウェットではその差が顕著に現れているのでは、という気がします。走行後の印象もずいぶん違う様で、「結構食いますよ」とか、「サイドが引っかかる」とか、「ブレーキが良く効く」とか、「おぃおぃ、何言ってんだよ」とでも言いたくなる様なコメントが聞かれたくらいでした。そうは言っても、現状の私にとっては、自分自身の問題があまりにも大きく、まずはアドバン勢ときちんと戦える結果を狙いたいところです。
 セッティングは特に変更せず、水たまりが大分減った路面に対し、積極的に走ってみます。
5.第二ヒート
 さて、少し過激に走ることを決め、4000rpmくらいで半クラッチを使ってスタートです。タイヤがグリップし、過給がかかると再びタイヤが空転します。タコメーターを見ると6000rpm程度でしたが、なぜかリミッターが当たっている状態。タコが遅れるっちうのはこういうことか、と2速にシフトアップ。緩い右パイロンをハーフアクセルで抜け、アクセルを開けると、先程よりグリップ感があり、さらに3速に入れて一踏みします。奥の左パイロンへ丁寧に進入し、向きを変え過ぎ無い様に緩くサイドを当て、そこそこ小さなアングルで4輪とも流れながら立ち上がり、2速へ。同じくグリップが回復しますが、アクセルを入れながら、一瞬縦に加速し、徐々に右に荷重を掛けていくと、テールが出始めます。水たまりが少ないせいか、1本目より大分挙動も滑らかで、調子に乗って次の右パイロン付近でさらにブレーキでテールを出してしまいます。アクセルを入れると、完全ドリフト小僧状態で、時折フルカウンターなども入れながら、テールスライドをコントロールし続けるはめに。おかげで、ずっとハーフアクセルのため全く過給がかけられませんでした。しかしこうなってしまうと止められず、パイロン付近を始めいたるところでブレーキングとハーフアクセルを繰り返してパイロンを通過するのが精一杯。多分外から見ると無駄な走りをしていたんでしょうね、しかし本人は、ありあまるパワーと食わないタイヤに手こずりながらもなんとか大きな4角パイロンをクリアしてBS看板から立ち上がります。ここでは、早めに3速に入れ、タイヤを接地させてギャラリー前へ。先程と同じく、2速で左ターン通過を狙いますが、スピードの乗りが良かったせいか、完全にブレーキングが遅れ、フロントが食いません。かなり遅れてアクセルを入れ、立ち上がりがきつく、一度アクセルを抜いてからなんとか立ち上がり、さらに早めに3速へ入れます。S字気味に奥まで向かい、丁寧にブレーキングして1速右サイド。やはりあまり回り過ぎない様に加速し、次の右ターン進入で軽くブレーキを入れますが、今度は水がはけていたせいか、向きが全く変わらず、すかさず合わせる様にサイドを当ててパイロンを通過。すぐ2速に入れ、丁寧にアクセルを開けて、緩い左を抜けて右360度へ。さっきミスったところなので、かなり意識して減速し、丁寧にターンに進入しますが、意識し過ぎると体か硬くなってしまうのか、なんとか回し切りますが、お世辞にもうまくいったとは言えない360度ターンとなってしまいます。すぐ次の右ターンではあまり流し過ぎない様に気をつけ立ち上がり、次の緩い左で一瞬アクセルを抜き、ゴール前の左パイロンへ。同じくパイロンを少し離した進入を狙うつもりが、パイロンに寄り過ぎてしまい、ちょっと焦るとブレーキングが遅れ、サイドを当てるとフルカウンター状態で車が一瞬止まったかの様に感じる程のロスをしてゴール。タイムは1'00"38でした。
6.最後に
 結局、路面状況が良くなった分と360度をなんとか回しきったおかげでタイムアップはしたものの、前半セクションの流し過ぎと、ギャラリー前の大アンダー、ゴール前の振り過ぎなど、走り自体は最悪でした。トップとのタイム差は約5秒、アドバントップとも3秒差と、何も言い訳できない結果となってしまいました。ありあまるパワーを路面に伝えることがこんなにも難しいことかというのを、痛感したところです。それでも、タイヤをきちんと縦に使えばそこそこ走れる感触があり、コントロールがよりシビアになるウェットは練習しないといけないと感じました。特殊な浅間台でのウェットでも、極端に縦方向のグリップだけを使って走ってそこそこだった様な気がするので、やはりタイヤの使い方次第というところなのでしょう。関越はウェットでもそこそこグリップするからといって、それを過信したのが間違いだった様です。やはり調子に乗って車を横にしすぎたのが一番の敗因でしょう。過給を全くかけられませんでしたからね。もっと縦に車を動かさないといけないと気づいたのは、競技が終了してからでした。また、エボ3時代にはまず失敗することのなかった360度でしたが、それを失敗したことがちょっとショックでした。そもそもあれは進入がいけなかったわけですが、これも練習しておきたいなぁと感じた点です。
ま、そんなわけで、これだけ乗れなかったのは久しぶりだなぁと思える程のひどい走りで第3戦を終了しました。第5戦は出られませんから、ほぼ半分近くが終わってしまった感じですが、ウェットについては少し検討する必要がある気がしています。なにしろ、これから迎える梅雨に開催されるイベントが残りの大半を占め、もしかすると、ウェットが今シーズンを左右してしまうかも、という恐れがあるからです。しかし、ウェットの練習を狙うのも難しいですし、さてどうしたものか...。第4戦までは少し時間が開きますので、いろいろ考えていきたいと思います。
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