1998JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦参戦記

7/26(日)、富士スピードウェイNコース、ドライ

1998JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦A4クラス
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位漆原正 CE9A1'09"35(P1)1'03"851'03"85
2位遠藤康浩 CE9A1'05"161'03"981'03"98
3位長坂吉徳 CE9A1'06"581'04"851'04"85
4位三間康 CP9A1'15"191'15"19
5位豊田正彦 CN9A1'11"731'05"241'05"24
6位三浦満 CN9AMC1'05"411'05"41
7位相澤清 CP9A1'06"011'05"611'05"61
8位岡田和浩 CE9A1'37"471'05"681'05"68
9位金子博 GC81'10"59(P1)1'05"921'05"92
10位市川尚彦 CE9A1'25"641'05"941'05"94

1.まえがき

 さてさて、今年初めてとなる神奈川戦、JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦に参戦してきました。会場はFISCO Nコースです。そう、ここは、昨年一緒に戦ってきた三間選手が得意とするコース。今年彼はエボ5に乗り換え、さらにパワーアップしています。FISCOでの三間選手との直接対決を思い起こせば、あれは1年半ほど前、1997年のJMRC神奈川ジムカーナシリーズ第1戦が初めてでした。この時は、2秒以上離され、こんなんで県のトップを争うことができるのだろうかと落ち込んだものでした。そして、いろいろ勉強し、自信もついてきた今年、関東戦第4戦で直接対決を挑みましたが、あいにくの雨で、かる〜くちぎられてしまったのです。負けは負けなので認めますが、一度も走ったことのないウェットで、なんとなく走りきれなかった自分にも不完全燃焼のままでした。ということで、梅雨が明ける気配はありませんが、とにかくNコースにこだわり、ドライ勝負になることを期待して、こっそりエントリーしたのでした。
 三間さんには前日練習があるよと誘われており、非常に行きたかったのですが、当日いきなり行って驚かせるためにも、前日練習は丁重にお断りしたのでした。ま、県戦は前日練習なしで戦いたいと思ってたので予定通りです。とにかく、今回の目的は、打倒三間選手に尽きます。

2.当日

 さて当日、ゲートオープン少し前にゲートに到着すると、神奈川戦は久しぶりのせいか、知らない人が結構いる様です。と言うより、お前のことの方がよっぽど知らないよ、と言われそうですね。それでも、昨年戦った連中が何割かはいて、『タイヤ積んでなにしに来てんだよぉ』とうれしいお言葉をみなさんに頂戴したのでした。
 当然ながら、てっちんホイールをはいた私のエボ3を見た事も無い人の方が多いのでしょう。とあるA4車両が私の車の横に止まり、『けっ、しらねぇ車だなぁ、型遅れのエボ3だし、敵じゃねぇぜぇ』くらい言いそうな目つきで我がチーム監督をにらむ方々がいらっしゃったそうな。そんな、知らないからって、しどいじゃない、ぐすん(T_T)。丁度その時、私は高橋一家のおやびんたちと話してたので知らなかったのですが、その仕打ちにうちの監督はぶち切れたのでした。なかなかめずらしいことですが、よっぽどだったのでしょう、『あの車には勝って』との至上命令が出されたのです。『おいおい、車はすごそうだし、おまけにNスペだったら勝ち目ないぞぉ』と言い訳しますが、聞く耳はもってもらえず、本日の目的は、打倒三間選手と、打倒監督をにらんだ車、の2点に変更されたのでした。
 しばらくするとゲートが開き、タイヤ交換、受付後、コース図を見ると、急にいける気がしてきました。なぜなら、奥のパーマネントコース部分は行って帰ってくるだけで、半分以上は手前のパイロンセクションを走るコースとなっているのです。おまけに、ゴール前には、8の字とサブロクが。前半で0.5秒から1秒離されても、後半セクションで充分挽回できるはず。本音を言えば、奥の部分でNスペと戦いたかったところですが、とりあえずはそんなことは言ってられません。まずはこのコースで三間選手打倒を目指しましょう。
 それにしても、その三間選手、受付時間となっても一向に会場に現れません。同じクラブの松尾さんも見当たらず、さすが地元、余裕だなぁと思っていると、受付直前に二人とも現れたのでした。ともに忘れものをしたらしく、実は相当焦っていた様です。まだ私のエントリーに気づいていない三間さんが受付から戻り、私のとなりの人と話をしている姿を隠れて監督と見ていると、ふと私の車に気づき、『あれっ、何これっ、なんで?』とエントリーリストに目をやり、『おいおい、ふざけるなよぉ』と、やっとこさ私に気づいてくれたのでした。どうやら大歓迎して頂けた様子で、『三間さんを倒しに来た』と言ったら、『やれるもんならやってみろ』とのお返事でした。ふっふっふ、ようやく勝負ですな。
 A4の参加台数は26台程と、思ったより多く、Nスペと呼ばれる方が結構参加している様です。ファーストゼッケンってのを期待してまいたが、残念ながらそれはならず、4番目の出走です。コースは、ややパイロンの数が多く見えますが、それほどいやらしい印象は無く、パーマネントコース部分で地元勢にどれだけ離されずに走れるか、S字っぽい部分をどれだけ踏んで走れるか、最後の3つのパイロンをきちんと決められるか、あたりが鍵となりそうです。あとは、パイロンセクションの斜面のトラクション抜けに気をつけないといけませんね。
 天気は良くドライ勝負となりそうですが、午後からは崩れる可能性もあるとのことで、1本目にきっちりタイムを残しておく事が重要と思われます。セッティングはドライセッティングからフロントのエアを0.15上げたいつものセッティング。まずは、恐れず踏んで、路面のグリップを見たいところです。

3.第一ヒート

 さて、第一ヒートのスタートです。6500程度でクラッチミートすると、すぐグリップしてしまい、『おぉ、グリップするなぁなんて思いながらフル加速。2速から3速へシフトアップし、すぐにブレーキングとともに2速シフトダウン。テールをじわっと出して、すぐさまアクセルオンし、ほぼ全開のまま振り返しぎみに荷重を逆に掛け直し、台形の斜面を使ってスライドを止めます。いきなりの割にうまくいき、一瞬のハーフアクセルでもう一度テールを流し、台形出口へ。ここは滑りやすい印象があるので、丁寧にブレーキングすると、またまたテールが流れ、『えぇい、右コーナーまでこのままいってしまえぇ』とアクセルコントロールしながら右直角コーナーに到達すると、速度が速過ぎ、あわててブレーキング、しかし速度を抑えきれず、外側の沿石にフロントタイヤを乗っけて、なんとか脱輪だけは免れて加速。直線を全開で3速に入れ、直線出口でフルブレーキングで1速まで落とし、ちっちゃく右ターン。すぐさま加速し、下りながらの左ターン進入で2速シフトアップをきっかけにテールを動かそうとしますが、うまくいかず、思いっきりアンダーを出してしまいます。仕方なく一瞬アクセルオフと軽いブレーキングで向きを変え、とにかく全開で3速へ。パイロンセクションに入る左の大きなターンは、進入でややパイロンに寄りながら、ブレーキングで2速に落とし、アクセルオン。2本目パイロンを通過するあたりで一瞬ブレーキングして向きを変え、S字っぽいパイロン間を全開で抜けれるラインで、奥まで全開加速。下りながらの右ターンは予定通り、1速に落としサイドを当てますが、進入速度が速く、スライド量も多くなり、立ち上がりにもたつきます。しかし、次の左180度へのラインは良く、きっちりパイロンについて左サイド。そこから全開で、ややテールが流れながら、そのまま2速に上げて、まだ全開。ギャラリー前へ戻るS字気味のパイロン間を直線的に抜けられるラインに乗せ、中間パイロン通過まで全開のままでした。中間パイロンを越えたとこで一瞬アクセルをオフし、8の字の進入方向へ車を向けます。さらに全開し、8の字へ。ここからのサイドセクションは、傾斜がきついため、充分気をつけて進入します。1つ目の右ターンは丁寧にサイドを当て、ほぼ予定通りにクリアし、やや旋回速度が遅いと感じながらも丁寧に立ち上がります。左ターンはパイロンの頭が見える程度の距離でやはり丁寧にサイドを当て、これもほぼ予定通り立ち上がり最後の360度へ。しかし立ち上がり方向がやや悪く、パイロンからやや離れての進入となってしまい、『やばぁ、パイロン付けないかなぁ』と思いながらも意外と冷静で、丁寧にブレーキを当てながら、ステアリングもゆっくり切って、パイロンに近づいた時点でサイド。ほぼうまくいき、ゆっくりと旋回して立ち上がり、2速にシフトアップしてゴール。タイムは、1'05"17でした。

4第二ヒートの対策

 出走直後のアナウンスでは、『さすがA4クラスは5秒台に入ってきました、後半ゼッケンでは何秒に入るのか楽しみですね』とのコメント。『ふーむ、そう言われると、やっぱいまいちのタイムなのかなぁ、ミスも多かったしなぁ』と思いながら出走を見届けると、結局、ライバル三間選手は最後のサフロクでくさって、0.02秒差で私の勝ち、ラストゼッケン漆原選手はさすが4秒前半を出してきましたがゴール前脱輪で、結果として私が逃げきりで第一ヒートトップでの折り返しとなった様です。
 どうやら、結果だけ見ると、私と三間さんでワンツーの折り返しと、とりあえずの結果に大騒ぎの二人でした。互いに大きなミスをしでかしているため、2本目勝負になることは間違いありません。しかし、少しでも順位が上にいる私の方が精神的には若干有利かもしれませんね。これで、第2ヒート前半ゼッケンの私がきっちりタイムアップしてプレッシャーをかければ、面白い戦いになることでしょう。
 対策としては、完璧にミスった台形を過ぎた奥のコーナーを丁寧に曲がり速度を殺さないことと、パーマネントコースを戻って直角に曲がった後の下り左コーナーでアンダーを出さないこと、パイロンセクションの奥の右ターンで失速させないこと、最後のパイロンセクションの旋回速度を少し上げること、あたりを改善してみようかと思います。ま、うまくいけば、1.5秒はいけるはずで、3秒台中盤あたりが狙い目でしょうか。
 さて、A3クラス後半から、雲行きが怪しくなり、たまに小雨がぱらつく状況になってきました。まだA3のタイムは落ちていないので影響は無いと思いますが、気になるところです。そういう意味では、前半ゼッケンの私はかなり有利で、終盤ゼッケンのライバル達は、私の動きが非常に気になる様です。もう半分やる気を失ってる人までいます。おいおい、あきらめるのはまだ早いって。私としても、きちんと同条件で戦いたいので、なんとか天候はもって欲しいところです。とにかく、まずはトップタイム更新を目指します。
5.第二ヒート
 さて、いよいよ第二ヒート。出走直前にも気持ち程度雨がぱらつきましたが、路面状況を変える程ではありません。ドライのままスタートです。結構食う路面を考慮し、今度は7000rpm程度でクラッチミート。上手くホイールスピンしながらスタートできました。2速3速へと上げ、すぐにブレーキングとともに2速シフトダウン。テールがさっきより多く出ますが、構わずアクセルオンし、斜面を利用してグリップを取り戻します。台形頂点付近でハーフアクセルで向きを変え、奥のコーナーへ向けて直線的に加速。台形出口でややアクセルを戻し、奥で行き過ぎ無い様に丁寧にブレーキングを開始し、インに着いてターンしてアクセル全開。奥の広くなった部分では三間さんのアドバイスが効き、予想通りの挙動を示します。構わずアクセルは全開して、3速へ。やはり奥のターンがうまくいったせいか、シフトアップのポイントが全然違いました。直線出口でフルブレーキングして1速に落とし、きっちり右ターン。先程2速シフトアップでアンダーが出たので、今度は1速をきっちり使い切り、1速が吹け切るあたりで右に荷重がかかる様にし、2速シフトアップでテールを出して加速。ちょっと振り過ぎ、沿石にヒヤッとしましたが、向きは変わり、アンダーもなく全開で3速へ。パイロンセクションへの入りは先程と同じくややパイロンに寄ったラインで、2速に落とし、やや荷重がかかった時点でアクセルオン。2本目のパイロンを通過するあたりで一瞬ハーフアクセルを使い、荷重を少しかけなおしてアクセルオンすると車の向きがなんとか変わり、ほとんど全開のままS字っぽいパイロン間を全開でクリア。下りの右ターンはグリップか一瞬迷いましたが、グリップぎみのラインでサイドを気持ち当て、すぐ全開。これがうまくいき、次の左180度へ。スピードの乗りが良く、ややパイロンからはなれた様な感じでしたが、まぁ無難に左サイドを決め、ここからも全開でテールスライドしながら2速へ。さらに全開をくれますが、ややS字ぎみのパイロン間への進入がきつくなり、一瞬のハーフアクセルでラインを修正し、パイロン間を通過後、もう一度アクセルオフで向きを変え全開で8の字へ。ややスピードコントロールをしながら1つ目の右ターンへ向かい、旋回速度を速めようと、ややオーバースピード気味に入りますが、50cm〜1m近くパイロンを離れてのターンとなってしまいました。『うぅ、ギャラリー前なのにぃ』と思ったかどうかは忘れましたが、旋回速度はまずまずだった様で、『でもやっぱり痛いなぁ』と思いながら次の左ターンへ。『残りはきっちりいくぞ』とばかりに、パイロンが見えなくなる距離まで寄り、左サイド。ターンしてからやっぱり心配になり、あまりパイロンに近づき過ぎない様にステア修正して立ち上がります。最後の360度へは、ターンできるぎりぎりくらいまで寄り、サイドを当てます。ライバル達がわめいてくれる程小さなターンを決め、全開加速ですが、この立ち上がりでテールを滑らせ過ぎてしまい、一瞬トラクションが抜け、1速リミッターでゴール。タイムは、1'03"98と、タイムアップに成功しました。
6.最後に
 アナウンスでは、『おっと、またまだ好タイムが出ました、3"98です。』とのこと。目標の1.5秒アップには届きませんでしたが、まずはトップタイムを更新です。これで一応少しはプレッシャーをかけることができたでしょうか。とりあえずは、3秒台突入に喜んで頂けた様です。後は、皆の走りを待つのみです。途中、長坂さんが4秒台を出し、2番手に食い込みましたが、それ以外は5秒台で、皆のタイムがいま一つタイムが伸びないまま、問題の三間さんの出走となります。ものすごい加速でスタートしますが、なぜか台形部分はずいぶん抑えている様子。その後も、リズムが悪く、ちょっとぎくしゃくしている感じです。最後のパイロンセクションもややつらく、結局、三間さんはタイムアップならずでした。全体的に固くなっているのが前半から分かる程でした。監督に言わせると、昨年終盤の私もあんな感じで見るからにぎくしゃくしていたそうです。ちょっと私がプレッシャーをかけすぎてしまったのかもしれませんね。ごめんちゃい。しか〜し、勝ちは勝ち。三間さんの得意なNコースで勝ちました。いやぁ、うれしいですねぇ、目標達成です。ま、本音を言えば、私も結構ミスしてましたし、あの程度のタイムでは三間さんがきっちり走ってしまえば負けていたことでしょう。これでほんとに勝ったとは思ってませんが、よしとしましょう。これで少しは認めてもらえたかな?1勝1敗なので、次の浅間台もしくはもてぎで勝負しましょうか。
 そうそう、結果の方ですが、結局最後の最後、ラストゼッケンの漆原さんに0.13秒差で逆転され、2位となってしまいました。きっちりタイムを残してくるあたり、さすがですね。おめでとうございます。でも、私も今年初の入賞&表彰台ですので、非常にうれしいです。おまけに、昨年あれだけ苦労した県戦で好成績を残せたことは、関東戦で戦ってきた成果かなと思ってます。少しは進歩しているのでしょうかね。おっと忘れてた、もう一つの目標は気にするまでも無かった様で、当然クリアです。監督はなぜかこっちに大喜びでした。少しは覚えて頂けたでしょうか。ポイントも予想以上にたくさんもらえたので、都合のつく程度に県戦も出てみようかなと思ってますので、みなさんよろしくね。
 次は、関越での関東戦第7戦です。もうとにかく踏めるだけ踏んで、入賞目指して頑張ります。
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