1997スピードマインドジムカーナ関東シリーズ第2戦参戦記

5/5(日)、メーハイランドSSパーク、ヘビーウェット


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1996スピードマインドジムカーナ関東シリーズ第2戦 A4
順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位加藤正隆GC8改1'32"3201'27"1741'27"174
2位田辺真一CE9A改1'40"0301'27"9211'27"921
3位岡留康文CE9A改ミスコース1'28"6611'28"661
4位石川浩史BNR321'40"6261'30"751'30"75
5位遠藤康浩CE9A1'32"2461'30"8071'30"807
6位増田一良CE9A改1'33"5491'31"1901'31"190
7位山田雅志CE9A改1'32"0521'32"052
8位須藤政史GC8改1'34"9691'32"6141'32"614
9位中村真幸BNR32改1'36"4031'34"3481'34"348
10位池亀昭BNR32改1'35"1111'35"111

1.まえがき

 第2戦は福島県二本松のメーハイランドSSパークでの開催です。我がチームは、往復で700km近くなる日帰り参戦は不可能と判断し、旅行も兼ねて前々日から福島県に乗り込みました。出発前の天気予報では5/5のみ雨とのことでしたが、比較的楽観的に充分な準備もなしに旅行気分で出かけて行ったのが大間違い。5/5は、大変な大雨となってしまったのです。カッパや長靴も無く、車検前のタイヤ交換等の準備や、コースを歩く完熟歩行が終ると、全身、パンツまでびしょびしょになってしまいました。

2.当日のコース

 今回のコースは、関東ではあまりないカートコースということで、コースを覚えるのが非常に難しく、なおかつ、ドライで1分20秒程度というロングコースのため、ライン取りを細かく覚える余裕はありませんでした。実際のコース上を歩くと、深さ数cm以上もある様な物凄い水溜りが至るところにありました。セミスリの溝の深さは1cmあるかないかなので、こんなの走れるのかという気になってしまいました。アナウンスでも、セミスリの人はハイドロに気をつけてくださいとのことでした。カートコースって、上から見ると非常にわかりやすいんですが、コースに下りるとどこも同じ景色に見えてしまうんです。慣れているコースならそれも無いんでしょうが、なんといっても、このコースはもちろん、カートコースも私にとっては見るのも初めてなんです。やっぱり5/4のここでの練習会に参加しておけばよかったと思ってしまいました。話を聞けば、大体の人が、前日ここで走ったとのことです。う〜ん、それだけ聞いても苦戦が予想されます。さらに、ライバルとなるアドバンタイヤユーザーのほとんどが、最近発売された、スーパーソフトタイヤを使用しているとの情報が...このタイヤは、雨だとさらに効果が高いとのことも...しかし、言い訳している場合ではありません。私だって、この日のために、普通のソフトタイヤを新品で4本揃え、車自体は自分としてはこれまでで最良の状態です。当面はスーパーソフトを使わずにどこまでいけるかやってみる予定です。なにしろ、スーパーソフトはグリップが高い半面減りが早いらしく、走り込みを必要としている初心者の私にとって、コスト的につらいものがあるからです。我がチームのスーパーソフト導入は今年終盤か、来年の予定です。で、朝から、中村さんに車のセッティングアドバイスを頂き、いわれた通りのセッティングに。しかしここでも”スーパーソフト持ってこなかったの?””ソフトじゃぁつらいかもねぇ””雨だと、テクニックとタイヤ勝負だからなぁ”とだめおしされてしまいました。落ち込んでもしょうがないので、とにかく今日のコースを全力で走るしかありません。一応、今回の目標も6位入賞です。
 参加者リストを見ると、前回優勝の岡留さんを始めとする第一戦入賞者のほとんどと、なぜか関東でも上位に入る程の田辺さんなど、強豪が名を連ねており、それ以外にも、ここをホームとしている地元ドライバー達が参加しているようでした。知名度、車の外観では、とうてい10位にも入れません。

3.第一ヒート

 シードドライバーのインテグラでの模擬走行では1分30秒台とのことでした。私のゼッケンは104番で、A4クラスでは、14番目の走行です。同クラス車両の走行は、自分の走行順を待って並んでいるためはっきり見えないのですが、アナウンスと雰囲気等から、かなりの人がスピンやミスコース、脱輪をしている様子でした。で、私の走行順の前に、大雨のため光電管動作チェックが入り、その間にターゲットタイムが1分34秒台であることがわかりました。どうやらみんなミスが多く、タイムが伸び悩んでいるようです。
 しばらく待った後スタートです。雨のため、若干低めの5000rpm程度から一気にクラッチミートし、タイヤの転がり具合を見ながら、緩い左コーナーを抜けながら2速へ。2速が吹け切るくらいから、タイヤのグリップを見ながらゆっくりブレーキングを開始すると、ずいぶん手前からブレーキングしていることがわかり、再び加速し、ブレーキというなんともおそまつな状態で2速のまま高速右コーナーへ進入。コーナー途中では、フロントとリアが暴れながらもゆっくりアクセルを開け、その後の右90度コーナーへ向けびくびくしながらブレーキング。その右90度ターンの途中で1速に落とし、直後左へ切り返しながら大きな8の字へ。8の字の頂点で1回だけサイドを使い、あとはグリップで回り、8の字終り付近で2速へシフトアップ。2速のままアクセルを開けながら右90度コーナーを抜け、ブレーキングして1速へ落とし左180度コーナーに進入。その立ち上がりでゆっくりトラクションをかけながら加速していき、直線からS字への進入です。2速7000rpmくらいからブレーキングしながらS字に入り、途中で1速に落とし直後おおきな島回り。このブレーキングミスがみな多いようでした。ブレーキングしながらのS字って、すぐリアが出るもんですから、私はかなり丁寧に手前からブレーキングして進入し、この大きな島回りをサイドを2回に分けて引きクリア。直後S字ぎみに左に切り返し、直線に進入。滑べらないよう、ゆっくりアクセルを開け、2速全開くらいからブレーキングして2速の左高速コーナー。このブレーキングで、水溜りに乗ってしまい、一瞬フルロック。全身が硬直して、一人で車内で叫びながら、気合いでブレーキを緩めなんとかグリップさせコーナーへ。この高速コーナーを抜けた後、さらに左に回り込むコーナーなのですが、左方向には2本コースが見え、一瞬どっちに入るべきか迷い、とっさに手前のコースに進入。どうやら合っていたようで、直後の右コーナーを2速ホールド抜けました。ここもオーバースピードとなる車が多く、コースアウト車両が続出しており、私はあまり挙動を変化させずにクリア。そして、短い直線で一瞬アクセルを入れ、最後のテクニカルセクション手前で1速に。ここは水溜りが深く、アンダー出しまくりでアクセルもあまり開けられないまま、右、左と大きく切り返すS字を抜け、1速でリミッターを効かせながら270度ターンに進入。この270度ターンはコース幅が狭いため、サイドターンを失敗すると必ず脱輪をとられてしまう設定となっていたため、もう、止まってしまうくらいのスピードで進入し、充分向きが変わってからアクセルをあおって、クラッチをつないでゴールへ。
 タイムは1'32"228と、なんと、ここまででトップタイムでした。私の後にはまだ5人程いたので、4〜6番くらいかなぁと思っていると、前回優勝者の岡留さんもミスコースするなど、皆、揃ってミスがあったようで、驚くことに、1本目を全員走り終った時点で、私が1位でした。皆、ブレーキングミスやミスコースが多いなかで、早めのブレーキングと、かなり抑えて走ったことがよかったのかもしれません。

4.第二ヒートの対策

 もう、我がチームはイベントが終ったような騒ぎで、第1戦の1本目ビリと比べて大違いです。中村さんにも、”一本目1位だったんだってなぁ”とか、”優勝すると5年はやめられないぞ”とか、”夢にも出て来るぞぉ”とか冷やかされ、我がチームは相当ごきげんでした。これで、午後、晴れたりすると、午前中のトライは何の意味も無くなってしまうので、雨がやまないことを願うばかりでした。それは雨男の私にとって、得意中の得意?しかし、冷静に考えるとタイム的にはあまり喜ぶほどのタイムではなく、2本目タイムアップなしでは6位に入るのは難しいくらいだと思っていました。でも、1本目にタイムを残せている分だけ2本目は攻めにまわることができます。いやぁ〜、ほんと、第1戦とは大違いです。
 1本目の走行から、改善点をチェックします。最大の問題は、各所で、ブレーキングが早いことと、きっちりアクセルを開けてないことだと思われます。ライン取りはそう悪くないと思われますが、もう少しテールスライドさせて走った方が速いみたいです。ということで、全体的にブレーキを遅らせブレーキングドリフトぎみにコーナーに進入すること、アクセルは極力開けること、低速コーナーではリアを流してみること、あたりを念頭に、特に高速コーナーでの消極的な走りを改善できる様、2本目は走ることにしました。

5.第二ヒート

 昼を過ぎて若干雨が小降りになってきた様ですが、路面状況は相変わらずヘビーウェットのままでした。2本目が始まると、予想していた通り、明らかに格上の田辺さんがいきなり1分27秒台をたたきだし、32秒台なんてあって無い様な感じになりそうです。私の出走順までにもう一人に抜かれ、2本目スタート時点で3位です。
とにかく6位に入れる様トライしました。2本目を走り終えた感触は、全体的にややブレーキングを遅らせましたが、その分挙動が乱れがちで、ライン取りは1本目より悪かった感じで、アンダーも至るところで出してしまいました。ただ、アクセルは1本目よりも多く開けられた感触はありました。細かい点では、2回ある高速コーナーの1つ目はやはりスピードを落としすぎてしまいましたが、2つ目は多少よかったようです。後半の島回りは、予定通りいい感じでテールスライドさせながら3/4を回ったところで沿石に乗り上げてしまうミス。もう少しで脱輪をとられるところでした。アナウンスでも、ここはほめられていたようですが、ほめたとたんにミス!とか言われていたようです。ラストの270度ターンでも、若干サイドターンが大きくなり、そのままだと脱輪しそうだったので、もう一度サイドを引いてしまいました。この様な明らかなミスがありましたが、タイムは1'30"88と、この時点で2位に食い込みました。この後、皆次々とタイムを出し、結局5位で競技を終えました。目標の6位入賞を果たすことができ、もう、大喜びです。

6.さいごに

 もし2本目タイムアップできなかったら、やっぱり7位になるところでした。上位ベスト3あたりとは実力的にまだまだ差があるようですが、6位くらいには、うまくいけば入れることがわかりました。課題として残るのは、アクセルをもっと開けること、適切なブレーキングを行うこと、コーナーで早めに向きを変える技術をもつこと、などです。一方、今回よかった点は、1本目から2本目にタイムアップできたことです。第3戦で関東に戻るとまた強い人が多数出てくるはずですので、しんどくなりますが、シリーズという観点からは、なかなか面白くなってきたのではと思っています。
 なお、スピードマインドカップではシードクラス(AE-1、AE-2)というのがあって、こちらには全日本クラスの選手がエントリーしています。言わずと知れた岡野さんもエントリーしており、なんとこのコースを1分19秒台で走ってしまうという別世界の走りを見せ、会場中があきれかえっていました。このイベント、初心者から全日本ドライバーまでが同じコースを走るとあって、見ていてもかなり面白いと思います。

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last modified : 5/May/97
yasu-e@jms.jeton.or.jp