1997JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第4戦参戦記

5/4(日)、浅間台スポーツランド、ウェット&ドライ

1997JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第4戦
順位ドライバー車名型式1-st try2-nd trybest time
1位佐々木将人BRIG☆オセロット☆ランサーCN9A1'37"4851'07"1431'07"143
2位遠藤康浩シルエットアドバンランサーCE9A1'30"9461'08"1651'08"165
3位今関傑隆オセロット☆シルエットランサーCE9A改1'36"8721'08"4951'08"495
4位高橋浩之トップスSFホリノΩ・ランサーCE9A改1'27"1851'09"1881'09"188
5位東仁ポインタープロマテックランサーCE9A改1'33"6801'09"3421'09"342
6位高橋淳子CE9A改1'32"2981'09"4321'09"432
7位馬場靖典ISZアドバンBRIGランサーCE9A1'40"1141'09"7641'09"764
8位森本泰弘オセロットぼけねこインプレッサGC8改1'35"0471'09"8471'09"847
9位市川尚彦アトム☆天才ランサーオセロットCE9A改1'33"3201'09"9721'09"972
10位長坂吉徳クレセント開成タイヤランサーCE9A改1'30"0081'10"0491'10"049

1.まえがき

 あまり大型とは言えない(私だけ?)ゴールデンウィークの終盤、神奈川ジムカーナシリーズ第4戦に参戦してきました。神奈川シリーズは全10戦開催されるのですが、有効は8戦ということで、ほぼ折り返し地点に来ていると言えます。第3戦でうっかり優勝してしまったものですから、現在シリーズポイントは35点とトップの三間さんとは3点差となっています。また、3位の佐々木さんとは4点差、4位以下とも数ポイント差で競っている状態です。となると、ここ数戦で頭を出せるか、もしくは頭に離れずについていけるかが、今年の神奈川シリーズを占う意味で重要となりそうです。気持ちの中では当然優勝狙いですが、自分の実力が他の人より突出しているとも思えず、とにかく確実に、ミス無く、できれば全て3位以内に入るつもりで戦って行こうと思います。
 最近走り方を若干変えたせいか、ドライならばそこそこの成績を残せる自信がついてきたので、是非ともドライで良い結果を残したいところです。前日までの天気予報では、日曜日は明け方まで雨が残りそれから上がるとの予報。第一ヒートはハーフウェットくらいかもしれませんが、第二ヒートは間違いなくドライであろうと判断し、ドライ対策を考えて準備しました。

2.当日

 ところが、当日の朝4:00過ぎに目を覚ますと、外は大雨。千葉の方が天気の上がりが遅いとすると、横浜ではそろそろ雨は上がって欲しいところです。しかし、雨は一向に止む気配は無く、会場へ7:30頃到着してもまだ雨が降っていました。第二ヒートのドライに全てをかけるつもりであった私にとってこれは大変なことになってきました。なにしろ神奈川戦は参加台数が80台強と少ないため、第二ヒートは13:00頃に終わってしまうことが多いのです。ということは、第二ヒートまであと5時間程度しかなく、雨が止んで路面が乾くかというと、かなり微妙な感じになってきました。ここで笑っているのはラリータイヤ勢です。16台のエントリー中4台がラリータイヤを準備している様子で、ポイントリーダーまでもが新品のラリータイヤを装着しており、Sタイヤしか無い私の前で喜んでいます。とにかく、Sタイヤのみの我がチームは、第二ヒートにドライになってくれるのを祈るしかありません。まぁ、前回はウェットでもSタイヤで勝てたわけですから、きちんと走ればなんとかなるでしょう。
 一向に上がる気配の無い天気は気にせず、コース図を見ると、大体予想された通りのハイスピードコースとなっています。ウェット用コースも用意されていたとのことですが、あまり面白くないとのことと、台数も少ないということからか、ドライ用のコースを若干ウェット用にエスケープゾーンを大きくしたコースで行われることになった。ドライ用コースということは、それなりに距離が長いわけですから、競技の進行も時間がかかるため、天気が回復し、ドライ路面を望む我がチームには好都合です。
 コースは、ドライならばかなり面白そうないけいけコースになっています。しかし第一ヒートは間違いなくウェットなので、ウェット対策としてライン取りを考えます。前回の神奈川戦では車の挙動がかなりオーバーぎみだったので、今回はウェットでは若干アンダー気味になる様密かに準備してきました(一応ウェットも考えてはいたのです)。とにかく、アンダーオーバーを出さない様に、丁寧に走る様にします。セッティングはウェットセッティングからエアを前後とも0.2ずつ落としてトライです。

3.第一ヒート

 雨はほとんどやみましたが、路面は完全ウェットのまま第一ヒートのスタートです。半クラッチを使ってスタート。2速全開くらいから路面状況をさぐる様に丁寧にブレーキングして右ターンへ。ここではかなりアンダーが強い感じでした。右180度ターンへ向け車を寄せ、1速に落とし右サイドターン。やや速度が落ち過ぎましたが、無難にクリア。加速し2速に入れ、大きめの左ターンですが、途中でアンダーが強く、アクセルをほとんど開けられませんでした。なんとか向きが変わり、S字っぽく島に進入しますが、ここもフロントが外へ外へ逃げ、ハーフアクセルのままで進入。島の一角を1速でクリアしますが、ここも減速が中途半端で、後半がややきつくなりながら、直線を加速。2速全開から右ターンを丁寧にクリア。再び加速しライン取りに気をつけ、大きなS字を切ってギャラリー前へ。ギャラリー前の左ターンへ丁寧に進入し、丁寧にクリアして再び大きくS字を切って奥のコーナーへ。3速から丁寧にブレーキングして右ターンをクリアし、全開でギャラリー前へ。3速から2、1と落とし右サイドターンですが、スピードを落とし過ぎた感じでクリアし、ゆるめの右90度をブレーキングでクリアし、きつめの右90度をサイドを軽くあてて加速してゴール。タイムは、1'30"9と、トップの5秒落ちの5位でした。

4.第ニヒートの対策

 予想していた通り、1位〜3位はラリータイヤが独占。4位以降がSタイヤとなっています。かなりミスがあったため、まだ数秒はいけると思いますが、5秒差というのは、ちょっとしんどい感じです。このままウェットで第二ヒートを迎えるとすると、3位に入るのは少し難しいかもしれません。
 しかし、第一ヒートの全走行が終了すると、ほんの一部、ドライ路面が見えてきました。ほぼ99%ウェットですが、ほんの少しドライに変わりつつあります。そしてコーナーの大部分はまだウェットのままでしたが、コースオープン中にドライ路面は10%近くに増えました。第二ヒート走行時には、ドライ路面の方が多くなると読んで、慣熟歩行時は、ドライでのライン取りも考えておくことにしました。しかし、完全ドライになるにはちょっと時間が足りない様です。ドライを望んでいるSタイヤ勢は、『もっと競技ゆっくりやろうよぉ』とか、『みんなで水たまりの水、足でどかそうぜぇ』とか言う声が上がっています。そして時折日が差すと、『やったぁ、もっと晴れろぉ』という声があちこちから聞こえます。結局、晴れにはなりませんでしたが、急激に気温が上がってきており、かなり乾くかもしれません。
 第二ヒートが始まると、上がってきた気温と、走行車両の熱で、路面はみるみる乾き始めました。A2クラスの走行中には出走を待つA4ラリータイヤ勢の動きが慌ただしくなり、ジャッキアップだけして様子を伺っている人や、2本だけタイヤ交換している人など、微妙になってきている様です。しかし、路面の状況が良くなるにつれ、タイムはどんどん上がり、A2クラスのタイムも1'10"台に入ってきました。A4クラス第一ヒートのトップタイムは1'25"台だったので、もう、こうなってしまうと第一ヒートのタイムは全く意味がありません。そして、みるみるドライ路面に変わり、全車両がSタイヤに履き替え第二ヒートを迎えることになりました。ここで喜んだのは、第一ヒートからSタイヤを使っている我々です。待ってましたとばかりに、気合が入ります。
 それでもまだ部分的にウェット路面が残っているため、足をすくわれない様にコースの回りを監督と何度か回って状況を確認します。A2走行時には残っていたウェット部分がA3後半にはほとんどドライに変わってきている様子。このままいけば、私の走行時にはほぼ完全ドライになると判断し、第二ヒートは、ウェット路面のことは全く気にしないで走ることにしました。我がチームもセッティングをドライセッティングに戻し出走を待ちます。
 A4クラスが始まると、いきなり1'09"台のタイムをファーストゼッケンが叩き出し、第一ヒートはなんだったんだという状態になってしまいました。監督からは練習で覚えたことを忘れない様にとの指示が。

5.第ニヒート

 そして、第二ヒートのスタート。アナウンスからターゲットタイムは1'08"台とのこと。ならば6秒台に入れてやるというくらいの気合でスタートします。5500rpm程度でクラッチミートしますが、路面温度がかなり低いせいか、空転が激しく、アクセルコントロールして加速。2速全開から右ターンですが、ここだけ島周辺に水たまりが残っているので、それを軽く避けながら180度ターンへ。1速でサイドを引き加速しますが、加速時のアクセルのつなぎがやや悪く、やや失速ぎみでクリア。すぐ2速へ入れ、左ターンをブレーキングしながら進入し、すぐ加速、アクセルで向きが変わらないので、再びブレーキングしますが、アンダーが出て、ラインがかなり大きくなってしまいました。それならそうと、スピードを乗せる様に加速し、S字っぽく島へ進入しますが、島へ進入する前のターンでやはりオーバースピードからアンダーを出し、ハーフアクセルのまま島へ進入。めげずに1速に落とし、軽くサイドをあて、これもやや後半きつくなりながら、ぎりぎりでクリアし、2速全開へ。奥の右高速コーナーは練習でやった通り、丁寧に進入して全開で加速、今までの私と比べると、かなりうまく抜けられた感触ありです。ライン取りに気をつけ大きくS字を切ってギャラリー前へ向かいます。2速全開から、やはり練習した通りに丁寧に進入しますが、ややラインがきつくなってしまいました。が、アクセルをあまり緩めることなくテールスライドしてクリアでき、結果オーライです。再び大きなS字で3速に入れ、奥の右高速コーナーをうまく抜けられる様進入に気をつけ、クリア。脱出時にややアクセルを戻してしまいましたが、これも私にしては良い出来でしょう。そして3速から最後のテクニカルセクションへ。1速に落としサイドをあて、アクセルで向きを変えながら緩い右90度をクリア。そのまま若干テールスライドしたままきつめの右90度では、車の挙動が乱れを嫌って丁寧にブレーキングしてからサイドを引き、加速しようとすると、エンジン回転数が落ち込んでしまい、一瞬止まった様な状態からフル加速してゴール。タイムは、1'08"1と、届かず、2位とのことでした。

6.さいごに

 結局、ラストゼッケンの三間さんには抜かれることなく競技を終了し、目標通り、2位に入ることが出来ました。ポイントリーダーの三間さんに勝ったことから、私がポイントリーダーかと思うかもしれませんが、ポイント3位だった佐々木さんが優勝してしまったため、佐々木さんに抜かれ、またしてもシリーズポイントで2位になってしまいました。しかしこれで、トップとは1ポイント差、2位とは12ポイント程度離れたということになり、まだまだ期待できる位置にいる様です。しかし、ミスがあったとは言え、トップと1秒差というのは離され過ぎという感じですね。これからは佐々木さんに勝たないといけないわけですから、よく復習して、次回はなんとか借りを返したいと思います。
 この日は浅間台スポーツランドの怖さというか難しさが顕著に出た上に、かなり考えさせられたイベントであった様な気がします。このコース、ドライとウェットでは、20秒くらいタイム差が出てしまうんです。ですから、ほんの少し路面状況が変わっただけでも大きくタイムに影響してくるのです。タイヤ選択やセッティング、アプローチ等もさることながら、出走順も大きく影響します。おまけに、最近なにかと話題となっているラリータイヤがウェットでは有効との話もあり、ラリータイヤを使う予定の無い我がチームにとって、これから梅雨を迎えての浅間台ラウンドをどう乗り切るかがシリーズで結果を残すためにはポイントになるかもしれません。神奈川戦3戦4戦、スピマイカップ1戦と、計3戦ほどウェットの浅間台を走ったことで、我がチームの中では浅間台のウェット対策が明確になってきています。我がチームとしては、ラリータイヤを使う気はありませんので(予算もありませんし)、Sタイヤオンリーできっちり戦って行きたいと考えております。
 また、ある意味で精神的な面も重要だった様な気がします。ラリータイヤ勢はどちらかというと、ウェットなら絶対有利という気持ちから、ドライに変わったことで多少精神的にはマイナス方向に考えざるを得なかったのではないでしょうか。一方、Sタイヤのみで戦っていた我々は、ドライになることを、皆喜んでいたわけですから、精神的にはプラス方向に考えていたと思われます。実際には結局イコールコンディションになったわけですが、このあたりもポイントだったのではないかと思われます。なにしろ、表彰台は第一ヒートをSタイヤで走った人が独占したのですから。


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last modified : 28/May/97
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