1997JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第3戦参戦記

3/16(日)、浅間台スポーツランド、ウェット

1997JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第3戦
順位ドライバー車名型式1-st try2-nd trybest time
1位遠藤康浩シルエットアドバンランサーCE9A1'21"7151'12"1101'12"110
2位佐々木将人BRIG☆オセロット☆ランサーCN9A1'12"9311'12"2141'12"214
3位岡田和浩オセロット☆レイブリックランサーCE9A改1'16"3831'12"4901'12"490
4位馬場靖典ISZアドバンBRIGランサーCE9A1'15"1421'12"8411'12"841
5位和田恒幸和功☆スタウト☆ランサーCN9A1'15"0061'13"7341'13"734
6位市川尚彦アトム☆オセロット天才ランサーCE9A改1'16"2961'14"4051'14"405
7位三浦満カモメC.CORNランサーよんCN9A1'15"4831'16"6351'15"483
8位三間康NEXTインプレッサbyなるとGC8改1'19"6121'15"9841'15"984
9位小泉博司サンレイクSTインプレッサGC8改1'17"5451'16"0681'16"068
10位上野洋夫参加車両名15文字以内ランサーCE9A改1'30"329(P2)1'16"6421'16"642

1.まえがき

まだ、3月半ばというのに、早くも神奈川県シリーズは第3戦を迎えることになりました。シリーズの約1/3がこれで終わることや、シリーズを占う意味で重要な鍵を握ると思われる浅間台スポーツランドでのイベントの始まりとあって、非常に重要な大会であると考えられます。全10戦中6戦が予定されている浅間台スポーツランドに苦手意識を持たないためにも、ここは是非とも3位以内に入って景気付けたいところです(相変わらず目標は大きく)。
最近、仕様変更した車にも大分慣れてきた感じで、大きなミスをしなければそこそこいけそうな予感が数日前からしていました。実際、数日前にはなんか勝てる様な気がすると監督に言ってたくらいで、監督の『行くのやめようかなぁ』という発言に対し、『優勝見逃すかもしれないぞぉ』と言って無理やり連れていったくらいですから。
気になるのは天候で、毎日天気予報をチェックしていましたが、数日前から日曜は雨になりそうとの予報ばかり。土曜になるとその確率はさらに増し、間違いなく雨といった状況です。そこそこいけると思っていたのはドライでの話で、ウェットではASLスペシャルタイヤを持ち込むと宣言している人もいて、とても勝てる気がしません。悩んでも仕方ないので最善を尽くそうと、土曜の夜に急拠5部山以下に減ったフロント用タイヤを新品のSSタイヤに。日曜の朝、皮むきをしながら会場へ向かうことにしました。リアは数戦前に下ろした8部山以上のSSです。

2.当日

やはり朝起きると、大雨。とにかく、昨年何本か走ったことのある浅間台のウェット路面を必死に思い出し、対策を考えながら現地へ。今までウェットでは結構良い成績をおさめていることや、自分の状態、車の状態はかなり良いということ、など、良い方へ良い方へと考える様にして、気持ちを高めます。なにか吹っ切れたのか、なんとなくいけそうな気がしてきました。おまけに今回から、以前に注文してやっと届いたレーシングスーツを着用しての参戦です。これだけでも気分が盛り上がりるってもんです。
本日のA4クラスは16台の参加。ASLスペシャルと言われているラリータイヤは3台が装着の模様です。他には、Sタイヤの他にノーマルタイヤでトライする人もいる様子です。3位に入るには少なくとも1台はラリータイヤを食わないといけません。朝からみんな自分やお互いのタイヤの話で持ちきりです。

3.コース

コースは皆の予想通り、高速レイアウトのコースです。ドライなら結構行けたかもしれません。しかし本日は完全なウェット、頭を切り換えて攻略法を考えます。サイドを使うポイントは2箇所か人によっては3箇所というところでしょうか。ずっと考えていたタイムを決めるポイントは、いかにタイヤをグリップさせて加速するかと、スピンしないこと、アンダーを出さないこと、の3点です。今までの経験から、滑らせると全く進まず、かなりスピンしやすいはずです。極端な挙動変化が出ない様に高めのギアを使用し、またまた2速を多用します(いつもこればっかの様な...)。後は、最も問題である自分を抑えることができるかどうかにかかっています。ラリータイヤがどこまで速いのかもポイントとなるでしょう。また、路面はヘビーなウェットで、至る所に川状の水たまりができています。ブレーキングでは川をさけた方が良さそうです。
昨年度神奈川A4チャンプ神山さんのSタイヤでの試走では、1'13"程度とのこと。このあたりがターゲットタイムになりそうです。ところが、A2クラスの第一ヒートでは、エイボンやラリータイヤがSタイヤを数秒以上もちぎって1'10"台で走っており、会場がざわめいています。非常に心配になってきました。セッティングは、いつものウェットセッティングより空気圧を前後とも0.1ずつ落としてのトライです。

4.第一ヒート

とにかく一本目ということで、監督からはくれぐれも慎重に、スピンせず、タイムを残す走りをする様指示が。それを肝に命じ、早速第一ヒートのスタートです。2000〜3000rpm程度でなおかついつもは使わない半クラッチを使いながらゆっくりスタート。それでもホイールスピンしてしまいます。グリップするとすぐに全開にし、2速へ。加速しながらステアリングをほんの少し切るとテールが暴れ真っ直ぐ走りません。右コーナーのかなり手前からゆっくりブレーキングを開始するとフロントがロックぎみに。一瞬ブレーキを離しフロントをグリップさせて再びブレーキングを開始。ややアンダー気味に右ターンに入り、奥目のクリップを通りじわっと加速。ここまでで、予想通り全くグリップ感がないことを確信。外に膨らみながら右鋭角ターンをものすごくゆっくり2速のままクリア。そこからはタイヤが滑らない様気にしながら加速。奥の右高速ターンは絶対テールスライドしない様に、慎重にブレーキングしますが、テールがつるっ、つるっ、といった感じで滑ります。なんとかこらえ、やはりクリップを奥にとってじわっと加速。出口のパイロンを離さない様に再び丁寧にブレーキングして奥のコーナーを抜けギャラリー前へ向かいます。グリップと相談しながらフル加速し、途中3速へ入れ、島の横でブレーキングを開始。ちょっとスピードが速いかと思いながら2速に落としステアリングを切りはじめるとテールスライドが。すぐカウンターをあてブレーキを抜いてみますがスライドはおさまらずゆっくり車はインを。もうあとにはひけず、このままドリフトでクリアしてくれと願いながらアクセルコントロールしますが、それもむなしくパイロンをクリアできない角度まで回ってしまい止まってしまいました。1速に入れ進もうとしますがパイロンがじゃまで進めず、頭をがっくり落とししかたなくバックへ。最もやってはいけないことやってしまい、監督の怒った顔が頭に浮かびました。2本目につなげるためにも気を取り直して1速から再び加速して3速で奥のコーナーへ。丁寧にブレーキングして2速で、奥目のクリップを抜けクリア。アクセルを開けると車の挙動変化が激しく、丁寧に加速。2速のままS字ぎみにギャラリー前へ向かい、島の手前でブレーキングして車を安定させ再び加速。島を越え、水たまりを抜けた直後からブレーキングを開始し、1速に落とし、もう止まりそうなスピードで右180度をサイドでクリア。かなりうまく決まり、ほとんど0発進の様なスピードから加速、再び右180度を少しパイロンから離れてクリア。加速して1速全開でゴール。タイムは当然のことながら悪く、1'21"7とトップの9秒落ちとのことでした。
監督のもとに戻ると、監督の冷たい視線が...もうあきれて何も言えないといった感じでした。

5.第二ヒートの対策

そして、第一ヒートの結果を見ると、なんとトップはノーマルタイヤのエボ4で1'12"9、それに続く2位は1'15"台と、ノーマルタイヤにメリットがあるのか、ドライバーの腕がいいのか、他のドライバーがだらしないのか、なんともわからない状況です。ラリータイヤ勢は思ったよりタイムが伸びず、敵はノーマルタイヤにあったとは...とにかく、もう優勝なんて言ってられません。シリーズポイントを重視し、確実にポイントゲットするため2本目の対策を。監督のとってくれたビデオをふくれた顔をしている監督の横で見ると、自分は結構うまく走っているではないですか。スピンしているシーンの秒数を数えてみると8〜10秒ほどあり、なんとそれが無ければトップ争いしてたかもしれません。監督の目にもかなりうまく走っている様に見えたらしく、なおさら悔やみ切れなかった様です。オフィシャルの方々や、他クラスの方にも“いい走りしてたのに“と言われ、非常にもったいないことをしてしまいました。
しかしながら、1本目でタイムを残せていないだけに、危険なことはできません。とにかく第一ヒートの再現をすべく、確実に走って1'13"あたりを狙いとにかく6位くらいを狙いたいところです。ドライの時の様な、コーナー進入で姿勢を崩していく走り方はやめ、ブレーキは直線で、スピードが落ちてからステアリング、という走法に徹底することにし、多少のタイムロスは覚悟の上で、確実なポイントゲットを心に誓います。ライン取りは、どうせスピードを落とすのですから最短距離ラインを。ギアは高め高めを使ってスムースな走行を心掛けます。
第二ヒートは、やはりラリータイヤ勢の動きが気になるところで、1'12"台が一つの鍵かと思われます。中には1'10"台を狙うなんて人もいましたが、私は確実に1'13"狙いでいきます。ちょっとアンダーオーバーを抑えきれなかった部分があったので、エアを前後ともさらに0.1落としてトライします。

6.第二ヒート

そして、第二ヒートが始まり、A4は私の出走前に1'12"台が連発している模様です。かなりあせりましたが、シリーズ上位を狙うにはポイントゲットが最重要と考え、とにかく第一ヒートの走りから自分の走りをすれば結果はついてくると信じ、絶対ミスをしない様にとスタート直前まで“抑えて抑えて”とぶつぶつ言いつづけました。そしてスタート。やはり緊張しているのか、旗がふられ、スタートしようとすると回転数が4000rpm以上にあがり、一瞬クラッチをつなぎそうになるのをやめ、回転数が落ちるのをまってゆっくりスタート。2速からゆっくり右コーナーを小さく小さくまわり、右鋭角コーナーを予定通りクリア。奥の右コーナーも丁寧に走り、小さく小さくクリア。ここまではまずまずです。そして3速に加速し、問題の左コーナーへ。かなりスピードが乗りましたが、抑えて抑えてと言いながら直線区間で十分に減速、2速にシフトダウンしてターンに入ります。奥目のクリップを越え、無難にクリア。そして再び3速まで加速。結構なスピードが出て、一瞬ブレーキが遅れ、“うっまたやってしまった”と思いながら、速度が落ちるまでステアリングを切らない様に決心しながら、これでもかというくらいポンピングぎみにブレーキを続け、ぎりぎりといったところでテールスライド覚悟でステアリングを左に切ると、つるっとテールが、“やばいぃ”と思いながら必死でステアとアクセル調節をすると、なんとか無事クリアすることができました。ほっとして、暴れるテールを抑えながらゆっくりと大きなS字ぎみにギャラリー前へ向かいます。とにかく抑えて、とぶつぶつ言いながら島の手前でかなり減速、小さく小さく回る様に向きを変え、最終セクションへ。島を越え、水たまり後ブレーキングして右サイドターンを、1本目より若干パイロンから離れましたが、大きなロス無くクリア。さっき遠かったもう一回の右サイドターンはパイロンから離れない様に回り、全開で加速し、2速にシフトアップしてゴール。勢いあまって坂の途中まで止まれませんでしたが、そこでタイムを聞くと“出ました、トップタイム更新、1'12"11、1本目から9"6のタイムアップです”と、驚く様な好結果でした。
小さくガッツポーズし、他車の様子を見に観客席へ戻ります。監督の元へ戻ろうとすると人が多くて戻れず、観客席の後ろで何人かと話しながら残りの車両の様子を見ますが、結局、上位陣は皆タイムアップするも、なんらかのミスをしている様で、1本目ベストタイムの佐々木さん、第二戦優勝の高橋さん、ポイントリーダーの三間さん等に抜かれることなく、なんと、1位で競技を終了しました。当然、県戦では初優勝です。

7.さいごに

多くの方に祝福され舞い上がってしまいましたが、ウェットで勝てると思ってなかった上に1本目大きなミスをしていたので、どちらかというとこの結果には、自分、監督ともに驚いてしまいました。気合を入れて踏んだとかいう感じではないので、なんかあっけないという印象です。しかし、ウェット路面、特に浅間台では、こういった走り方が重要なのかもしれませんね。
この第三戦に対して思うところは実は非常に大きかったので、ここで惨敗するのと優勝するのでは、我がチームにとって、シーズンを戦う上で大きな意味があったのです。とにかく、ポイント的にもだいぶトップに近づき、重要な浅間台で勝てたことによって自信が持てたことは何にも増してうれしいことです。また、神奈川戦第4戦まで1カ月半ほど開いてしまう直前のイベントを良い気分で終われたことによって、その間に予定している東京戦、スピマイカップも気持ち良く戦えるはずです。
今回の勝ちは、いつも熱くなってブレーキミスをしている自分を2本目になんとか抑えられたことが勝因と思われます。
余談ですが、今回でウェットレースは3戦目なんですが、一回目はスピマイカップinメーハイで初入賞、二回目はスピマイカップin胎内で初表彰台、そして今回は神奈川戦in ASLで県戦初優勝と、実はウェットものすごい得意だったりして。

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last modified : 19/Mar/97
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