「コルトー音楽祭」

発揮会では以前より当地域を文化芸術活動により活性化を図る試みとしての活動を継続してきました。
目標は、フランスの名ピアニストだったアルフレット・コルトーの名を冠した「コルトー音楽祭」を立ち上げることです。

アルフレット・コルトー(Alfred Cortot・1877−1962)は昭和27年に公演のため来日し、川棚温泉に滞在しました。そのときホテルの窓から見える美しい海の景色、特に厚島に魅せられ「こんな美しい夢のような島はない。ぜひ買い取りたい」と言い出しました。
当時の村長は「あの島に永久にお住みになるのなら無償で差し上げましょう」と快諾。コルトーは大いに感激し「私の思いはひとりあの島に残るだろう」とつぶやいたそうです。そして、厚島の名前も村人たちの賛同を得て『弧留島(コルトー)』とも呼ばれるようになったそうです。
その後コルトーはそのときの事を周囲の人に度々語り、また行きたいと話したそうですが、その夢を果たせずこの世を去りました。

その史実を偲び、コルトーを冠した音楽祭を立ち上げ、当地域の音楽芸術活動として育て、地域のイメージアップと活性化を図るため、私達のまちづくりグループ「発揮会」が地域の活動としてプレ・コルトー音楽祭を5年間継続して取組んできました。その成果が、川棚温泉交流センター・川棚の杜<通称・コルトーホール>の建設として実を結び1/17日にオープンし、こけら落としにピアノコンサートなどが開催されました。今後はこのホールを中心にコルトー音楽祭として定期的に開催されることになりました。プレ・コルトー音楽祭の活動は終了しましたが、発揮会の地域活動は今後も新しい形で継続します。

建築家・隈 研吾氏設計の川棚温泉交流センター・川棚の杜