ミニのキャブレターオーバーホール 


新型になってもまだまだ人気の旧ミニ。その中でもキャブ仕様のミニはかなりの数に上るでしょう。
メンテナンスやパーツ事情からインジェクションミニより長く乗れるかもしれません。
しかしキャブレターの構造上走行距離に応じたメンテナンスが必要なのも悩みの種。
黒煙を吐いたりプラグが真っ黒になったりしたら、まず調整。
それでだめなら思い切ってオーバーホールすることをお勧めします。

パート1

   
今回は一番普及している、SU シングルキャブワックスタイプHS4を取り上げます。その他のSUキャブも
大体同じです。ワックスタイプとは、ノズルの部分が温度変化で伸び縮みする空燃比コントロールタイプで
冷間時は濃く、温まるにつれ薄くなるようセッティングされたキャブです。
オーバーホールには適切な工具とパーツが必要です。古い英国車はスパナも普通のインチでは
合わない場合があり、特別なセットを使用しました。オーバーホールに必要なパーツがまとめてある
リペアキットが便利で、今回も使用しました。以後、分解洗浄したところからの解説となります。
    
ミニのキャブレタートラブルのほとんどが空燃比異常です。ノズルとジェットニードルとの隙間で計量された
ガソリンが出て行きます。この通路だけでアイドリングから全開まで受け持っています。
ですからよく点検し必要であれば交換します。交換は簡単ですが取り扱いに注意が必要です。
ノズルはチョークレバーと連動しており、動作の途中で引っかかりが無くスムーズに動くこと。
ニードルの位置はホルダーがピストン端面とツライチになるように。
   
空燃比コントロールはジェットニードルのテーパープロフィールで決まりますが、ノズルの位置(高さ)を
変える事でアイドル時のガス調整ができます。ピストンをセットしたなら必ず軽く動くか確かめます。
ネジを締めたらもう一度確認します。ダンパーピストンが固着していないか点検します。
ダンパーオイルはエンジンオイルやパワステオイル等を入れ、ロッドを利用して確認します。
オイルの粘度は神経質にならなくてもいいでしょう。吹き上がりが重い場合は粘度を柔らかくしてみましょう。

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