エンジンが逆回転! そのときキャブは?
エンジンが逆回転するなんて通常ありませんがそんな貴重な体験をしましたので報告したいと思います。
修理屋さんから「オーバーフローするからオーバーホールを頼みます。」との連絡を受けキャブを預かり、作業にかかった。別段悪そうなところは無かったが、症状からフロートバルブを取り替えて、オーバーフローのチェックを済ませて納品した。
しばらくして「依然オーバーフローしてエンジンがかからない。」と電話があり、詳しく症状を聞いてみた。まとめると次のようになる。
- 前日引き取ってきた時は別段エンジン不調は無かった。オイル消費は少し気になるレベルであるが・・・
- セルの廻りが悪くなったので、セルモーターをオーバーホールして交換した。
- それから急にエンジンがかからなくなった。
- キャブレターのエアクリーナー取り付け口から激しくガソリンがあふれ出て来るのでオーバーフローが原因と判断した。
- キャブレターをオーバーホールしたが症状は変わらなかった。
行って現車を見ることにした。確かにクランキングしてもいっこうにかかる気配が無い。しかも気になることが幾つかあった。激しくオーバーフローしているがちょっと変である。
- オーバーフローの仕方が激しすぎる。噴出してる感じである。
- アクセルを踏むとポンポンポンと言う音が聞こえる。
- 冷間時というのに全くかかる気配が無い。
クランキングすると逆流してるみたいにガソリンが噴出してくる。キャブの前に手を当ててみると吸うどころか吐いている。これはおかしい。プラグを外してみると全く濡れていない。ためしにマフラーに手を当ててみるとクランキングすると吸っているではないか。何故だ?タイミングベルトがずれてもここまで吸気と排気のタイミングがずれるか?そんな経験は無い。念のため1番を出してデスも1番が出るか試すと合っているみたいだ。セルモーターを修理してからかからなくなったのが引っかかる。エンジンの回転する方向を見る。左回り・・・。「このメーカーは右回りじゃなかったかな。」と修理屋さん。メーカーに確認してみるとやはり右回り。セルモーターの組み間違いだ!かかるはずが無い。色々な現象も納得がいく。面白い体験をした。
2002年12月
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