FCRアイドル不良

スローの状態がすこぶる悪い(薄い)FCRが入ってきた。詳しく聞くと、
2,3,4が全くで、エアスクリューをいっぱい締めこんでもなお薄く、少しでも開けると
爆発すらしなくなる。1番はまあまあ良いらしい。パイロットスクリューの調整や
スロージェットも交換したが変化は無い。別のキャブに付け替えると調子よくなる。
中古車なので履歴は解らないが見た感じは綺麗だった。

ここまでやっていれば見るところは限られてくる。スローの通路を徹底的に調べる。
スプレー(キャブクリーナー)を使って通路を丹念に調べていく。スロージェットから
スローエアジェット、パイロットジェット、スローポート、バイパスポート。
すべて通っているか、出方にも注意する。調べていくうちに、スロージェットの入る
穴を塞いでエアスクリュー穴からスプレーを吹いた時スローポートに出るはずが
少ししか出ない。しかも1番と2,3,4にかなり差が有る。さっきスロージェット穴と
エアスクリュー穴の通路は問題なく通ってたので、スロージェット穴とスローポートの
間で詰まってる事になる。そこはフロート室からボアに出て中子で覆われている。
フロート室にある2ミリのヘキサゴンネジ2個を取り外すと中子は外れる。
そして原因がはっきりした。

   
右端の写真、中央の穴の右側に走る溝がスロージェット、エアスクリュー、スローポートを繋ぐホットライン。
  
ガスケットがはみ出して通路を遮断している。非分解個所でガスケットの供給は無かった。
今回紙のガスケットを入れてみることにする。
 
ここはスローの通路さえ、確保できれば問題なさそうなので簡単な形のガスケットになった。

挟み込まれた個所のガスケットがずれる事は珍しくないが、もしかすると
キャブクリーナーが影響しているかもしれない。全体的にふやけていたので
泡のタイプのクリーナーで漬け置き洗いした可能性がある。
FCRのスロットルバルブには、不動バルブとの間にシールが有り、コーティングも
剥げやすいみたいなのでキャブクリーナーの使用は控えたほうが良いだろう。

この部分を非分解個所にしてガスケットを出さないのはちょっと解せない。
CRは紙であるが、ちゃんと部品供給がある。
フッ素ゴムを素材としたガスケットを出してほしい。よろしくお願いします。


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