外字を作る

外字エディタを使用して、独自の外字を作成します。その前に、次のことに注意してください。

◎作成しようとする文字が無いことをよく確認する

例えば、最近のWordは、unicode(ユニコード)という体系を使っており、JIS第3水準までの漢字があります。以前には無かった文字もありますので、よく調べてください。古いパソコンで使うにしても、新しいパソコンで外字を作成し、古いパソコンにコピーした方が、圧倒的に楽です。

◎外字は、外字を作成したパソコンでしか使えない

他のパソコンで使用するには、「外字ファイル」をコピーする必要があります。

◎共用する場合は、「外字コード」の一括管理を

作成した外字には「外字コード」を付けて保存します。複数のパソコンで、勝手に外字を作成・登録すると、外字を作成したパソコン以外のパソコンで印刷すると、異なる文字が印刷されてしまいます。

◎書体はなるべく1っに

通常の設定では、作成した外字は、フォントに関係なく同じ書体になります。従って、ゴシック体の文章の中に明朝体の外字が(あるいは、この逆が)入ることになります。外字をフォント別に作成・管理することは大変です。

ここでは、外字エディタ ver.5.1/WindowsXPで、(チュウ、儔の異字体)を作成する例を紹介します。

外字を作成する時のポイントは、「似たような字を呼び出し、合成したり修正する」ことです。
今回は、

侵(コード S-JIS 904e、unicode 4fb5)のヘンと、鋳(コード S-JIS 9292、unicode 92f3)のツクリを合成させます

◆外字エディタの起動

1)[スタート]ボタンをクリックし、

2)[全てのプログラム]==>[アクセサリ]==>[外字エディタ]をクリックします。

3)<コードの選択>画面になります。

これは、初めて登録する時の画面です。
ここではコード F040 に登録するものとします。
         [F040]-[0]の位置をクリックし、(上図赤枠内)
         [OK]ボタンをクリック
します。

 


◆外字エディタのツール

操作は、「ペイント」と酷似しています。

アイコン

名 前

概 要

鉛筆

キャンバスをクリックすると、1マス塗りつぶします。
右クリックすると消去します。
ドラッグすると、上の操作を連続して行います。

ブラシ

[鉛筆]と同じですが、2マス単位で行います。

直線

キャンバスをドラッグすると、開始と終了の2点間の直線にか掛かるマスを塗りつぶします。右ドラッグすると、消去します。

四角形

キャンバスをドラッグすると、開始と終了を対角線とする四角形を描きます。右ドラッグすると、消去します。

塗りつぶし四角形

キャンバスをドラッグすると、開始と終了を対角線とする四角形を塗りつぶします。右ドラッグすると、消去します。

楕円

キャンバスをドラッグすると、開始と終了を対角線とする四角形に内接する楕円を描きます。右ドラッグすると、消去します。

塗りつぶし楕円

キャンバスをドラッグすると、開始と終了を対角線とする四角形に内接する楕円で塗りつぶします。右ドラッグすると、消去します。

四角形選択

キャンバスをドラッグすると、開始と終了を対角線とする四角形内を選択します。ハンドルをドラッグすると、拡縮します。
選択した範囲内をドラッグすると、「移動」します。
選択後、[Delete]キーを押すと消去します。

自由選択

キャンバスを任意にドラッグすると、開始と終了で囲まれた範囲を選択します。ハンドルをドラッグすると、拡縮します。
選択した範囲内をドラッグすると、「移動」します。
選択後、[Delete]キーを押すと消去します。

消しゴム

黒く塗りつぶされた部分を、2マス単位で消去します。
[ブラシ]を右ドラッグするのと同じです。

◆外字“N”を作る

1)[ウィンドウ]メニュー==>[参照]をクリックします。

2)参照するフォントは明朝体ですから、[フォント]ボタンをクリックし、

3)<フォント>画面で、

      フォント名の“MS明朝”を選択し、
      [OK]ボタンをクリック
します。

今回の例では、「へん」と「つくり」の組み合わせで作成可能です。このような場合は、「つくり」の位置決めが難しいので、先に「つくり」を作った方がいいでしょう。


4)<参照>画面で、目的の字“鋳”を探します。

“鋳”のunicodeは92f3ですので、これをコードに入力すると、直ぐに探せます。
      “鋳”をクリックし、(上図赤枠内)
      [OK]ボタンをクリック
します。

5)<参照>画面を全て選択し、

(全て選択のショートカット キーは、無いようです)

6)<編集>画面の同じ位置にドラッグします。

[Ctrl]+[C]、[Ctrl]+[V]が使えます)

7)「へん」を消去します。

8)[ウィンドウ]メニュー==>[参照]をクリックします。

9)<参照>画面で、目的の字“侵”を探します。

“侵”のunicode 4fb5 を入力すると一発で探せます。
      “侵”をクリックし、(上図赤枠内)
      [OK]ボタンをクリック
します。

10)<参照>画面から、「にんべん」をコピーします。

[自由選択]ツールをクリックし、

◎「にんべん」を選択します。(上図の赤線)

ポイントは、左上隅からから選択することです。これにより、<編集>画面にコピーしても位置合わせが容易になります。

◎選択部分を<編集>画面の左上隅にドラッグします。

[Ctrl]+[V]、[Ctrl]+[C]の方が簡単です)

11)全体を見ながら微修正します。

12)完成したら保存します。

[編集]メニュー==>[同じコードで保存]をクリックします。

13)外字エディタを閉じます。

◆外字の修正

1)外字エディタを起動します。

2)<コードの選択>画面で、修正する外字を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

3)修正します。

4)[編集]メニュー==>[同じコードで保存]をクリックします。

5)外字エディタを閉じます。

◆外字の削除

外字を削除する機能は見当たりません。「外字の修正」で、すべて消去して保存してください。