東北北上山地 姫神山


2003.3.15 佐々木(単独)

 3月15日(薄曇り) JR東日本パス(8千円でJR東日本管内鉄道を一日乗り放題)で得々気分を味わおうと、岩手の山へ東京発日帰り山行にでかけた。最近、山登りの動機もこんな程度になってしまった。困ったものだ。

ザンゲ坂 姫神山(1124m)は低いけれど北上山地の名峰で日本200名山の一つ。八甲田帰りの車窓からみる優美なスロープの山容を見て、いつか登りたいと考えていた。

 朝一番の新幹線は超満員で、盛岡までの3時間半は立ちっぱなし。帰りの「はやて」は指定席がとれたから、まあ許せる。盛岡から、いわて銀河鉄道(旧東北本線)に乗り換えて好摩駅下車。駅から歩くつもりだったが、帰りの新幹線に間に合わせるために、奮発して登山口までタクシーを使う(2020円)。

 一本杉の登山口には数台駐車しており、すでに先行者がいるようだ。思ったより積雪豊富で1m近くあるが、トレースはばっちり。ちょうどヒゲのおじさんが出発していった。山小屋かと見まごう立派なトイレの脇から10時半に出発。

 ザンゲ坂(写真上段)の急登に一汗かいて小尾根に上がる。一応アイゼンをもってきたが、キックステップで十頂上の岩分だ。これだけの雪があれば十分に山スキーも可能なのにシュプールがないのは意外だった。あえて藪スキーをやる物好きもいないだろうが。

 単独のおじさん、おばさんが早くも下山してきた。振り返ると期待した岩手山はガスの中で見えない。明るい尾根を登り詰めると頂上直下の平坦な雪の広場だ。もう頂上を踏んできたらしく先行したヒゲのおじさんが休んでいた。

 雪の斜面を右から回り込んで頂上へ(写真中段)。12時10分着。360度の展望だが遠くの山々は霞んで山座同定もできない。南へ続くゆるやかな尾根は「青い山脈コース」というらしい。かつて姫神山ではスキー縦走大会が行われていたと何かの古い本で読んだが、そのルートなのだろうか?

姫神山遠望 風が冷たく10分も留まらずに下山にかかる。危険な個所もないので、雪のクッションに助けられ、悪い癖でついつい駆け下ってしまう。ワンコ連れおばさんと高校山岳部らしき集団とすれ違う。12時50分、登山口着。急いでアプローチシューズに履き替え、駅に向かう。

 振り返るおおらかな姿の姫神山は、やはり名山に値する眺めだった(写真下段)。好摩駅、14時25分着。盛岡駅で食事をして、15時40分発の「はやて」に乗ると2時間で大宮に着いてしまった。ちょっと慌しかったが満足できる山行だった。お得な切符を利用して、次は花輪線まで足を延ばし七時雨山の日帰りをしてみよう。

 【コースタイム】 (3/15)一本杉登山口10:35 姫神山12:10〜15 一本杉登山口12:50〜13:00 好摩駅14:25

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