上信越苗場山〜佐武流山〜白砂山


1975.10.30〜11.3 日野、下平、橋本、渡辺、家泉、石井、高森、八木下、佐々木
 10月30日(雨のち雪) 越後湯沢から八木沢まではバス。晩秋の冷雨に打たれての林道歩きは辛くうっとおしい。祓川から登山道に入る。和田小屋を過ぎるあたりからペースが乱れて遅くなる。上部の方はみぞれから雪になった。上ノ芝付近では2、3センチの積もっている。木道の上は下手に歩くとベトベトの雪で滑りやすい。神楽ケ峰(2030m)で時間切れ。湿雪は夕方の冷え込みでガチガチに凍った。

 10月31日(雨) 小雨のなかを出発。鞍部から雲尾坂の急登を終えて苗場山頂上(2145m)へ。寒いし雨だし、面白くもなんともない。晴れていればの思いを残して湿原をゆるく下っていく。濡れた木道は始末が悪くズデンズデンと転ぶ者が多い。小雨ながらも展望があるので救われる。鳥の羽を広げたような鳥甲山(2038m)がなかかないい。赤倉山(1938m)は樹林の中のひっそりとしたピークであっさり通過する。その後ヤブがはびこりだしてなかなか進まなくなった。薄暗くなっても良い幕場が見つからない。ついにはライト片手にヤブを漕ぐはめになった。水のたまっている窪地にサイトすることになる。水たまりから汲んで湧かしたお茶は暗くてよくわからなかったが、コーヒー色に近かった。

 11月1日(快晴) やっと晴れた。いままでのうっぷんを晴らすような快晴だ。一面の雲海がゆっくりとなびいていく。早朝の冷気を通して伝わる太陽の暖かみがありがたい。踏み跡はナラズ山(2051m)を巻いていくがヤブっぽい。スズタケに隠されてすぐはずしてしまう。佐武流山まで行くのか単独行者が追い抜いていった。樹林の間から遠く北アの白い連山がかいま見えた。新雪の山にはいつもハッとさせられる気高さがある。水無尾根が分岐する手前の鞍部で水汲みをした。佐武流山直下から踏み跡は明瞭になる。頂上は狭いが展望が良かった。ヤセ尾根を下ったところでまた時間切れでサイト。この山行はまともな場所に泊まらせてくれない。夜はさすがに寒く、星がギラついていた。

 11月2日(晴れ) 昨日よりは暖かい朝を迎えた。赤土居山手前の鞍部で水汲み。赤土居山を過ぎると岩尾根になり、清津川側に深く切れ落ちている。どちらを向いても山また山。深山のど真ん中にいることを感じさせる。白砂山がかなり近づいてきた。沖ノ西沢の頭(2035m)の下りは尾根が広く、倒木とササに悩まされる。白砂山の登りは明瞭な踏み跡がありピッチが上がる。3度目の白砂山は「また来たよ」といった感じである。つい1カ月前にも清津川本谷から登ったばかりだ。堂岩山手前鞍部の稜線を南側に30m下った平坦地にサイトする。水はないが幕場としてはなかなか感じがいいところだった。

 11月2日(晴れ) 夜に雪が降り、朝はかなり冷えた。堂岩山(2034m)から地蔵峠を駆け足で下る。昨日までのヤブ尾根に比べれば足は軽い。野反湖岸の道に出ると、花敷まで4時間半の長い長いロードが待っていた。花敷温泉では小屋掛けの露天風呂で疲れをいやした。
 なお、赤倉山〜白砂山間でサイト可能なのはほんの数カ所で、ナラズ山頂西側、水無尾根分岐、佐武流山北側1.2km地点、沖ノ西沢の頭・白砂山最低鞍部の4カ所くらいだった。このうち佐武流山北側が幕場として最適のようだ。

 【コースタイム】 (10/30)八木沢6:55 和田小屋11:55 下ノ芝14:10〜15 神楽峰16:20〜(10/31)7:00発 苗場山8:40〜55 赤倉山14:45〜55 ナラズ山手前18:25〜(11/1)8:10発 ナラズ山直下9:50〜10:10 最低鞍部手前(水汲み)12:22〜13:00 佐武流山16:15 佐武流山南東1.8km地点16:50〜(11/2)7:05発 赤土居山手前鞍部(水汲み)7:30〜8:30 赤土居山9:15 沖ノ西沢の頭11:15 白砂山14:37〜55 堂岩山手前鞍部16:15〜(11/3)7:40発 堂岩山8:05 地蔵峠9:40 ハンノ木沢10:25〜11:10 野反湖11:30 花敷温泉口16:00

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