八ヶ岳・横岳西壁中山尾根


1991.1.14 吉田寛、永瀬、佐々木、平塚

 1月14日(晴れのち曇り) 定着山行も今日で3日目だ。きのうは裏同心ルンゼを登り、時間があったので大同心ルンゼ大滝を見に行き下部だけ登ってみた。きょうは中山尾根なので早起きして6時45分に出発する。昨日までの雪がやんで晴れ上がり、絶好の登攀日和。中山乗越から樹林帯を抜けて中山尾根第一岩壁の取り付きは一番乗り。

第二岩壁 トップの吉田君が、ビレー点から直上せず右下にトラバースし、右手の凹状部をルートにとるが悪そうだ。正規ルートは取り付きから左上に斜上していくらしく、2番手のパーティーが取り付いた。滝の落ち口のようになった凹状部には平塚君とぼくが同時に登り、さらにぼくが引くザイルで永瀬さんを確保する。第一岩壁を右から巻いた形となったのでラッセルして稜に戻る。岩の露出したヤセ尾根をノーザイルで行くと第二岩壁の取り付きだ。石尊稜や日の岳稜など横岳西壁の眺めがいい。

 頭上20mのハング気味のクラックをめざし吉田君が登り始める(写真)。左手のスラブ状か、その左がルートらしいが、右側に移り、平塚君が持ってきたアブミ1台を残置して切り抜ける。3パーティーが順番待ちしている。セカンドとしてスラブ状を登って見ると比較的楽に登れ、アブミ回収のため右ルートをとった平塚君は時間がかかる。雪稜の灌木でラストの永瀬さんを確保。

 この上は2パーティーに分け、吉田、平塚が先行し、佐々木、永瀬が続く。やさしい快適なミックス壁を登り、トサカ状の鋭い岩稜でピッチを切る。吉田、平塚パーティーは、ここからトラバースして主稜線に出て終了、我々もあとを追う。12時35分。朝飯以来なにも口にしていなかったので腹がへった。地蔵尾根を駆け下り帰幕。きょう入山した森広さんが1時間遅れでベースに戻る。中山尾根の第一岩壁を登ったところで下りてきたとのことだった。

 なお15日の最終日は大同心南稜で締めようということだったが、あいにくの雪。このまま下るのももったいないのでジョウゴ沢右俣を登った。中山尾根で穴の開いた手袋をしていた吉田君は、指先が凍傷にかかって水泡ができてしまい、帰京後病院に駆け込んだ。

 【コースタイム】 (1/14)赤岳鉱泉6:45 中山乗越7:05 第一岩壁取り付き8:00 稜線12:35〜55 赤岳鉱泉13:55


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