奥秩父・瑞牆山〜金峰山〜甲武信岳〜雲取山〜三峰山


1973.12.16〜21 佐々木、郷田、長崎

 山登り1年生にとっての締めくくりは、前もって奥秩父全山縦走と決めていた。11月下旬の四阿山では予想外の積雪で遭難未遂事件を起こしてしまったが、冬山入門には天候の安定した奥秩父はもってこいだった。まだ積雪は少なく全行程とも小屋を使えるので安心できるし、6日間で出会った登山者はたった数人という静けさも良かった。

 12月16日(曇りのち雪) 増富で数人の登山者とともにマイクロバスに相乗りする(1人500円)。これでアプローチはほとんど歩かずにすみ、今日の行程は楽になった。富士見平小屋に重いキスリングをデポし、瑞牆山をピストンする。再び富士見平小屋に戻り、大日小屋へ着く頃には雪となった。小屋は傷みがひどく、小雪が吹き込んできた。

 12月17日(曇りのち晴れ) 数センチ積もった雪を踏みしめ、岩稜帯を金峰山へ向かう。寒気は厳しく霧氷が美しい。山頂は凍える寒さでのんびりもできず、キラキラと雪で輝く樹林の中を朝日岳へ。早めだが、大弛小屋に入る。小屋奥の座敷に泊まるが、ガランとした小屋内は何となく不気味だ。

 12月18日(晴れ) 奥秩父の最高峰・北奥千丈岳(2600m)をピストン。国師岳から大きく下り、登り下りを繰り返して甲武信岳を目指す。奥秩父の核心部らしく周囲の山々は深い。やや、疲れ気味で甲武信岳頂上を踏む。甲武信小屋には我々のほか、山岳部員だという高校生2人が泊まるのみ。

 12月19日(晴れ) 今回の一番の長丁場となった。雁坂峠では、眺望のすばらしさとキツネ色のカヤト原についのんびりとしてしまう。行く手左にどっしりと根を張る和名倉山が気に入りスケッチする。富士山の眺望もなかなか絵になるところ。笠取小屋を目標に歩いたが、小屋じまいの管理人がいたので泊まれず、仕方なく将監小屋まで頑張ることにする。山腹につけられた起伏のない道をガンガン飛ばすものの、次第に日没が近づき少々あせる。途中、道を覆って張っていた氷で郷田が滑って転倒し、頭部をしたたか打つ。17時からはヘッドランプをつけて歩き、将監小屋に着いたときは星空の下だった。感じのいい小屋だったが、遭難者の捜索ビラがちょっと気になった。

完走記念 12月20日(晴れ) 前日の疲れが朝寝坊させた。ここまで来れば完走したも同然なので、ゆっくりと出発の準備をする。展望のいい飛竜山禿岩で昼食とする。心地良い陽射しを浴びて大菩薩方面と富士山をスケッチしたりして、またまたのんびりとしてしまう。今日は雲取山までという安心感があった。でも、三条ダルミまで来るとさすがにバテて、最後の登りはみな黙々と歩む。山頂避難小屋に着いたときはもう薄暗かった。同宿者は1人のみで、暖炉に火がつかなくて苦労していた。水が足りないので、郷田と2人で雲取小屋の水場まで水くみに行く。

 12月21日(晴れ) ここまで来ると歩く道も人臭くなったような気がする。三峰山では奮発して食堂で飯を食ってしまった。三峰口まで下りると、荒川村出身のYが出迎えてくれた。白久のYの実家へ行き、晩飯をごちそうになった。(写真=三峰山の下山途中で完走記念に)

 【コースタイム】 (12/16)富士見下9:15 富士見平小屋9:20〜25 瑞牆山10:30〜11:00 富士見平小屋11:55〜13:00 大日小屋13:45〜(12/17)6:50発 大日岩7:20〜30 砂払い下8:20〜30 金峰山10:40〜11:20 朝日岳12:20〜13:15 大弛小屋14:10〜(12/18)6:55発 前国師岳7:35〜50 北奥千丈岳8:00〜10 国師岳8:15 東梓10:15〜25 富士見台13:25 水師14:00〜25 甲武信岳14:55〜15:25 甲武信小屋15:30〜(12/19)7:05発 笹ノ平避難小屋7:50〜8:10 破風山8:45〜55 雁坂嶺10:10〜50 雁坂峠11:10〜12:10 水晶山12:40〜50 燕山13:45〜14:10 雁峠14:20〜40 笠取小屋15:00〜10 将監小屋17:40〜(12/20)9:00発 禿岩11:00〜12:55 前飛竜山13:25〜35 飛竜権現14:00〜15 三条ダルミ16:00〜20 雲取山16:45〜(12/21)8:15発 大ダワ9:15〜25 白岩小屋10:20〜40 霧藻ケ峰11:45〜12:00 三峰山12:55〜14:00 大輪15:35


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