八ヶ岳・横岳西壁小同心クラックルート


1990.12.24 森廣、武生、佐々木

 12月24日(曇り) 美濃戸口を7時に発つ。暖冬とはいえ寒さは相変わらずだ。晴れているのに上部はガスでほとんど見えない。雲の流れから風が相当強そうだ。9時25分、赤岳鉱泉に着き、黙々と準備するも手がかじかんで痛い。いつのまにかすっかり曇ってしまっていた。もう下山してきたパーティーがいる。裏同心ルンゼに少し入り、藪漕ぎ混じりで急登して大同心稜に上がるとトレースがあった。大同心ルンゼ側から取り付いた方が良かったようだ。

2ピッチ目 大同心の岩壁基部から少し下り、大同心ルンゼを横断して小同心クラックの取り付きに着く。風が強くなり、とにかく寒い。指を叩いていないと感覚がなくなる。12時50分、森廣トップで登攀開始。

 1ピッチ目、左上してクラックを登り狭いレッジに立つ。ホールドはしっかりしているが、残置ハーケンは錆びついて信用できない。2ピッチ目は、15m登って左に移る部分が核心部だ。大股開きのあと、体がクラックの外側に飛び出す感じで高度感満点。厳しい姿の大同心を見下ろすくらいの高さとなる。3ピッチ目は左上して肩に出て一応終了。14時50分。

 ザイルを解いて稜線直下の岩壁基部へ。終了点を過ぎてザイルをつけないで登るからなのか、この岩壁の直登ではわりと事故が多いという。ぼくらは直登はせず、途中から左にトラバースして縦走路に出た。

 風が吹き荒れる硫黄岳の稜線では時々立ち往生させられ、赤岳鉱泉に下りるまでが長く感じられた。17時着。ヘッドランプのお世話になって美濃戸口まで頑張ったが、バス便はとうになくタクシーを呼んだ。中央線鈍行は甲府止まりで、急行に乗り継いだら朝帰りとなってしまった。

 【コースタイム】 美濃戸口7:00 赤岳鉱泉9:25〜50 小同心クラック取り付き12:30〜50 終了点14:50 縦走路15:10〜25 赤岳鉱泉17:00〜20 美濃戸口19:25


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