東北・神室山地・禿岳中峰尾根


1979.1.3 佐々木(単独)
 1月3日(晴れのちガス) 田野原からいつもの道を足早に鬼首高原へと向かう。田んぼに囲まれたアプローチから眺める禿岳は、いつ見ても屏風のように堂々として美しい。それが自分のカメラにおさまると、どうにも平凡な山にしか写らないのは技術のせいか? とにかく今日も山村のたたずまいを味わいつつ、今は誰もいない高原キャンプ場のトーテムポールに着く。雪は少なく15cmほどだろうか。下山者の足跡が妙に寂しい。遭難碑のある中峰登山口から雪の融けた道を登り始める。

 ブナ林となるとやや歩きやすく雪もあるが、それを抜けると一旦たるんで細い尾根となる。稜線直下はかなりの勾配で、木の根やらヤブ頼りに越す。稜線へ出たと思ったら、吹き溜まりが腰までもぐり、あわててワカンをつける。トレースは強風に消されたらしい。ちょっと苦しいが、さほどもぐらない。少し雪庇の出かかった起伏のないヤセ尾根をつたって頂上へ。残念ながら視界が悪くなってしまった。それまで見えていた西の神室連峰は真っ白だった。また、栗駒山の純白でたおやかな姿も終始印象的だった。

 【コースタイム】 田野原9:55 キャンプ場10:25〜40 尾根取り付き11:10〜15 稜線13:15〜20 禿岳14:00〜05 キャンプ場15:20〜30 田野原16:00



1991.12.31〜1992.1.2 佐々木、阿部

 12月31日(晴れ) 出発前日の30日に、自宅で靴下に隠れていたハチに左くるぶし内側を刺され腫れ上がってしまった。洗濯後、干した際に靴下に入り込んだのだろうか。しょうがなく縦走はあきらめピークハントに変更した。

 原台のラーメン屋で腹ごしらえしてから出発し、雪の少ない禿キャンプ場にBCを設営する。鬼首ゴルフ場の造成工事が始まっておりビックリ。ブルドーザーがうなりを上げていた。年末だというのに騒々しいことおびただしく、何とも気分が悪い。この高原も見納めという訳か。ブルーな気持ちを吹っ切るように、その夜はドンチャン騒ぎした。

禿岳 1月1日(曇り) 気乗りしなくなったが、とりあえず頂上は踏まねば。中峰尾根を3合目まで来ると雪も深くなる。ツボ足で十分だが、阿部君は慣れておらずイライラしている様子。ヤセ尾根から再び急登と露岩になったので、阿部君はアイゼンをつける。

 その後は、ぼくがトップでラッセルを続けるが、主稜線の手前はさらに雪が深く、午後3時までに頂上に着かなければ、引き返すことにする。バテて遅れる阿部君を尻目に、まだ雪庇の発達していない稜線を飛ばし、なんとか14時25分に頂上着。寒いし展望もなく記念撮影後、早々に下山。

 1月2日(晴れ) 登山者が1人やってきた。正月だというのに静かな山である。快晴で禿岳の全容が見渡せる(写真)。鳴子に行って滝ノ湯につかり、青春18キップでのんびりと帰京した。

 【コースタイム】(12/31)原台14:30 キャンプ場15:00〜(1/1)8:15発 尾根取り付き9:00〜15 3合目上10:30〜45 稜線13:55〜14:05 禿岳14:25〜35 キャンプ場16:50〜(1/2)9:30発 中田野10:05


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