東北・鳥海山(祓川〜湯ノ台)


1994.5.28〜29 吉田(幸)、佐々木、鈴木、一ノ瀬、松沢、高野、石川


 ちょっと時期は遅かったが、2日間とも快晴にめぐまれて新緑駆け上がる鳥海山でシーズン最後の山スキー楽しむことができた。

 5月28日(快晴) 羽越本線羽後本荘で由利高原鉄道に乗り換えて終点の矢島へ。食糧買いだしのあと、タクシー2台に分乗して祓川へ向かう。祓川ヒュッテは電気、電話、水洗トイレ付きのきれいな小屋だ。宿泊手続きをすませてから、明日のルートの下見をかねて滑りに出かける。竜ケ原湿原の雪解けも進んで、水面に映る稲倉岳が印象的だ。鳥海山も豊富な残雪をまとっているが、例年よりは少な目のようだ。

 登ること1時間40分ほどで氷ノ薬師(標高1800m過ぎ)に着く。16時前でまだ時間はあるが頂上は明日の楽しみに回そう。ここからでも十分滑降が楽しめる。ザラメ雪の広大な斜面を思い思いに滑って、20分ほどでヒュッテに着いてしまう。買い付けてきた豪勢な夕食を囲んで入山祝い。今回は徒登行山岳会から4人、紫峰山岳会から3人の混成パーティーで、大いに交歓する。

鳥海山の残月 5月29日(快晴) 快適な小屋のおかげでぐっすりと眠れた。残月がまだ鳥海山の上にある午前5時出発する。きょうは最初からシール登行だ。昨日と同じ快調なペースで氷ノ薬師を過ぎ、谷間を抜けて左上していく。頂上に続く大斜面をジグザグ登行して高度を稼ぐ。東方に虎毛、神室、栗駒、焼石など、おなじみの山々が見渡せる。七高山(2229m)に立つと火口をはさんで岩石累々とした最高点・新山(2236m)が眼前にあった。鳥海山の最高点だけに登らないわけにはいかない。ザックとスキーをデポして往復する。

 行者岳(2159m)を越えたところから待望の滑降に移る(下写真)。大きく回転していくが、ついついスピードオーバー気味になる。高度差300mを滑って右手の尾根を越えなければならない。右へ右へと雪をつないでいくために合計4回の予期せぬ藪こぎを強いられた。ハイマツの藪こぎのコツはスキーを担いではいけない。進む方向へスキーを放り投げることだ。
 
行者岳からの滑降 八丁坂の河原宿小屋と同じくらいの高さからは再び大斜面がひろがっていた。藪こぎのうさを晴らすべく飛ばす。登ってきた単独行者に聞くと車道は雪が切れているとのことで、荒木沢の谷間に滑り込む。洞吹滝が出てくる手前の1020m付近で左手の車道に上がって滑降終了。のんびり昼食をとったあと、所々雪の消えた車道を下っていく。振り返ると、滑ってきたルートがよく見えた。

 山菜取りの車が目立つ。幸運にも軽トラックがとまってくれて、全員の荷物を積んで湯ノ台温泉鳥海山荘まで運んでやるという。一番年寄りのM氏と紅一点のIの2人も乗せてもらえた。身軽になった残りの5人も1時間ほどで温泉到着。温泉から上がるとM氏差し入れのビールが待っていた。

 【コースタイム】(5/28)祓川ヒュッテ13:55 氷ノ薬師15:35〜55 祓川ヒュッテ16:15〜(5/29)5:05出発 七ツ釜6:10〜20 氷ノ薬師7:00〜15 七高山8:40〜55 新山9:20〜35 行者岳先9:50〜10:10 荒木川滝上(スキー終了)12:05〜13:10 湯ノ台温泉15:02


HOMEへ戻る