上信・黒斑山〜三方ケ峰〜地蔵峠山スキー


1976.2.8〜9 佐々木、高山


 2月下旬に予定している根子岳〜四阿山のトレーニング山行。山スキーだけでなくワカンも利用し、ツエルトビバーク、雪洞体験と収穫の多い山行だった。

 2月8日(晴れ) 前日は、小諸からバスで車坂峠まで上がった。15時10分。着いたとたん地吹雪に襲われ、ほうほうの体でザックを移動する。とても雪洞を掘る状況になくツエルトを引っぱり出し、スキーとストック、ピッケルを利用する。強風でまともに張らせてくれないが、とにかく中にもぐりこんでふて寝してしまった。

黒斑山から浅間山 きょうは6時すぎに早出。スキーを使わず、ワカンをはいて浅間山の外輪山・黒斑山(2,414m)に向かったのだが、これが失敗した。さらさらの雪で“足ごたえ”がなく、しんどい思いをする。ワカンによるラッセルが初めての高山の方が頑張ってくれた。こちらから見る湯ノ丸山方面のアングルは、いつもと違って新鮮味があった。上部は倒木帯となっていて積雪の中に空間があり、へたをすると倒木と倒木の間にはまりこんで容易には抜け出せない。結局、頂上50m手前でへたりこんでしまった。10時20分。しかし、冬の浅間の勇姿(写真)を間近に見ることができたので満足して下る。登る途中、トーミの頭の方から「オーイ」と声がするので、こちらからも応答してみたが人影は現れなかった。あれは何だったんだろう?

 ベースへすたこら下りて、今度は山スキーで三方ケ峰(みかたがみね、2,040m)に向かう。七千尺コース(水ノ登山〜篭ノ登山)は結構苦労するとの話なので、南側を走る林道を利用してショートカットして行く。すっぽり雪に覆われた平坦な林道ラッセルに時間を食い、七千尺の下あたりでアゴを出し、池の平の駐車場に着いたのは時間切れ寸前だった。16時15分。さらに雪洞作りで2時間体を酷使するのは辛いものの、穴掘りは楽しいものだ。ちょうど二人用の大きさとなったところでブッシュが出てきた。荷物を入り口へまとめローソクを灯すと、ドッと疲れが湧いてきた。

池ノ平 2月9日(晴れ) 朝、目覚めると高山が息苦しいと言う。そういえば呼吸しずらい。ローソクをつけようとマッチを擦ってもすぐ火が消える。二、三回繰り返して、二人で「あっ」と思って入り口のポンチョを押してみると、雪で埋められてしまっていた。外は地吹雪で、入り口の位置が悪かったらしい。雪洞から這い出して四阿山方面をみると、覆われた雲の流れでかなりの荒れ模様であることがわかる。入山しているTパーティーは苦労していることだろう。

 8時から1時間かけて広大な池ノ平(写真)と三方ケ峰をスキーで一周してみた。滑降の楽しみはないが、スキーワンダリングにはもってこいの場所だろう。あとは地蔵峠へと下るだけだ。キスリングザックを背負った奇怪な連中が、スキーでころげ落ちるように地蔵ゲレンデへ侵入する。リフトに乗っている人々からまじまじと眺められてしまった。

 【コースタイム】 (2/8)車坂峠6:05 黒斑山直下10:20〜11:00 車坂峠12:20〜13:20 池ノ平駐車場16:15〜(2/9)8:00発 三方ケ峰8:10 池ノ平駐車場8:30〜9:00 地蔵峠10:30


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