東北・八甲田 赤倉岳〜高田大岳〜猿倉温泉口



1996.5.4 佐々木保、他7人(西岡、上石、小沢、牧田、岸、木村、河原)


 勤務先関係の人達と行く恒例の春スキー。高田大岳は過去3回登っているが、これは最近のしかも大ドジを踏んだ記録です。

 5月4日(晴れ) 2日と3日は酸ヶ湯温泉をベースにショートコースで遊ぶ。ダイレクト、モッコ沢、中央、フォレスト、八甲田温泉の各コースで足慣らし。スキー自体久々なので足がガクガクする。今年は例年にない大雪だが、モッコ沢下部は沢身が出ており滑降禁止となっていた。

 晴れ上がった4日は、ロープウエー山頂から赤倉岳経由で高田大岳をめざす。赤倉岳の登りはシールを使わずツボ足のほうが早い。ここの稜線はいつも風が強く、担いだスキーであおられる。箒場岱コースへの大斜面を滑り、尾根末端を大きく右へ回り込んで一つ向こうの沢へトラバース。この沢を詰めれば高田大岳と小岳との鞍部に至るが、昼時なので大休止とする。このあたりは風もなくのんびりできる場所だ。赤倉岳にウジャウジャいたスキーヤーも、ここまで来るといなくなる。(写真=高田大岳の登りから見る小岳と大岳

小岳と大岳 シールをつけて鞍部へ快適に登っていく。小岳からテレマーカーやスノーボーダーらが滑ってくるのが見える。山頂直下までシール登行で頑張るが、かなり風が強く寒くなってきた。遅れがちのNさんの面倒をみて皆を先に行かせていたので、頂上に着いたら滑降地点まですぐに誘導することにした。寒がっている皆に「いくよー」と声をかけ先行する。頂上から10m下り左への踏み跡に入る。間違いはここで起きた。滑降点で待っていると皆が来ない。6人のうち3人は2回きているから分かっているはずだが…。数分待っただろうか。イライラして登山道へ出てみると、下から夏道を皆が登ってくる。「おいおい、何やってんの」と聞くと、二番手のO氏が僕を追いかけてものすごいスピードで下っていき、声をかけたが、見えなくなってしまったとのこと。「俺はここにいるじゃないの」「登山道を下っていったと思ったらしいよ」。踏み跡の入り口で待つべきだったか……怒りと後悔が交錯する。

 とりあえず、谷地温泉への滑降を2回経験のあるKにまかせて、僕はO氏の後を追う。150mほど道を下ってようやく雪が出てきて、スキーをつけた跡を見る。ところがシュプールは、なぜか小岳の方に戻るようにトラバースしているのだ。ヤブを強引に突っ切るためスキーをぶん投げたあとがある。僕もスキーを脱ぎ同じようにぶん投げて抜け出す。あきれて「何やってんだ、全く」を連発する。どうやら先行者のトレースを追っているらしい。このまま大斜面を滑っていけば車道(八甲田ゴールドライン)に出られるのに。小岳との鞍部に近付いたところで、ようやく猿倉温泉口へ向けシュプールが続いていた。やれやれ、これで猿倉温泉口のバス停で合流できる。とホッとしたが、バス停にO氏の姿はなかった。

 そのころO氏は、必死の思いで車道まで滑り下ったあと、さらに谷地温泉へ向けて猛然と歩いている最中だった。「タモツの野郎、いきなり消えやがって」とののしりながら。(なお、5日は悪天候のなか、酸ヶ湯から仙人岱ヒュッテまで往復したのみ)

 【コースタイム】 (5/4)ロープウエー山頂駅9:40 赤倉岳10:50 高田大岳14:30 猿倉温泉口16:00 


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