会越・浅草岳早坂尾根〜ムジナ沢山スキー



1981.4.11〜12 山口、糸井、岡田、北詰、中山、吉村、佐々木

 4月11日(霧雨のち曇り) 大学のクラブの現役と山へ行くのも久しぶりだ。特大のキスリングザックに詰まった彼等の重装備を見ると、こちらは寒気がする。よくまあ、あんな重いものを背負うもんだと思う。数年前まで自分もそうだったが……。

 夜行で小出に着くと、今シーズンの雪の多さに驚く。まだ2mほどはある。只見線へ乗り換え、明け方の雪景色を車窓から眺めていると気が引き締まる。

 大白川駅から五味沢へ向け除雪された道を歩く。大白川の集落を過ぎると、両側、雪の壁が高い。音松荘の少し手前で除雪作業が急ピッチで進められている。シール歩行に移り、破間川沿いの林道から石沢林道へはいる。ガスが濃くなり、広大な雪原地帯では現在地の確認に行きつ戻りつする。5万図で湿原となっている付近に幕営。14時45分。

 4月12日(曇り後快晴) 6時7分、上部のガスが晴れないが、出発。894m峰東側の鞍部めがけて小沢をグイグイ登る。ベースのテントが豆粒のように小さくなる。早坂尾根末端部は急で、標高1000m付近の急登でシールが切れてしまった。未修理のままだったことを悔やみながら糸と針を取り出す。

 急登を乗り切ると、右手がスッパリ切れ落ちたヤセ尾根となる。1100m付近までジグザグ登りで汗をかかせられた。幅の広い緩やかな尾根と変わる。ガスが濃く、目標物がないので、50〜100m間隔で竹ザオを立てていく。県境尾根が合流するころにはガスが晴れ、青空が広がってきた。守門岳がいちはやく真っ白な姿を見せた。

早坂尾根 腰が痛み、現役より10分程遅れて浅草岳頂上へ着く。9時30分。いつのまにか快晴で、越後、会津の山々がズラリと見渡せる。眼下の鬼ケ面山の黒々とした岩壁がすさまじい迫力だ。山々の展望を存分に楽しみ、ベースに戻る現役を見送る。早坂尾根(写真)からベースまでの滑降は快適そうだが、ムジナ沢の方が面白い。

 前岳を下っていると、スキーをかついだ7、8人のパーティーが登ってきた。1484mの嘉平与のポッチの手前からスキーをつけ、ムジナ沢源頭の急斜面に滑り込む。しょっぱなクレパスに突っ込む失敗をやらかしたが、35度ほどの斜面を大きな斜滑降で切り抜け、後は快適なターンで飛ばす。1100m付近に出た15m滝は左岸から通過。林道出合に近づいて小滝が一、二出ているだけで、標高差1000mを1時間で出合いについてしまった。12時5分。

 昨日歩いた道を大白川集落手前の橋のたもとで休んでいると、車で通りかかった釣り人が駅まで送ってくれた。

 【コースタイム】(4/11)大白川7:00 音松荘9:30 5万図の湿原14:45〜(4/12)6:07発 浅草岳9:30〜10:40 ムジナ沢出合12:05〜30 大白川集落手前13:40



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