上信・七千尺〜湯ノ丸山〜鍋蓋山山スキー



1989・3・18〜19 佐々木(単独)

 3月18日(地吹雪のち晴れ)  今回は青春18切符を利用して零時01分発の松本行きに乗り、中央線、小海線経由で小諸に出た。冬型気圧配置が強く、相当冷え込んでいる。午前10時20分に車坂峠でバスをおりるが、あまりの地吹雪にたまりかねて車坂山荘に飛び込む。もちろんリフトも止まっていたので、おしるこを注文して様子をみる。昼近くになって強風は相変わらずだが、七千尺(水ノ登山〜篭ノ登山の通称)方面のガスがとれはじめたので出発。ちょうど正午だ。

 時々襲う強風によろめきながらスキー場を横断。水ノ登山の登り口に来ると、風も弱まる。所々に赤布や標識があるが、クラストした急登では、シールがうまくホールドしてくれない。頂上直下で右手に18番のプレートを見る。どうやら水ノ登山の巻道らしい。小さく巻いて稜線に出たところでスキーをデポし、頂上を往復。篭ノ登山への稜線は、それほどスキー向きとは思えぬほどうねっている。北側を巻いていくらしいのだが、かつてこのコースに山スキーできた友人の1人は、ひどい目に遭ったと言っていた。

 縦走し始めて最初のコブを直進できず、やむなく右側を巻いていくが、急斜面とヤブでスキーが思うように操作できない。下へ下へと降りたくなるのを我慢して尾根幅が広くなって二重稜線のようになった尾根上へ。もっと通過しやすい下をトラバースしてきても、ここに出られるようだ。そのまま稜線上を進み、篭ノ登山への登りの樹林帯へ。プレートや標識は右手についている。そして44番のプレートから山腹をトラバースしている。そのまま進むと西篭ノ登山との鞍部に出そうなので、途中で左上して篭ノ登山に向かう。頂上へは岩と岩の空洞を踏み抜いたりして結構消耗してしまった。このコースは古典的とはいえ、おせじにも山スキー向きとは言えない。

 頂上は風も冷たく、急いでシールをたたむ。下りはあまり快適そうでもない。実際、中身サラサラのモナカ雪で難しい。斜滑降とキックターンでごまかし、ヤブの多い樹林帯に入る。枝にはねられたり、木に衝突したり、こけながらも林道へ出た。やれやれあとは快適に飛ばし、湯ノ丸スキー場まで一気だと思いきや、厚く積もった林道の雪はスキーを滑らしてくれない。ほとんど歩きに近い状態でスキー場最上部に着いたときは、リフト運転も終了、圧雪車がスキー場を整備中だった。うっぷんを晴らすようにスキーヤーのいないゲレンデを飛ばして、アヤメ平の入り口付近のカラマツ林でツエルトを張る。

角間山から湯ノ丸山 3月19日(晴れ) 1時間おきに目がさめたが、わりとよく眠れた。ツエルト内の温度はマイナス13度で結構冷え込んだ。不覚にも兼用靴を外に出しっ放しだった。地蔵山荘でコーヒーを飲みながら、靴が柔らかくなるのを待った。リフト運転まで1時間以上も待切れないので、ゲレンデを登り始める。今日は風もおさまり、絶好の日和だ。湯ノ丸山へ、牧柵に沿ってゆっくり登る。頂上に近付いて振り向くと、鹿沢スキー場方面からも二人の山スキーヤーが登ってきた。湯ノ丸山南峰で風を避けて代休止。四阿山は昨日と同じくガスに包まれており、万座・草津方面もまだ荒れ模様だ。

 角間峠への滑降はやや右寄りで、先行トレースが何本かある。気温が上がったため腐れ雪で、またまた滑りづらい。シールを張りなおして角間山への斜面を電光形に登る。角間の肩から振り返れば、湯ノ丸山、烏帽子岳の眺めがいい(写真)。気持ちいい稜線から角間山頂上直下の急登を強引に抜ける。頂上で展望を楽しんでいると、思いがけなく単独行の人が登ってきた。湯ノ丸山からきたという。登山靴にアザラシのシールだ。群馬の人だそうだが、鍋蓋山をまだ踏んでいないので、とのこと。

 頂上直下は岩場になっており、左側から回りこんで稜線に出る。広く滑りやすい尾根から、雪庇の張った細い尾根を辿れば鍋蓋山直下。角間山からの観察では左側の林道からが容易かと思ったが、実際は直登で楽に登れた。ここからの四阿山の展望はすばらしく、追い付いてきた単独の人も喜んでいた。ちょっと下ると、そこは新鹿沢スキー場のリフト終点だった。ストックで支えながら斜滑降でスキー場に入り、コブ斜面、アイスバーン、ザラメと変化する中を滑った。新鹿沢までてくてく歩いたものの、万座・鹿沢口行のバス便の少なさに閉口した。

【コースタイム】 (3/18)車坂峠12:00 水ノ塔山14:15〜20 篭ノ登山16:05〜30 地蔵峠17:15〜(3/19)7:05発 湯ノ丸山9:45〜10:25 角間峠10:45〜55 角間山12:15〜13:00 鍋蓋山13:55〜14:25 新鹿沢スキー場下14:45〜50 新鹿沢温泉15:20



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