奥武蔵・谷津川七ツ滝沢


1987.1.18 佐々木(単独)

 1月18日(晴れ) 谷津川本谷周辺は冬季凍結するというので出かけてみた。白久駅前の屋外スケート場は子供たちでにぎわっているが、氷の状態は甘そうだ。谷津川館付近の沢ではハンターがうろついている。こんなところでブッ放されたらちょっとこわい。ポインターがずぶ濡れでかけずりまわっていた。10時22分、熊倉山登山口でスパッツをつける。単独行者が先行したが、沢沿いにもトレースがあった。地元のハンターとすれ違う。どうやら七滝の方まで行ってきたらしい。

 沢の水量が夏と変わらず、どうも滝が氷っている状態ではない。奥へ行くほどその感が強く尾根コースに変更しようかとも思う。地獄谷との二俣付近は10センチくらいの積雪だ。11時30分、七ツ滝沢出合に着く。本谷の滝も凍っておらずベルグラが張り付いている程度。数段60mの七ツ滝も細々と水流があるが本谷よりは楽だろうと、七ツ滝沢から尾根を目指すことにする。右岸の急な巻き道に取り付く。ハンターなのか犬連れのトレースが上まで続いている。かつては七ツ滝沢コースという登山道だったが、崩壊地があり、さらに七ツ滝の巻き道で転落事故が発生したことから今は登山禁止となっている(登山口に看板が立っていた)。そのコースに単独で、しかも冬に入るのだから気が引けるが、こちらは沢登りのつもりで来ているのだから仕方ない。七ツ滝を直登するわけではないので軽いバリエーションルートの部類だろう。巻き道上部の「みかえり岩」からは急に展望が開けて気持がいい。

 巻き終えてからは左岸を登って行く。右岸に崩壊が見られ正面は滝というか沢のどんづまりのようになっている。そろそろ沢から離れた方がよさそうである。金山屋敷とはこの辺りをいうのだろうか。水流はほとんどなく、周囲の岩壁には長いツララが垂れ下がってベルグラが張り付いている。沢をこのまま詰めないで尾根にはい上がることにする。赤布を頼りにぐいぐい登る。急登が一段落して展望が開けたところは「のぞき岩」(750m地点)だ。ここから左斜面をからみ、再びジグザグの急登となる。かつての道のなごりに従っていくがヤブがうるさく無雪期には登る人もあまりいないのだろう。両神山がなかなかいい姿を見せており、シャッターを何度か切る。13時30分、大肌尾根に出るとしっかりした登山道となった。いったん岩の露出した尾根を下り、笹平からの道を合わせて急登すれば熊倉山(1427m)山頂だ。14時10分着。

 ひとりだけの静かな山頂で雲取方面の展望を楽しみ白久へ向け下山する。16時に登山口に着くとアイスクライミングをしてきた3人パーティーと会う。「凍ってなかったね」と言うと、ニコニコして「私たちの行ったところは凍ってましたよ」。はてと思い、駅に着いてさらに尋ねると、地獄谷との二俣まで行く手前の右岸枝沢だという。ビデオをのぞかせてもらうと、水流はあるものの15mくらいの滝をちゃんとダブルアックスで登っていた。大肌尾根に突き上げていて、地図に滝記号がある「カラ滝沢」と呼ばれる沢だということを後で知った。

 【コースタイム】 (1/18)白久10:00 登山口10:22〜30 地獄沢出合(すみやき平)11:12〜15 七ツ滝沢出合11:30〜40 1030m地点12:30〜40 大肌尾根(1300m地点)13:30〜45 熊倉山14:10〜30 営林小屋15:15 登山口16:00〜10 白久16:30


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