会越・叶津川大三本沢


1981.10.10〜11 佐々木、執行、高井

 10月10日(雨) 只見駅を降りると激しい雨に迎えられた。小三本沢に入る予定の山野辺氏、永井さんとともにタクシーに乗り込む。眠気も手伝ってか、このままずっとタクシーに乗っていたいと思った。R289号は浅草岳(1586m)の入叶津登山道入り口からさらに1キロほど先まで延びていた。いったん飯場の中で雨宿り。とても沢登りする気にはなれないが、とにかく出合まで様子を見に行こうと決まる。林道はこの先に延びるのか、新しい杭やペンキ印が目立つ。大三本沢出合はやはり増水していた。仕方なくさっきの1キロ手前の飯場まで戻ることに決める。山野辺氏らはこの付近でツエルトを張るという。小屋でゴロゴロしていると、夕方近くになって山野辺氏たちも雨にたまらずころがりこんできた。夕飯は執行氏得意のスリランカ仕込みのカレー。

 10月11日(晴れ)  5時42分、引き締まる冷気の中を出発。昨日の増水もおさまり、沢は穏やかな表情に戻っていた。6時10分遡行開始し、30分で小三本沢出合に到着。小三本沢には仮橋が架けられており、人がよく入るらしい。大三本沢最初の滝は5m斜滝だが、直登は無理で左岸から次の3m滝とともに巻く。小滝だがわりとまともなのが出てくるわいと、この先を期待する。さらに30分後に現れたゴルジュに緊張しかけたが中を楽々と通過。3mの小滝を右から巻いて幅広の二条2m滝を越えると再び河原状となった、

 これ以降平坦な流れとなり、分流していたりして歩きにくいところも。時折イワナの姿も見られる。いいかげん飽きが来る頃、左手高く50mの壁となった大ガランが見えてきた。4m滝を左から登ると狭いゴルジュ状の中に小滝が続くがどうということもない。源頭もそろそろかというころに2〜5mの小滝をさらに連ねている。とうとう5m以上の滝は現れずじまいで、ヤブの中へ。だだっ広い斜面を手強い灌木まじりの密藪帯をかき分けていく。浅草岳頂上は前方に見えているのに、果てしなく斜面が続いているように思える。1時間強の格闘の末、やっと頂上に着いた。12時50分。

 沢中では通じなかったが、山野辺パーティーとトランシーバ交信する。すでに尾根コースで頂上を踏み、田子倉へ向けて下山中だという。我々もその後を追い途中で合流する。鬼が面山(1465m)東面のすさまじい岩壁が印象的だった。

 【コースタイム】 (10/10)林道終点12:27 大三本沢出合12:50 1km戻った飯場13:05〜(10/11)5:42発 大三本沢出合5:57〜6:10 小三本沢出合6:40 S字状ゴルジュ上7:15〜25 源頭二俣11:40 浅草岳12:50〜13:10 田子倉駅15:05


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