上信越・魚野川高沢大高沢



1981.7.11〜12 佐々木、高井

 7月11日(晴れのち一時雨) 前夜、高井君の車で野反湖畔の駐車場まできて、各人思い思いにシュラフを広げて仮眠。目が覚めたら陽は高くまぶしかった。7時50分に出発。峠から魚野川へ下る道を間違え、北沢の取水口に出てしまった。ワラジをつけ、北沢を遡ると正しい道が横切っていた。

 思い出のある魚野川は穏やかに流れており、水量もそれほどではなかった。増水で苦労した箱淵の廊下も、今ではそれほど険悪には思えず、流されたところも懐かしい。左岸踏み跡から高巻いて長い河原歩きとなる。部分的に膝上の徒渉ですむ。所々でイワナが目の前をよぎる。13時45分、高沢は小滝を伴って豊富な水量で本流に注ぎ込んでいた。このころから雲が広がってにわか雨の心配がでてくる。

中高沢大滝 高沢は大きな岩が重なり合った滝が多く乗っ越しに忙しい。3m二段の小滝は登れそうだが手強く、仕方なく左岸の大高巻きとなる。右岸から50mもの滝で注ぐ枝沢を過ぎるころ小雨が降り始め、やがて大雷鳴とともにドシャ降りの雨となる。雷が近いので思わず時計やザックの金具にビクビクする。流れは見る見るうちに茶色の濁流となり増水し始めた。16時30分、左岸の平坦地に急いでツエルトを2張り立てる。濡れネズミの夜は寒かった。

 7月12日(晴れ) 昨夜の後遺症もあって、朝はのんびり食事する。暖かいスープで元気づいた。8時30分出発すると10分で大高沢(右俣)と中高沢(左俣)の二俣となった。それぞれすぐ奥に大滝を落とす。大高沢の大滝は60mをストレートに落ちていて豪快。中高沢大滝50mは数段になって落ちていて上部は見えない。中高沢に入る杉崎、吉越、若狭氏と別れ、高井君とともに大高沢に入る。

 大滝は左岸の踏み跡を頼りに巻く。高巻き途中で振り返れば、中高沢大滝(写真)がスケールある姿を見せた。大滝落ち口付近にピタリと下りると岩床が続いていて気持ちがいい。5m滝を左から巻いてからはナメと小滝のミックスした登りとなる。目の前に大きな三角雪渓が現れる。本流は左に曲がり、5m、4m滝と続く。スノーブリッジの崩壊跡を過ぎて5m、7m、7m、8mとまとまった滝場が続き、直登を楽しむ。上部二俣では読図の結果、本流の右沢は大高山(2079m)の支尾根に消えており、登山道に出るのに有利な左沢に入ることにする。小滝数個を越えていくと、水流はササヤブの中に消えた。ヤブコギ10分ほどで縦走路に飛び出す。10時50分。

 なだらかな尾根道を25分で杉崎氏らとの合流予定地・カモシカ原に到着。気持いい草原で休んでいると中高沢パーティーが到着、さらに反対側の金山沢〜白渕沢を登ってきた高野氏も合流した。にぎやかに昼食後、三壁山(1939m)経由で野反湖駐車場に戻り、高野氏の車と分乗して帰京。

 【コースタイム】 (7/11)野反湖駐車場7:50 北沢8:55〜9:10 魚野川11:35〜12:00 高沢出合13:45〜14:00 二俣手前16:30〜(7/12)8:30発 二俣(大高沢出合)8:40 稜線10:50〜11:00 カモシカ原11:25〜12:20 野反湖13:55



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