大菩薩・丹波川小室川谷


1980.6.1 高野、川手、佐々木

2つ目の8m滝 6月1日(曇りときどき雨) 前夜、奥多摩駅で待ち合わせ、高野氏の車で三条新橋まで行ってテント泊まり。朝、泉水谷林道を小室川出合付近まで車で入り、昨夜から小雨がぱらつく梅雨空の下、泉水谷に下る。6時20分、遡行開始のころには雨足が強くなってうっとおしい。

 小室川谷は両岸を樹林に覆われて暗い。今年初の沢登りでやや緊張気味のためか、足がついていかずコケることが多い。ゴルジュになるとなおさらバランスが悪く不調を感じる。川手女史の方がずっとうまく的確にルートを拾っていくので、マゴマゴしていると「こっち!」などと言って、さっさとトップで登っていってしまう(写真=2つ目の8m滝)

 S字狭に近づくと迫力あるゴルジュとなる。3段8mの高巻きは左から小さくするが、滑りやすく冷や冷やする。松尾沢が右岸から出合うと、その先は再びゴルジュとなる。5m滝を左から巻いて廊下を抜け、小滝を越すといよいよ小室の淵だ。

 釜をもつ二つの4m滝は通過不能で左から高巻くが、取り付きで緊張するところがある。そのまま廊下を右下に眺めながら巻いて、左岸から枝沢が入るところで下りる。次の廊下は小滝が連なるものの楽に通過できる。

12m滝を巻く 12m滝(写真)を右から巻くと美しいナメ滝が数段に分かれて流れ落ちている。水線沿いに登り始めたものの中段でスリップしてしまった。川手さんもその上で滑り、幸い中段とのテラスで止まるがひやりとした。左足のワラジを見るとすり切れて地下足袋の底が表れていた。こんなに早くワラジを駄目にしたのは初めてで、やはり体調不良で歩き方も悪かったらしい。

 直立した最上段は高野氏がザイルを引いて登る。ルートは水線沿いというより右端だ。中程上に残置ハーケンがあるところで、またもや滑ってしまいザイルに救われる。こりゃだめだということで、滝上でワラジを履き替えた。このあとはゴルジュもなく、明るい気楽な沢となったので足取りも軽くなった。

 2段20m滝は傾斜があり、右側の朽ちかけたハシゴから越える。土砂が積もって荒れたジャヌケ沢出合を過ぎると急傾斜になり、水流も細くなって源頭が近いことがわかる。ゴーロ状のなか小滝を登ってどんどん高度を稼ぐ。苔むした20m滝を楽に越えると水はほとんどなくなった。奥秩父特有のコケの絨毯と朽ちた倒木の間に踏み跡を拾い、そのまま稜線へと導かれた。12時50分、大菩薩嶺頂上着。ガスのため展望はなく雨の降る中を丸山峠を経由して下山、車に戻った。15時20分着。

 【コースタイム】 (6/1)泉水谷下降点6:10 小室川谷出合6:20〜45 松尾沢出合7:55〜8:05 30mナメ滝上10:05〜25 ジャヌケ沢出合11:00 稜線12:35 大菩薩嶺12:50〜13:15 丸山峠13:50 泉水谷林道14:15 泉水谷下降点15:20


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