越後・巻機山・姥沢川南ノ入リ右俣


1976.7.4 佐々木、八木下、小野、村越


 7月4日(曇り一時晴れ) 六日町駅で仮眠をとり、6時35分発の清水行バスに乗車。駅ではOBのO氏に会い「ザイルはもってるのか、気いつけていけよ」と言われる。0氏らは三国川流域へオロクをおろしに行くという。老舗の山岳会ともなると遭難者を出しても淡々としたものなのかと、あまりいい気分がしなかった。

 6時50分、姥沢入り口でバスを捨てる。前夜の雨もあがり急速に天候は回復してきた。せり上がる南ノ入リがひと目でそれとわかる。林道はすぐヤブに覆われてしまうので早々に沢に下りたが、両側からヤブと灌木がかぶさって歩きづらいことこの上ない。

 コケでヌルヌルした小沢を進むと小さなトロと小滝が現れ、岩床になってきた。途中、地元のおじさん達に出会い、「山道は向こうにあるぞ」と怪訝そうに言われる。沢は急に明るく開け、連続するスラブ滝が見える。滝というよりはノッペリとしたスラブが階段状に連なっている感じ。

3段40m滝 青空が広がって岩が逆光に輝き登高欲をそそる。いざ取り付いてみるとつるつるでワラジのフリクションもあまり頼りにならない。最初のスラブ滝の連続を越すと左俣出合で7時25分着。左俣も右俣同様にスラブの連続らしい。両側の灌木が迫り悪ければ巻けるので気は楽だ。

 右俣へ入って5m滝を二つ越すと20m四段、30m四段と連続し、上の方は見えない。水流の中を右に左に直登していく。部分的に悪ければ灌木帯との接線を絡む。続いてナメ状の岩床の合間に5〜10m滝がかかりほとんど直登していく。

 傾斜が少し緩くなりゴーロ状を過ぎると雪渓があり大休止(10時〜10時35分)。振り返るとかなり高度を上げた。ナメを越えるとにわかに開けた奥に3段40m滝が見える。下段は左岸、中段は右岸に移り、上段(写真)は右岸クラックを強引に登る。中段でうっかりカメラを落としてしまった。後続の小野に拾ってもらったが、もはや使い物にならないくらいつぶれていた。

 5〜8m滝を次々と越し、5mチムニー滝は中央から右に移って直登。続いて5、5、10mと息つく暇もない。まもなく二俣で5m滝のかかる左沢に入る。浮き石の多い岩床から50mほどもあるスラブとなる。少し傾斜があるがフリクションが効いてグイグイ登れた。

 沢は急に狭くなりルンゼ状となって傾斜も増す。水流が途絶え浮き石にへきえきしながら登り切ると、気持ちのいい草付きに大岩が点在している。ここからヤブに入り右寄りに進むこと30分で登山道に出た。13時10分。南ノ入リの頭まで5分の所であった。下山は割引岳を経て井戸尾根を下り17時、清水着。

 【コースタイム】 (7/4)姥沢入り口6:50 左俣出合7:25 上部二俣9:25〜15 南ノ入リの頭13:15〜35 割引岳14:45 清水17:00


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