丹沢・早戸川本間沢〜同下降、円山木沢


1976.5.2〜5 佐々木、小野

 今年のゴールデンウイークは残雪の山もいいが、沢登りシーズンを前に、裏丹沢の沢をトレーニングとして数本登る計画を立てた。裏丹沢はわざわざ沢1本だけ登るために来る気はしない。アプローチが長く下山時間もかかり、どうしても1泊2日の日程になる。それを3泊4日つぎ込んで、早戸川流域の主な沢、本間沢、円山木沢、太礼の沢、そして原小屋沢を片づけてしまおうというものだ。

 5月2日(晴れのち曇り) 本厚木から宮ケ瀬までバスで一時間。早戸川沿いの林道を進み、宮ケ瀬鐘沢出合で早戸川にいったん下りて小道を行くと、鳥屋からの林道に出る近道となる。本間沢出合まで4時間かかった。ベースを設営してから、手始めに本間沢を登りに行く。13時10分。特に悪いところもなく小滝やナメを越えていく。

 核心部の入り口に15mのF5がトヨ状となって落ちている。左から階段状の下部を登り、上部4mは直立しているが突っ張り気味に登る。ゴルジュの中を5mのF6、8mのF7、10mのF8と越していき、右へ曲がるとゴルジュの出口で今度は左に折れ、そこに9mのF9がかかる。直登は難しく右側の小沢から巻いて落ち口に。15時10分、ここで遡行終了としてベースへ戻る。ベース近くまで来ると河原にからまりあっているヘビに出くわす。16時50分、ベース着。

 5月3日(雨) 停滞。終日テントで過ごす。

 5月4日(雨一時曇り) 停滞。ゴロゴロと過ごす。

雨の円山木沢 5月5日(曇り一時雨) またもやパッとしない天気。下山日なので小雨をついて円山木沢へ向かう。円山木沢出合8時35分発。小滝を軽くパスしていくと25mのF2が現れる。中断までスタンス、ホールドが豊富だが、上段落ち口はノッペリしている。あっさりあきらめ右から巻く。

 右岸に涸棚が現れると本流はゴルジュとなり、通過は難しいので右側の樹林帯から高巻く。雨の中、しかもガスの漂う幽玄な雰囲気となる。途中、なかなか骨董品的なロックハンマーを拾ってしまった(写真=雨の円山木沢)

 10m前後の滝は右のルンゼ状から高巻こうとしたが、結局右側からシャワークライムとなった。2眼前が開けると20m滝がかかり左のスラブから越す。ナメ滝や8〜10mの滝を快適に登る。

 二俣では左に入る。源頭の様相で傾斜も急になる。水量の少ない15m滝の中央を登る。詰めはガレから右よりに登って尾根に出た。12時20分。ちょうど三峰の無名の頭(中ノ峰)だった。下りは高畑山経由で馬場へ出たが、最後までぐづついた天気だった。

 【コースタイム】 (5/2)宮ケ瀬8:35 本間沢出合12:20〜13:10 本間沢F9上(遡行終了)15:10〜35 本間沢出合16:50〜(5/3)停滞(5/4)停滞(5/5)7:55発 円山木沢出合8:25〜35 F7上9:40〜10:00 F12上10:55〜11:15 中ノ峰12:20〜13:20 馬場15:00


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