上信越・清津川本谷


1975.10.5〜7 佐々木、小野

 10月5日(雨) 元橋のバス停から30mほど進むと赤湯に至る道標がある。峠を一つ越えて浅貝川にかかる橋を渡るが、河原が荒れているのでペンキ印に注意し、再び登り返すと林道に出る。人造湖を左に見ながら進み、棒沢を渡ると山道となって急登する。山腹をトラバースするように登り、熊ノ沢に急降下する。橋を渡ると赤湯キャンプ場である。キャンプ場といってもテントが数張り分あるだけ。雨で体はびしょ濡れとなり、急いでテントを張る。台風の影響による雨は深夜になって止んだようであった。

 10月6日(快晴) 朝目覚めてみたら曇り空で、増水の心配もあり遡行中止を決意して露天風呂へ入ろうかと言っていた矢先、空の雲がみるみるうちに切れて青空が広がりだした。本流の様子を伺ってみると大して増水もしていない。7時30分、決意をひるがえし、即テント撤収にかかった。8時に出発。素朴な山口館を通り抜け、昌次新道にかかる橋をくぐり抜ける。徒渉の深さは膝上程度。空もすっかり台風一過の快晴となった。長い河原歩きが始まった。川幅は広く徒渉数回であっという間にセバト沢出合に着く。

淵の通過 沢は右に左にと屈曲し、相変わらず河原状で単調。西沢を過ぎて小滝とトロが現れ始めるが問題ない(写真)。わりと荒れた感じの沢で流木などあちこちにある。赤土居沢出合で昼食の後、本流で一番美しい部分に入る。

 紅葉も次第に濃くなり、まだ緑の多い木々の中に真っ赤に染まったヤツが点々として実に味わい深い。アズキ色の沢底が目立って結構美しい。途中3mほどの滝を一つ左から巻いた。中ノ曲がり沢という地点は確認できないまま通過してしまったようだ。

 やがて左俣を合わせ、まもなく中俣と右俣の二俣となった。12時45分。巨岩がゴロゴロし、傾斜も急で源流の感が深い。一足目のワラジがイカレ始めたので二足目を取り替えた。これからは滝の連続となるからである。

 中俣を偵察して確認してから右俣に入る。ますます急になり滝が現れはじめる。4mほどのナメ状の滝が続き楽しい。さらに詰めていくと二俣となり水量の多い左沢に入った。丹沢あたりの滝登りをしているようだ。8mほどのホールドの細かい滝は右のコケむしたところを登るがやや悪い。傾斜の緩い25m数段の滝は快適にパス。続く7mは左を直登する。滝はさらに続くが水量は少なくなる。水流が途絶えてヤブに突っ込むと20分のヤブこぎで稜線に出た。15時。白砂山まで15分のところだった。白砂山で雲一つない展望を満喫し、地蔵峠に下る。峠に着いたときはもうかなり暗くなってしまったので、避難小屋を利用することにした。17時50分。

 10月7日(ガス) 野反湖畔に出てから深いガスの中を花敷温泉めざしてのロード。野反峠を過ぎてうんざりしかかっているところに工事用トラックが来て、白砂林道分岐まで便乗してかなり時間を得した。

 【コースタイム】 (10/5)元橋13:00 赤湯キャンプ場15:45〜(10/6)8:00発 セバト川出合8:35〜55 西沢出合9:35〜40 赤土居沢出合10:40〜50 沖ノ西沢出合11:30〜12:02 右俣出合12:45〜13:05 稜線15:00〜10 白砂山15:25〜45 堂岩山16:40〜40 地蔵峠17:50〜(10/7)6:20発 野反峠7:25〜30 (この間8:05から8:15まで車に便乗)白砂林道分岐8:15 花敷温泉口9:10


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