丹沢・寄沢滝郷沢左俣


1974.10.13 佐々木、小安

 10月13日(雨のち曇り) 新松田駅での待ち合わせに1時間も遅刻し、帰ろうとした小安とかろうじて出会う。強い雨の中、下ばかり向いて歩いていたら上流の水棚沢の先まで行ってしまった。

 寄沢の右岸から豊富な水を落とす15m滝が滝郷沢F1である。なかなか立派な滝で遡行を中止しようかという迷いもふっきれる。右から踏み跡をたどって落ち口の先へ下りる。F2・7mは右側を軽く直登。倒木が多くあまりきれいではない。小滝を越えていくとゴルジュ状となりF3・5mを越す。再び沢は開け、堰堤を二つ続けて越すとまもなく二俣である。左俣は伐採中らしく登山をしないよう呼びかける看板を無視して遡行を続ける。すぐ小滝があるが非常にもろい。

 沢が再び明るくなると伐採現場に出るが、坊主になった斜面が痛々しく小枝が沢を埋めてきたない。ここから先の滝はかなり変化したらしく、本(現代登山全集)の説明と食い違っていてどの滝がどれだかわからなくなる。高巻きした滝は2つあった。1つは下部が大きく口を開けた10〜12m滝。もう1つは中程がハングした8m滝。チムニー状の滝などなかったし、F10にあるという大岩にも気づかなかった。そのほかは全部直登で、左俣最悪のF10・13mは本の説明通りでボサから右にへずるところがやはり悪かった。

 この沢は非常に岩がもろく、ホールドがどんどんはがれるので十分な注意が必要だ。詰めは滑りやすい土溝でヤブコギもなく稜線に出られる。平坦な縦走路を左にとれば桧岳山頂。北西側が展望よく、下山は秦野峠に出て杉ノ沢を下り、みろく山荘の脇に出た。17時15分。秦野峠からの下山路は荒れており一般的でない。

 冷たい雨の日に沢登りを強行したことは無謀だった。日も短くなっており、ツエルトも持参しなかったのは反省材料だ。沢に少し慣れてきたためか慢心に注意!

 【コースタイム】 (10/13)宇津茂10:30 滝郷沢出合11:45〜12:00 F8・15m滝13:10〜30 稜線15:10 桧岳15:15〜25 秦野峠16:00 ミロク山荘17:15 宇津茂17:40


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