両神山・薄川七滝沢


1981.2.1 高野、永瀬、浦辻、佐々木

白滝 2月1日(曇り) 前夜は、両神山荘の手前に車を止めてテントを張って泊まった。7時、登山道を七滝沢の出会う会所めざして登り始める。雪は山肌にうっすらとある程度。

 七滝沢は最初ゴーロ続きでアイゼンはつけずに沢に入る。大岩の間をすり抜けていくと「通らず」最初の滝に出会う。見事に凍り、釜も結氷している。

 アイゼンをつけ左から越えると幅数メートルの狭いゴルジュとなる。踏み抜きに注意して流木を利用し、突っ張りで小滝を越えると2条15mの滝。

 初めてザイルをつけ高野さんトップで取り付く。中段から右へ落ち口へ抜けようとしたら氷が割れて水が噴き出してきたので、やや傾斜の強い左から越える。佐々木、浦辻、永瀬の順に登る。

 小滝を快適に超えるとゴルジュから解放され、明るい河原となる。氷床なのでアイゼン歩行がとても楽だ。登山道が何カ所か交差し合う。薄日も射すようになってきて気持ちがいい。

 15m滝から40分ほどで問題の七滝ゴルジュ入り口に着く。10時30分。15mほどの緩いナメを前衛にほぼ左に直角に白滝20m(写真上)が見える。傾斜といい結氷状態といい最高。

 高野・浦辻、永瀬・佐々木の組み合わせで登る。登り出しでタニアイゼンを蹴り込んだらジョイント(左足)部分が折れて肝をつぶす。いったん下りて、シュリンゲで補強して何とか登り切る。

25m滝 圧倒的なゴルジュの中に25mはあろうかという2段の滝(写真右、下=落ち口から)が立ちふさがる。高巻きは考えられず、突破あるのみ。落ち口は狭く、高野さんトップでさんざん苦労して登り切る。落ち口直下に残置ハーケンがあり、すでに登られたことを知る。しかし、冬期の記録はどうだろうか。

25m滝の登攀 大きなチョックストンの下をくぐり抜けると8mの直瀑。ここも高野トップで登る。初めて使用するという氷壁用フックは便利だ。抜くときは下から叩くとすぐ回収できる。傾斜が強く登りづらいがさっきの25m滝に比べれば楽なものだった。左岸からはブルーアイスのきれいな滝が合流している。この辺はゴルジュも浅くなり陽にキラキラ輝いて、これが冬の沢の醍醐味だと感じる。凍ったナメ床、小滝を快適にパスし、最後は6mの滝で七滝ゴルジュを締めくくった。14時。

 雪のかぶった伏流の河原を進み、途中、右岸の登山道を利用して先を急ぐ。ツチアナ沢出合の二俣から、本流は再びゴルジュの険悪な表情を見せる。奥の右岸には氷柱状のルンゼが養老の滝の下段の滝と合流している。
 ハングして垂れ下がったような滝は登れそうもなく、登山道に従ってこの養老の滝を巻く。本流を横切るとき見える30mの青氷の滝もすばらしい。この先、本流には30mの氷瀑が続き奥壁状となって突き上げているようだ。

 小尾根を越し、清滝小屋を経て会所、両神山荘へと下る。17時42分着。今回は七滝沢の下半部を登ったわけだが、上半部になお興味深い滝があるため、再訪を皆で誓い合った。両神山周辺の結氷状態はよく、氷瀑登りの穴場がたくさんありそうだ。

 【コースタイム】 (2/1)両神山荘7:00 会所7:27〜45 白滝下10:30 ゴルジュ上14:00〜45 ツチアナ沢出合15:15 清滝小屋15:55〜16:15 会所16:50〜17:15 両神山荘17:42


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