上越・赤谷川笹穴沢


1979.9.23〜24 佐々木、郷田


 9月23日(晴れ時々曇り) 朝方までの雨も上がり、強い日差しが戻ってきてホッとする。出合からすぐのゴルジュを左岸から巻いたあとは、小滝があるだけのやや単調な遡行が続く。大釜を持つ6m滝の上で休み、他パーティーの釣りを見物する。金山沢出合まで岩の積み重なった滝が連続し、意外と体力を消耗してしまう。途中、ヌルヌルのナメ滝を越えようとして郷田が釜に落ちてズブ濡れになった。金山沢は側壁が高く、いかにも険悪な様相を呈する。

 いよいよゴルジュとなり、沢は暗くなる。12m滝手前の小滝を左から高巻いて、そのまま二つの12m滝を一緒に巻いた。左から枝沢を入れると岩床が目立ち、快適なナメ滝が続く。左手上部には大岩峰があり、周囲の側壁も目立ってなかなかの景観を見せる。スラブ状のルンゼが左から落ち込み、本流も滝の連続となる。7m滝は右の草付から頼りない草をつかんで越す。
 
 2段30m滝では3人パーティーが右手側壁を登っていた。我々は右手の小尾根から巻き始めるが意外といやらしい。トラバースして30m滝上の15m滝も一緒に巻いてしまう。今回は登攀用具を持っておらず高巻き中心となり時間ばかり食う。

 両岸は開けて草付が目立つようになる。25m滝では例の3人パーティーが左から直登していた。左の草付から郷田が強引に高巻こうとするがあきらめ、右から巻き直して5mの懸垂下降となる。次第にせり上がった沢奥には2段100mの滝が見える。手前のササヤブから滝の左岸へ上がり、斜上して120m大ナメ滝の下で沢に下降。なかなか豪快な大ナメで、左岸草付を中段まで登って右岸にトラバースし、上部は左岸を容易に越えられた。

 午後5時を過ぎているので幕場を探しながら進むが、良いところが得られず、城塞のように黒々とした10m滝手前の岩床でツエルトをかぶってビバークする。21時頃から霧雨模様になった。

 9月24日(霧雨) 回復のきざしが見えず、出発が遅れる。10m滝を左から巻くと、小つぶの滝ばかりとなり、ほとんどヤブこぎなしで稜線に出る。風が強く寒い。平標山のピークは遠慮して巻き道を急いで平標小屋へ。昨日の3人パーティーがいた。やはり源頭でビバークしたとのことだった。下りは平元新道を駆け下ると元橋のバス停まであっという間だった。

 【コースタイム】 (9/23)川古温泉7:55 笹穴沢出合9:38〜10:07 金山沢出合11:50〜12:46 100m滝下16:30〜45 10m滝下18:00〜(9/24)8:45発 稜線9:37〜45 平標小屋10:08〜20 元橋11:47


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