丹沢・玄倉川弥七沢左俣〜中川川湯ノ沢右俣下降


1974.7.21 佐々木、郷田

 7月21日(晴れ) 小川谷に沿って林道を行くと、まもなく岩クズで道がふさがれていた。かなりの雨が降ったらしく小川谷の水は茶色に濁っていた。小割沢の橋を渡れば弥七沢は間もなくで、出合にはすぐ5m滝がかかっている。薄暗い廊下の滝はいずれも快適に登れるが、岩のかなりもろいところがあった。あまりきれいとは言えず、ゴーロになると流倒木が散乱している。

 いつのまにか左俣と中俣を過ぎてしまい、本流の最後の滝となる5m滝(現代登山全集によるところのF15)まできてしまう。この滝は正面の凹角を登るが、上部のホールドが乏しく突っ張りもきかないので途中であきらめ右から巻く。本流を偵察してから引き返し、中俣を確認しながら左俣まで戻る。

 ボサに覆われた左俣出合の4m滝を越えると、すぐ20m滝が3段に落ちている。下段をシャワーを浴びながら正面から登り、左に移って直上。残置ハーケンのあるところがバランスをくずしやすく、ザイルがほしくなる。5〜8m滝を次々と越えていくと沢身は非常に狭くなる。ボサをかきわけクモの巣を払いながら進むと再び20mの滝となる。ここは階段状なので楽に登れる。

 さらに岩床が続いたあと、詰めのスズタケを漕いでいくと稜線に出た。踏み跡を左に進み、小ピークを一つ越えて湯ノ沢右俣への下降点となる鞍部に下る。右俣は岩床がきれいなゴルジュ状で、滝は少ないがかなり急だ。ワラジが擦り切れて地下足袋の底がむき出しになってしまい、緩やかな15mくらいの滝の下段から4mほど滑落したが、さいわいケガはしなかった。

 まもなく先がパッと開けて切れ落ちている。30mの滝である。ハングしているため下をのぞいても滝壺は見えず、目がくらみそうだ。右岸の灌木帯を少し登り、右俣と中俣の中間尾根の末端を下りる。腕力でぶらさがるように下った。右岸から合流する中俣出合の滝2段30mは比較的登れそうな感じで、さらにその上にあるねじれの滝70mがあり、丹沢とは思えぬ眺めだった。

 本流を少し下ると、またまた四ノ沢の40m滝が水量豊富に落ちていて圧倒される。深田堰堤は右から巻いて下りたが、その手前で振り仰げば60mもの滝が見え、山のてっぺんから水を落としているようだった。再び川原に下りるときには垂直のルンゼをヤブにぶらさがっておりた。二段の堰堤の左岸から仕事道がはっきりはっきりしており、まもなく中川温泉についた。

 【コースタイム】 玄倉9:50 弥七沢出合10:25〜11:10 本流F15(5m)上12:15〜25 左俣出合12:40 湯ノ沢中俣乗越直下13:35〜50 湯ノ沢右俣30m滝上14:40〜50 中川温泉16:05


HOMEへ1970年代の沢1980年代の沢1990年代の沢