丹沢・玄倉川ザンザ洞本谷


1974.4.29 小倉、佐々木、高島

 北ア・裏銀座縦走が中止になってしまい、かわりに沢でも行こうかということになった。初めての沢登りだが登山靴で登った(この頃は、沢を登山靴で登る風潮が一部であった)。

 4月29日(晴れのち曇り) 寝坊して玄倉に着いたのが10時となってしまった。ユーシンロッジまでは徒歩約2時間。ロッジの裏手から吊り橋を渡ってユーシン沢に入る。昼食をすませて沢沿いに進むと、堰堤につきあたり右岸を高巻く。沢身をそのまま遡行するとへつりの悪い個所があり、高島がドボンする。左岸を見ると道があるので、沢身から上がる。やがて、桧洞が左からユーシン沢に注ぎ込み、道も沢に下りる。桧洞は水害で荒れたとはいえ、そのナメ滝は美しさを保っていた。徒渉を繰り返していくと、右岸より小滝をかけてザンザ洞が出合う。14時30分。

 ザンザ洞に入ると左に一ノ沢を見て右折する。奥にF1の20m、そして二ノ沢F1の15m滝が同じ釜に水を落とし威圧感を感じる。もちろん本谷F1を登るつもりはない。小倉さんは二ノ沢の滝を直登し、ぼくと高島は巻き道を登るが、これまた悪い。二ノ沢F1の右壁に取り付き、バンドを斜上して二ノ沢を横切り、本谷と二ノ沢との境尾根を登ると踏み跡を見つける。踏み跡に導かれてF3の上に下りられた。急なナメ滝をスリップに注意しながら登っていく。左岸から三ノ沢を入れるとまもなく「象の鼻」と呼ばれるF7の15m滝である。水流あるクラック状のところを頭から水をかぶりながら直登した。

 小滝を越えていくと、F9の20m大滝が行く手をはばむ。水の流れる正面を中段テラスまで直登したが、ホールドが細かく苦労した。水流をモロに受けてセミになりかかり、手がしびれてしまった。テラスからは左の灌木帯に逃げる。水が消えると頭上にキレットが迫る。最後は急なガレ場を登り稜線に出た。すでに17時をすぎており大石山経由で急いで下山。玄倉着20時となりタクシーを呼んだ。

 【コースタイム】(4/29)玄倉10:05 ユーシンロッジ12:15〜13:05 ザンザ洞出合14:30〜40 四ノ沢出合15:35〜45 五ノ沢出合16:35〜17:10 稜線17:15〜20 ユーシンロッジ18:10〜20 玄倉20:00


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