奥利根・楢俣川小楢俣川洗ノ沢


2000.9.23〜24 吉田、佐々木、久保田、小野寺


 恒例の集中山行は尾瀬・笠ケ岳(2057m)をめぐる沢で行われ、小楢俣川洗ノ沢パーティーに参加した。悪いところもなくナメ滝が多い静かな沢だった。

 9月23日(曇りのち雨) 和光まで吉田カーに迎えに来てもらい、早朝6時過ぎに出発する。湯ノ小屋温泉から奈良俣ダムを経て林道ゲートで車をデポ。T字路のゲートは自由に開けて通行しているようだ。楢俣林道を15分歩いて洗ノ沢に下りる。8時55分。しばらくは左岸の軌道跡を進み、右岸に渡るとやがて不明瞭になったので沢に入る。

洗ノ沢のナメ滝 4m滝を過ぎると感じのいい二段10m滝となり、左岸からシャワーを浴びながら登る。花崗岩のがっちりした順層だ。現れる滝の多くはナメ状(写真上)で問題ない。予報では昼からの雨が、早くもポツポツ降り出す。三ノ沢手前で数十メートル続くナメは明るくて気分の良いところ。低く迫った左岸尾根上部を見上げると伐採跡となっていて、立ち枯れも目立つ。

 三ノ沢を左岸から入れると、2段10mから小滝が連なるゴルジュとなる。ストレートに水を落とす立派な12m滝(写真下)は右岸から小さく巻く。四ノ沢を過ぎて4段10m、2段8mと続くナメ滝を快適に登る。5m前後の小滝がなおも続き、特徴ある5m垂直滝は左から越す。

12m滝 五ノ沢からは水流も細くなり、覆い被さる薮がうるさい。左岸にビバーク跡を見つけて驚く。焚き火跡がまだ暖かく、昨夜泊まったものと思われる。六ノ沢をすぎるといよいよ歩きづらくなり、次の二俣を左にとる。右岸に草地が現れ源頭が近いことを知る。上部はガスで見えず雨足も強くなった。ハイマツ、シャクナゲの灌木帯に突入。

 まっすぐ進むと延々ハイマツ漕ぎとなるので、左寄りに笠ケ岳西尾根を目指していくと草付きとなり歩きやすくなった。風雨強まる中、累々とした岩の間を登り詰めて頂上に立つ。16時ちょうど。

 手がかじかんでしまい、休憩もとらずに片藤沼へ急ぐ。吉田氏が20年前に来たとき、沼のほとりには避難小屋があったという。いまやその名残すらなく、沼下手の草原に張ったテントにずぶ濡れで潜り込む。夜は一時的に雨足が強くなった。

 9月24日(雨のち曇り) 集中時刻は10時半なのでゆっくりと準備していると、霧が晴れてきて笠ケ岳頂上の標識が意外とはっきりと見えた。テントをそのままに軽装備で再度笠ケ岳へ。昨日は悪天のなか長く感じた下りも、登り15分で到着。8時45分。みるみる雲が流れて雄大な至仏山や奈良俣ダムが望まれる。

 集中時間までの1時間半以上、のんびりと展望を楽しむ。9時半ごろ、少し下った西尾根から、楢俣川ヘイヅル沢パーティーが確認できた。笠科川スリバナ沢パーティーの鈴木君が、ヘイヅル沢パーティー三人とほぼ同時に山頂着。10時40分と、まずまずの集中タイムだ。鈴木君は、山野辺氏が不参加のため湯ノ花温泉から尾根を登ってきたという。

 テントを撤収して湯ノ花温泉への道を全員一緒に林道ゲートへと下る。歩きやすい道だがダラダラと長く、登る気にはならないコースだ。湯ノ花トンネル近くに止めてある鈴木カーを回収して分乗し、湯ノ花温泉には寄らずに水上温泉手前の寂れた「うのせ温泉」(500円)に入って帰った。

 【コースタイム】 (9/23)林道ゲート8:40 洗ノ沢入渓点8:55 一ノ沢出合10:10 三ノ沢出合11:40 五ノ沢出合13:10〜20 笠ケ岳16:00 片藤沼16:35〜(9/24)8:20発 笠ケ岳8:45〜10:50 咲倉沢避難小屋12:20〜40 ワラビ平(林道終点)13:17〜25 林道ゲート14:20

 【2万5千図】 藤原、至仏山


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