大菩薩・泉水谷大黒茂谷


2000.7.16 佐々木、吉越、鈴木


 7月16日(晴れ) 前夜、奥多摩駅ホームに降り立つと、水根沢谷に行って来たという橋本氏(『岳人』誌で「職人列伝」を連載中)とばったりと出会う。6、7年ぶりの再会だろうか。20時40分ごろ鈴木君の車に拾われて、三条新橋下の広場まで行き泊まる。

 朝6時20分出発。泉水谷林道を歩くこと1時間で大黒茂谷出合に着いた。巨岩帯を抜けると大岩を従えた5m滝となり左壁を登る。不意に大きな堰堤が立ちはだかり右から越えるが、下りは滑りやすく要注意。この先で無心に釣り糸を垂れる人がいたので、刺激しないよう通過する。やがて沢身が絞られて薄暗い小ゴルジュだ。入り口の深そうな淵は敬遠して、右の岩を登りクライムダウン。次の小滝は突っ張りで越え、右に曲がって連続する5m滝をシャワーを浴びながら登る。

連続するナメ滝 右岸から数段の滝で合流する枝沢を見送ると、ナメ滝が連続する。6mナメ滝(写真)は釜が深く、手前の小滝左の岩溝を登って下りてから取り付き左を登る。そのまま岩床でつながっている8mナメ滝は右隅を斜上。

 3m幅広滝を越えた先で現れるナメ床も階段状に続いて気持ちがいい。木橋が横切り水量の多い枝沢が右岸から入る(2:1)。左の本流は伏流気味となり岩の押し出しで荒れた様相となった。壊れかけた堰堤があるはずだが埋まってしまったようだ。

 二つ目の木橋を過ぎると明るい日差しが注ぐ大滝12mを見る。右手から快適に登る。沢は一層明るく開け、大滝よりも端正な姿のナメ滝が夏陽を浴びて輝く。大滝でフィナーレかと思っていたのでうれしくなる。この10、20mと連続するナメ滝はいずれも左から登っていく。さらに小滝が連続して最後まで楽しませてくれた。

 二俣を右にとり稜線へ向けて詰め上げる。大したヤブコギもなく枝尾根上に出て、少し登ると登山道だった。10時50分。梅雨明けしたかのようなすっきりした晴天となり、時折、富士山を望見しながら丸川峠経由で大黒茂林道を下山。誤って枝道に入りこみ少し時間をロスしたが、2時間ちょっとで大黒茂谷出合に戻る。13時10分。三条新橋下まで汗をにじませてもうひと頑張りし、丹波村公営の「のめこい湯」(600円)に向かった。

 大黒茂谷は短い流程にミニゴルジュ、連続するナメ、大滝など谷のアクセントをちりばめ、足慣らしには最適の良渓であった。

 【コースタイム】 (7/16)三条新橋下広場6:20 大黒茂谷出合7:20〜35 大滝上9:55〜10:05 登山道10:50〜11:15 丸川峠11:35 泉水谷林道13:10〜20 三条新橋下広場14:09


HOME1970年代の沢1980年代の沢1990年代の沢2000年代の沢