奥多摩・峰谷川雨降川長久保沢


1995.10.10 佐々木、小林


 10月10日(晴れ) この沢に初めて来たのは1990年のやはり10月10日だった。幽幻な雰囲気の大滝の印象が忘れられず、もう一度訪れたいと思っていた。地震観測所脇の出合は相変わらず貧弱で、ささやかに流れていた。

 倒木をまたぎ小滝を幾つか越えていくと、2段12m滝で、前回同様左のガレから山道に出て高巻く。さあ、これからと思いつつ先に進んで見て仰天。なんと左岸の斜面が丸裸だ。枝が沢を埋めて歩きずらいこと夥しい。 100mもこんな状態が続く。さいわい平凡な沢筋の地点で、この先の滝場は健在だった。

 S字状の滝をへつると、きれいなナメと釜が現れる。もうすぐ大滝である。傾斜が強まり両岸が高くなって、周りは薄暗くなる。大滝下に立ち、飛沫を浴びながら見上げる。水量が少なく今一つ迫力不足だが、やはり奥多摩の名瀑の一つであろう。

 左からはどうしても高巻く気になれず、前回通り少し戻って左岸の小尾根めざす。登り切ったら急斜面をトラバース。大滝の落口はかなり下だ。もう少し小さく巻きたいが、どうしてもここまで追い上げられる。前回は急なザレを下ってピタリと落口付近に降りられた。だが、きょうは少し行き過ぎたらしく、眼下には大滝の上の10m滝が見える。ちょっと急な部分を5mほど懸垂で下降後、ザレを10m滝下に下りた。この滝は取り付きがかぶり気味なので敬遠し、右からあっさり巻く。

 二俣は水量1:1なので要注意だ。右の大平沢の方が本流と間違えやすい。一瞬戸惑うが、奥に連瀑の見える左俣が本流だ。連瀑帯は一部脆いところもあるが、快適に登れるので楽しい。ワサビ田跡を二つほど過ぎると水は消えてしまう。正面はどんづまりのようになり、右の涸滝を登る。結構、高度感があるので慎重に登る。後は疎林の中をひと頑張りすると登山道に出た。

 【コースタイム】(10/10) 峰谷橋 9:05 出合 9:22〜 9:40 大滝10:45 二俣11:50〜12:10 稜線13:40〜14:00 熱海15:00


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