七種山の伝説

 七種山の山中には七種の滝もあり、深山なのでわずかに木挽きが山小屋を作って棲むのみである。
 昔、この山に魔物が棲んでいた頃のこと。この山小屋に泊まって寝る時、東枕で休むと西枕になるなど眼の覚めるごとに方向が変わっていた。これを「七種の枕返し」といって恐れた。また、初めてその小屋に泊まった夜、猫の夢を見ると山を下り改めて行くようにせぬと災難があるといい伝えられている。